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遺伝子レベルで恋を実らせよう!「マンガde恋愛学!」のレビュー

漫画「マンガde恋愛学!」のてぃーの個人的な感想(レビュー)です。

偶然書店で見つけ、そのときSuicaのポイントが余っていたので購入しました。この程度での購入理由でしたがおもしろく買ってよかったです。  

全体の感想

早稲田大学で「恋愛学」という立ち見が出る講義をされている森川友義先生が漫画用に分かりやすく説明しています。漫画では4人の男女が恋愛をするというストーリーの中、ところどころで森田先生とコウノトリが登場し解説をするという形式で進みます。

恋愛は子孫を残すための手段にすぎず遺伝子レベルで刷り込まれた行動という考えの元、原始人でも現代人でもその行動の根本原理は変わらないとのことです。

男子ならほとんどが好意を持つ「ゆるかわ女子」がなぜ人気があるのかそしてなぜすぐに飽きてしまうのか、遺伝子レベルの生存競争からその理由が分かります。また草食系男子・植物系女子が恋愛に踏み込むためには自分の長所を遺伝子レベルで生かす戦略を取ることが大切とのことです。


印象に残った点

詳しく書くとネタバレするのでちょこっと紹介します。

遺伝子と恋愛の関係
・恋愛感情とは「子どもを作らせるために進化の途上で生まれた一時的な情動」である。
・人間社会はここ数万年で野生から離れ大きく変化したが遺伝子は狩猟採集時代
 (縄文時代)から変わっていない。
 →要するに中身は縄文人のまま
・生物は自分の遺伝子を後世に伝えよとプログラムされているので、自分の遺伝子が 好む理想の異性を求め続ける。
・男性が女性に求めるのは、若くて(健康)、料理上手で(家族の栄養管理能力)、自分の子を(貞節)、たくさん産んで(安産・多産体型)、その子を育ててくれる(母性)、見かけ等モテる(異性獲得能力が期待できる)ということ。
・女性が男性に求めるのは、健康で(若い、体力あり、体格よし)、経済的資源が豊富で(金持ち)、浮気しない優しさ(妊娠中・出産・子育て中に危険から保護してくれる)、見た目がいい(異性獲得能力が期待できる)ということ。
・血液型は関係ない!

考えさせられますね~。
てぃー自身学生時代は生物学を専攻していたので(今は全然関係のない仕事をしてますが^^)、これらのことを言われるととても納得できます。生物としての究極の目的は種の保存(子孫を残すこと)ですから。そのため無意識のうちに本能的に合う異性を求めるのでしょう。もちろんすべての理想に合致する異性はそうおらず、どこかで妥協点を見つける必要はあるでしょうけど。。。

料理について
・男性が女性に食事をごちそうするのは、経済的支援の提供のアピール。女性は食事の味とその際の男性のマナー、優しさで総合評価する。
・女性が男性に手料理を作ってあげるのは、栄養管理能力のアピール。男は女の手料理に弱い。

これは思いつかなかったことでした。男性と女性では料理に対する感受性がこうも違うとは。デートの時に男性がレストランに招待し、女性は手料理をふるまうことまで遺伝子レベルでの話だったんですね!


これらの紹介の後、恋愛には戦略が必要ということで実際の恋愛戦術について入っていきます。「パーソナルスペース戦略」「希少価値アピール戦術」などのテクニックが紹介されていました。「パーソナルスペース戦略」「希少価値アピール戦術」などのテクニックが紹介されていました。詳細は本を読んでのお楽しみですが、モテる人なら無意識にやっていることが多いです。どちらかといえばその戦略の根底にある遺伝子的な部分と絡めて読むと面白いです。どちらかといえばその戦略の根底にある遺伝子的な部分と絡めて読むと面白いです。


ジェンダー論と対照的

紹介したようにこの本では恋愛感情は遺伝子レベルでの行動であり、狩猟採集時代(縄文時代)の生活を現代社会に適用して論じています。
「男性=外で狩猟採集(仕事)、女性=家で家事育児」という考えです。

生物学的に見れば間違ってはいないのですが(体格がそのようになっているため)、この考え方は“古いしきたりでの考え”ということになりますね。しきたりという社会的な概念が実は遺伝子レベルで備わっているというわけです。これは近代社会で謳われるジェンダー論(「社会として性差なし」「労働家事育児の役割分担」など)と全く正反対です。

残念なことにこの件については本では触れられていないので今後の展開に期待されます。


お薦め

モテたいが踏み切れない人(草食系男子・植物系女子)にとっては必読の本でしょう。


また恋愛について科学的な考察をしたい人にとってはまず手始めに読む本の1つだと思います。(本格的なものは社会学の専門書なども読まれるといいでしょう)



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