見出し画像

2拠点生活から見えてきた大切なこととは? / 第9回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告

2020年9月30日水曜朝9時からの第9回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting。
72名ほどの方にご参加いただきました。

この日、農林水産省の食料自給率をあげるプロジェクトのため、石川さんは海風に吹かれながら千葉県は房総の海から参加。
このうふふ*では9月初めに高浜町の野村さんからワーケーションについてのプレゼン(*1)がありましたが、ワーケーションをやりたいが、どうしてよいかわからない自治体も多い。
もっともっと多くの自治体にもこのうふふ*にかかわっていただき、この朝のミーテイングで1,741自治体に毎週5分ずつ話してもらえるようになったらなとお話されました。島田さんも、それはいいアイデアだと同意されました。箕浦さんからは、ワーケーションについてはここ4,5年全国展開をやりたいと思ってやってきていますので、ご興味ある自治体はぜひご連絡くださいと、心強いお話がありました。

*1:9月2日のワーケーションについてのお話はこちらからご覧ください。

軽井沢・東京の2拠点生活

この日の「働き方の新しい波」コーナーは、「軽井沢・東京の2拠点生活」について、堀真由美さん(パソナ)にお話いただきました。Team WAA!の運営メンバー(コミッティーメンバー)でCFOを担当。島田さんとはパソナでジョイントベンチャーのプロジェクトに入った時にご一緒し、そこからのご縁が今につづいています。

堀さんは、2拠点生活の話に入る前に、最近パソナが本社機能の移転を発表した件にふれられました。3,4年かけて1200人が淡路島に移転する計画。2007年くらいから地方創生での取り組みが始まっており、パソナの南部代表が兵庫出身ということで、淡路島への思い入れがあったことも一つの要因となっているそう。

2拠点生活を始めることになるまで

会社が本社機能を移転したのは、災害時に重要業務が中断しないためのBCP(Business Continuity Plan)/ 事業継続計画)という側面もあります。
私の2拠点生活も、個人としてのBCPの意味があると堀さんは話します。堀さんは東京生まれの東京育ち。軽井沢に移るまで、住むのも仕事も、これまでは東京だけだったとのこと。会社として地方創生はやってきていたが、Team WAA!の活動で福岡県うきは市に行ったことで地域の豊かさを経験したことで、自分ごとになり、2拠点でやってみようと思い立ちました。

まずは東京から1時間以内くらいのところで、軽井沢、熱海、那須、逗子、葉山を検討し始めました。軽井沢については、昨年夏くらいから見始めていたとのこと。昨年10月に軽井沢ラーニングフェスティバルに参加した時に、「これからどんなことをしたいですか」との問いかけに、気がついたら「東京・軽井沢の2拠点で仕事・生活することを宣言していたんだそうです。また、その時に知り合った方がパソナ出身で、すでに東京・軽井沢での2拠点生活を始めていたという偶然もありました。

堀さんは、今年の4月後半に2拠点生活をスタートしました。新型コロナによる緊急事態宣言が出ていましたが、結果として予定通りに引っ越しを進めました。

2拠点生活が始まって変化したことは?

4月まではリモート勤務をしていて、週1,2回オフィスに出勤するスタイルでした。5月から全国規模のプロジェクトに入ることになり、出勤をする日が増えたのです。
出勤の日は、新幹線で軽井沢から東京まで行きますが、新幹線での移動による通勤時間の中でできることがあることを知ったことも、自分にとっての新たな気づき。軽井沢から草津が1時間くらいで行けるという地理的なことも、実際に軽井沢に移ってから初めてわかりました。
日々温泉に入る生活を夢見て軽井沢に来ましたが、週1,2回温泉に入り、森の中を散歩しながら仕事をする生活を続けています。

2拠点生活の自分へのインパクトは?

軽井沢は東京とは違って、お店の閉店時間が早く、東京にいるときに比べて帰宅する時間が早くなりました。自分の生活が朝型にシフトしているのを感じます。
目覚ましを使わずに起きれることがなかったのに、なんと軽井沢に来てから目覚まし時計がなくても起きれるようになったのです。
数年前にタイに行った時、鳥の声で目覚めるのが気持ちいいなと思い、アプリで起きることは東京でもやっていました。これに対して、軽井沢にいると、実際の鳥の声で目が覚めるのです。精神衛生上もいいのかなと思っています。
軽井沢のお店などが早く閉まるので、早く帰宅することになり、その結果として自分と向き合う時間が増えてきました。本を読んだり、大切な人と向き合う時間がとれるようになったのです。

ストレスが軽減され、レジリエンスの高まる。心と体のバランスがとれて、
ウェルビーイングが高まり、仕事にもいい影響となってあらわれていると最近感じています。

軽井沢で生活するようになってから、学生の時にホームスティしたシアトルでのことを思い出すことがあります。
軽井沢とシアトルの緯度が近いので、気候が似ていることもありますが、それ以上に生活スタイルが近いと感じるのです。
東京では日々、都市型の生活で忙しく生きている。これに対し、シアトルでは、夕方以降の時間を家族と過ごしたり、音楽を聴いたりして過ごす。仕事から帰ってきてからの時間の使い方が東京と違いました。今の軽井沢での生活は、ホームスティしたシアトルの生活に似ているのです。
当初、車を所有していなかったので、今は駅の近くに住んでいるものの、今後は自分のライフスタイルにあった家を軽井沢の別の場所に探そうかと思っていると、堀さんはプレゼンを終えられました。
2拠点生活に興味がある方が多いのか、このあとは終盤まで質疑応答の時間となりました。

軽井沢に移って、どんなことに気がついたのか

画像1


新卒でパソナに入って、ジョイントベンチャーのプロジェクトで堀さんと出会った島田さん。その時から変わらず優しい堀さんが、パソナ・Team WAA!・うきは市での経験もふまえて今、ライフチェンジングを迎えている話をここで聴けて嬉しいと感想を述べられました。そんな堀さんが、軽井沢でどんな気づきがあるのかについて、質問されました。

子供のころに何をしたかったのか、5年前くらいから考えていたと堀さん。子供のころは動物にかかわる仕事をしたかったので、ボランティアや寄付の形でかかわってきていました。
軽井沢にきて、ベアドッグを知りました。ベアドッグは、熊に人間との境界線を教えるためにトレーニングを受けている犬がいて、人間の住む場所と熊のすみわけのために活躍しています。ベアドッグが、人が生活しているまちに熊が降りており来るのを防いでいるのです。このように、これまでやりたかったことができる場所に、軽井沢に来て気がつくことがある。これから、自分のやりたかったことができる場所がここにあるのだと軽井沢で気がつくことがある。自然の中に身を置くことで、自分が仕事以外でやる役割に気づかされました、と堀さん。

2拠点生活を選んだ理由

画像2

実際に2拠点を選んで生活している人の意見をきいてみたいと石川さん。

堀さんは今回は軽井沢を選びましたが、もともとは熱海と軽井沢のどちらかで2拠点生活をしようと考えていたとのこと。
熱海は海。軽井沢は森。
自分の中で問いを立てていた。「自分はどこにいることで心地よい最良の状態になれるのか」と。
そのうえで森を選んだのだそうです。
固定の住居を持たず、全国にある拠点を移りながら暮らす、アドレスホッパーというのは、自分に合っていない。ある程度居をもちながら
その地域にどっぷりつかるのか、どっぷりではないがそこに行くという形があっていると思いました。
軽井沢は別荘のイメージがあるが隣の御代田町を含めて定住者が増えている
東京の中で郊外に行く方法もあったが、福岡県うきは市で水のきれいさを経験し、水のきれいなところに住みたかったのです。
3.11の東日本大震災で、考えました。会社はBCPとして、会社で場所を分けて対策をとるが、私個人のBCPとして、東京だけの居でよいのかと。私はよくても、両親には東京ではなく、沖縄にいかせてあげたいなどと危機感じ強く思った。個人のBCPの観点から、複数拠点もっていれば、何かあった時に安全な生活ができる。1拠点で何か起こっても、もう1拠点に東京の友人・知人も呼ぶことができるので、2拠点の居をもとうという気持ちが強まっていたのです。

自分にとってやすらげるところ、自分にとって心地よいところ・場所をもっていること。そうやって生きていることを大事にできていたら、心のゆとりをもって楽しく仕事をすることができるのだなと、堀さんのお話を聴いて感じました、と箕浦さん。

画像3

カルチャーのあるところのほうが、2拠点生活の場に選びやすい?

関編集長も、夢として2拠点を考えているとのこと。候補地としては、軽井沢、熱海、八ヶ岳。
2拠点生活の場所として軽井沢を考える時、大自然だけでなく、カルチャ-(文化)があることが要素になると感じます。美術館があったり、クラッシックホテルやお店ががったり、文化の香りがある方が住みやすいのではないかと思うのですが、実際に軽井沢を選ばれてみてどうでしたか、と関さんが質問されました。

画像4

確かにそういったことも考えました、と堀さんはお話されました。私はお茶をやっているので、鎌倉も選択肢の一つでした。軽井沢には音楽家の方もいらっしゃいます。軽井沢の歴史を含めて、面白いと思いました。
2拠点生活の候補地だった熱海にも歴史があります。地域の歴史的なものも考える視点になります。歴史なのか、文化なのか、楽しむためのは自然のほかに大きな要素ですね、と堀さん。

関編集長の編集後記

好きなエッセイに武田百合子さんの『富士日記』があります。


武田百合子さんは、小説家武田泰淳さんの奥様です。
1960年ころから赤坂に住みながら、富士山の別荘に通っていて、富士山での私も移動するときには、本を読んだり、アイデアがうかんだりする移動する時間についての記述も面白くて、富士山の別荘での生活だけでなく、移動時間も楽しんでいることが伝わってきます。
私も移動するときには、本を読んで過ごしたり、ふとアイデアが浮かんできたりします。
拠点をもう一つつくることは、居場所をもう一つ持つだけではなく、移動時間に自分を見つめる時間を持つことになるのではと感じます。2拠点生活、ぜひ私も始めてみたいと感じました、と締めくくられました。

***

明日10月7日(水)朝9時からの「働き方の新しい波」は、「仕事と遊びの境界線をなくす働き方~大川印刷のSDGsな取り組み」について、大川哲郎さんにお話いただきます。

後半のコーナーは、参加者皆さんのお悩みの相談をうかがえればと思います。悩みはその人だけのものではなく、みんなのヒントにもなるからです。
今回は農のある暮らしの格安研修プログラムについてです。

お申込みまだの方はこちらから

FRaU WFH*(うふふ*) Meetingは、毎週水曜日朝9時から10時。お時間取れるタイミングで、ぜひご参加ください!


文:宮崎恵美子

***

第0回(2020年7月29日レポート):WFH*については、こちらでご覧ください。
https://note.com/teamwaa/n/n22a021812f1d

WFH*の読み方は「うふふ」 / 第2回FRaU WFH* Meeting開催報告(2020年8月12日レポート)
https://note.com/teamwaa/n/n18a7a94ee6fc

政策につながる組織のミッションとして行えたからこそ、環境省の「選択と集中」プロジェクトは成功した / 第3回FRaU WFH* Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n1b74d08d63dc

ロンドンで、日本の「働き方」がすべてではないと気づいた / 第4回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n72e227a57b21

ワーケーションで、人や自然に感謝し、幸せを感じられるようになろう! / 第5回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n0bf44fc20fda

"はたらく"に歓びを 誇りを持てる仕事をしていこう ! / 第6回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n54aeaf037d4f

自分の得意なこと・やりたいことでキャリアを築くには / 第7回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n4529ab67eb37

真のダイバーシティにつながる働き方とは? / 第8回FRaU WFH*(うふふ*) Meeting開催報告
https://note.com/teamwaa/n/n49a14e4cef62










この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?