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「月曜日から土曜日まで働いて、日曜日に何が出来ますか」

このタイトルの言葉はモンゴル人の友人に言われて心に残っている言葉です。

日曜日に、何が出来るんだろう…。

愛知に住んでいた頃に、よく行くモンゴルレストランがありました。
月に2回くらいは行っていたので店長と仲良くなり、お店が暇な平日に、店長が席に来て、世間話をするような事もよくありました。

店長がなぜ日本に来て、お店を開いたのか、色々話を聞く中で、海外から体一つで日本に来る人の、熱い魂が、垣間見えました。

●日本について思う事
「日本人は本当に恵まれています、若い人が数年働いて、何百万も貯金をするのは、モンゴルでは絶対出来ないです。会社を興さないと不可能です。
どこの国に行くにも、ビザもいらない。でも、どうしてどこにも行かない?
日本では、たくさん働くのが偉い、昼寝はだめという。でも、昼寝したっていいじゃないですか。
月曜日から土曜日まで働いて、日曜日に何が出来ますか。出来るはずがない。二日は休まないと。

海外だって、行くなら1週間?2週間?もっと行きたいでしょ。でも、1週間も休めない。昼寝してもだめ。モンゴルなら、半年休んでも大丈夫。
今からずっと先の70才の年金のために働いて、これはモンゴルの人たちもそうですが、70才の時にお金があって、何が出来ますか。人生は一度しかない。人間は、どこに行っても絶対やっていける。それが人間の一番の能力。脳があるから、考えて、どこへ行ったってやれる。私は今でも自信があります。お店の若い従業員より、私はよく動くし、よく考える。
モンゴルに帰ると、40歳過ぎの同級生が、老人ホームを探してる。マンションに住むのに足が心配と1階に住んでる。それはどうしてかと思う。今を見ないで、日本でも、モンゴルでも、働く為に生きている人がいる。私は、楽しむために生きたい。
もちろん、(自分の道を見つけるのは)誰にでも出来る事じゃない。でも、探したい。私はもし今家族とか、何もなかったら、たくさん旅に出たい。
今、英語を勉強してます。私はまた、違う国に行く。

200ドルあったら、なんだって出来ますよ。それだけ持って、違う国に行って、同じ国の仲間を尋ねたら、絶対に助けてくれる。その仲間の家に泊まって、次の日はまた別の仲間を尋ねる。」


●ルーツ
店長は、小さい頃からテレビで観る海外の世界心の中で憧れていて、俺はこんなモンゴルのゴビ砂漠の貧乏な村で一生を終えたくない、と思っていたそうです。

でも、そんな事を考えても、周りの村人には分かってもらえないし、福外に行くには、ビザやお金の問題があり、とてもハードルが高く、流れで公務員になったそうです。
そのまま結婚して、子供ができて、しばらくモンゴルで暮らしていました。
でもある時に、日本で一年間研修を受けるというプロジェクトが立ち上がり、それに受かって、25才の時に日本に来る事が出来たそうです。
1年で帰国したものの、海外の刺激が忘れられず、家族を説得して公務員をやめて、単身日本に乗り込んできたそうです。そこで、何もないところから、コネが出来て、お金を作り、名古屋に店を建てるまでになったと言っていました。
そして、今、家族を呼んで、日本で暮らしています。
後数年したら、さらなる未開の地を求めて、また旅に出ると言っていました。

数年経って久しぶりにお店を訪れると、店長は宣言通り、別の地へ旅立ったようでした。

何のために働いて、何のために生きるのか、店長から聞いた話は、心に深く刻まれて、いつか、こどもにも話したいなと思っています。
私自身も、この言葉を忘れずにいたいとも思います。

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