2025年の企業研修を先取り!最新の育成トレンドから読み解く
はじめに
急速に変化するビジネス環境において、企業は新たな人材を採用するよりも、既存の従業員のスキルアップに注力しだしています。この企業教育のパラダイムシフトに伴い、さまざまな新しいキーワードが登場しています。この記事では、最新の企業教育トレンドをもとに、2025年の企業教育をご提案します。
AX時代
デジタルトランスフォーメーション(DX)の次に訪れるのが、AIへの切り替え、つまりAX(AI Transformation)の時代です。AX時代の企業は、AIを活用してビジネスプロセスを構築・改善し、生産性を向上させます。企業だけでなく、個人も業務においてAIを積極的に活用する時代となります。例えば、繰り返し行う業務の自動化や、クリエイティブなアイデアの生成がAIで可能になります。マーケティングの分野でも、コンテンツ制作がより効率的に進むことでしょう。
このようなAXトレンドに応じて、企業教育も変化しています。AIを業務で効率的に活用できるよう、従業員に対して具体的なAI活用方法を教えるのです。例えば、特定の業務分野でのAIの使い方や、AIによるコンテンツの改善方法などが挙げられます。これにより、従業員がAIをビジネスパートナーとして認識し、効果的に活用できるようになります。
スキルベースの学習
スキルベースの学習(Skill-based learning)とは、特定のスキルを習得し、それを実際の業務に適用することを目的とした教育方法です。この方法では、理論を学ぶだけでなく、実務に役立つスキルを重点的に習得します。
こうしたスキルベースの学習は、企業教育において非常に重要な役割を果たします。これまでの一律的な教育とは異なり、個々の業務内容に直結した学びが可能になり、教育の効果が業務の中で最大限に発揮されます。
また、スキルベースの学習は成果が測定可能な点が特徴です。これにより、教育の効果を明確に評価し、改善することができます。一度きりの教育ではなく、継続的な学びを重視するのがこの方法です。スキルベースの学習は、急速に変化する産業のニーズに対応し、新たに求められるスキルをいち早く習得する手助けとなります。これは、個々のスキルアップだけでなく、企業全体の競争力向上にも貢献します。
L&D(ラーニング&ディベロップメント)
これまでの企業教育はHRD(Human Resource Development)という用語で表現されていましたが、現在はL&D(Learning and Development)に変わりつつあります。これは単なる用語の変化ではなく、企業教育のアプローチ自体が根本的に変わってきていることを意味しています。
HRDでは、企業の視点から人材を管理・開発することが主な目的でしたが、L&Dでは、各個人の学びと成長が重視されます。従業員が主体的にスキルを習得し、成長できるよう支援するのがL&Dの特徴です。また、従業員が習得したスキルをビジネスの成果
に結びつけることで、企業全体のパフォーマンス向上につながります。
AIリテラシー
AIリテラシーとは、AIを単に使うだけでなく、AIテクノロジーを理解し、活用できる能力を指します。MITのシンシア・ブリジール教授によれば、AIはコンピューターサイエンスやプログラミングだけでなく、社会のあらゆる面に影響を与えており、日常生活で多くのテクノロジーを使いこなすためには、AIリテラシーが不可欠だと述べています。
最近では、AIリテラシーの指標として「生成AIパスポート」という新しい資格が注目されています。この資格は、AIを活用するための基礎的な知識と技術を証明するものです。従来からあるITパスポートと比較すると、生成AIパスポートは特にAI技術、特に生成AIに関する知識を重視している点で異なります。例えば、自然言語処理や画像生成、データ分析におけるAIの具体的な活用方法などが学べます。
生成AIパスポートを取得することで、AIを業務に活用するための基礎的なスキルを持っていることが証明され、AIリテラシーの向上に大きく貢献します。企業においても、この資格を持つ従業員は、AIを効果的に活用できるため、業務効率や生産性を高めることができます。
生成AIパスポートに関する詳細は、以下のリンクをご参照ください。
そのため、企業は従業員に対してAIリテラシーを向上させるための教育を推進しています。3月に韓国で開催されたHRDフォーラムで、韓国最大手の携帯通信会社であるSKテレコムの能力育成チームのユン・ホンノ氏は、「AIの活用はもはや選択ではなく必須であり、基本的なスキルだけでなく職務別の応用能力も訓練している」と述べ、AIリテラシーの重要性を強調しました。AI活用の教育を積極的に導入することで企業全体のAIリテラシーを底上げし、AX時代に対応するための基盤を築くことが可能になります。
オーダーメイドのキュレーション
業務に必要なスキルは職務ごとに異なるため、教育も職務に応じてカスタマイズされる必要があります。そのため、「オーダーメイドのキュレーション」が求められるようになりました。膨大な教育コンテンツの中から、各職務に最も適した内容を選び出し、効果的に提供するのです。
例えば、AI教育においても職務に応じたオーダーメイドのカリキュラムが必要です。職務ごとにAIを活用する方法が異なるため、マーケティング部ではAIを広告素材の制作や顧客ターゲティング、データ分析などに活用します。一方、経営サポート部では効率的なメール作成やドキュメントの自動化、スケジュール管理に、人事部では人材選抜や従業員の満足度分析などにAIを使用するでしょう。オーダーメイドのAIトレーニングを通じて、各従業員の業務効率を向上させ、企業全体の生産性も向上させることができます。
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本記事では、2024年に注目すべき企業教育のトレンドをご紹介しました。スパルタの企業研修では、今回ご紹介した最新トレンドはもちろん、各企業の現状や目標に合わせてカスタマイズした、カリキュラムをご提供しています。
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