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ピンチをチャンスに変えて、今できることを

東京で緊急事態宣言が発令されてから2ヶ月弱。
皆さんも、少しずつ今の環境に慣れてきた頃ではないでしょうか。当初の不安や心配、先の見えない恐怖という感情から、これから始まるwithコロナやafterコロナとも言われる新しい時代に向けて、どのように自分を変化させていくかというポジティブな感情に変わってきた方も多いように感じます。

先日、パソナシンガポール様よりご依頼をいただき、在星日本企業様向けに発行しているニュースレターに弊社中竹が応援メッセージを寄稿させていただきました。すぐに読者の方から反響をいただき、これは是非より多くの皆様に届けたいと思い、今回一部内容を修正したものをこちらに掲載することにいたしました。
少しでも皆様のお力になれると幸いです。


ピンチをチャンスに変えて、今できることを

このコロナによる世界的な危機は、良くも悪くも私たちのあり方を見直す大きなきっかけとなりました。しかし、この危機をピンチと捉えるか、チャンスと捉えるかは皆さんのリーダーシップに大きな影響を与えるでしょう。今日は、このような状況の中、今リーダーがすべきことは何なのかを考えていきたいと思います。

まずは、マネジメントという視点から、大きく二つに分けて考えてみましょう。

1. セルフマネジメント

多くの人に共通しているのは、自宅待機によって移動時間がなくなったということです。これは、自分の時間が増えるという意味では大きなメリットとなります。リアルな場で会うという前提で進んでいた様々な手順が、これによって非常にスムーズになりました。ここで皆さんに考えて欲しいのは、この増えた時間をいかに自分の学びに変えるかということです。健康のためでも、家族のためでも、趣味のためでもなんでもいいです。移動時間を今までの自分の生活のプラスアルファに当ててみましょう。

反対にデメリットはというと、今まではプライベートの空間であった自宅を、家族と時間を共にしながら過ごす職場であるという認識に変えなくてはならないということ。自宅を働きやすい環境に変えていかなければなりません。また、これまでは場所を移動することで無意識的に頭の切り替えを行っていました。朝、職場への移動中に頭の中をプライベートモードから仕事モードに、そして執務室から会議室へ移動することで会議モードに。ところが、移動時間がなくなった今、これまで空間の移動によって行っていた頭の切り替えを、自分自身で意識的に行わなければならなくなりました。しかしこういった意識的な切り替えをこの自宅待機のうちに身に付けることができれば、今後あなたのパフォーマンスは必ず上がります。これができない人は、自宅待機が終わった後には時代の流れについていけなくなります。まずは自分の働きやすい環境づくり、意識の切り替え、体のコンディショニングについて意識的に取り組んでみましょう。

2. チームマネジメント

普段何気なく顔を合わせてしていた会話ができなくなり、組織の一体感や帰属意識が薄れているという声を聞きます。でもそれって実は、コロナ危機によって組織の状態が悪くなったわけではなく、元々自分たちが持っていた組織の力や文化が、コロナによって色濃く反映されただけなのです。

「どうしてうちのチームはこういう時に一体感を出せないんだ」
「他人に対する思いやりが足りないのではないか」

その原因は、あなたの組織には元々そういう土壌があったからだということに気づいてください。
逆に言えば、こういった状況の中でも、オンライン上でチームが活性化し、今までよりも更に一体感やチームワークを発揮している組織も少なくありません。そのような組織は、元から当たり前のようにチームワークに力を入れていたのでしょう。
大切なのは良くも悪くも色濃く出てしまった組織の現状をしっかり見つめ直すことです。もしも、あまり良くない状況であれば、今すぐに改善を試みましょう。

ここで一つ、今すぐ実践できるアイデアをご紹介しましょう。セルフマネジメントと同じように、何かを改善するには意識的に取り組まないといけません。

現在、様々なツールを使ってオンライン会議が行われているかと思いますが、例えばリアクションを大袈裟にする、可能な限り全員が画面をオンにしてお互い顔を見ながら話すなど、意識的にコミュニケーションを活性化させるルールを取り入れてみてください。他にも、会議の始まりと終わりには必ずチェックイン・チェックアウトの時間を設け、全員が一度はコメントをするというのも有効でしょう。オフラインの会議では、発言するメンバーがなんとなく固定され、中には一言も話さずに会議を終える人もいるかもしれません。オンラインでは、それぞれのメンバーの息遣いが読み取れなかったり、集中力やコミットメントを感じることも難しかったりします。なるべく全員が発言し、集中できる環境を作ってみてください。

もし、オンライン上でもすでに組織がポジティブな状況である時には、アフターコロナの世界でもいかにその状態を再現するかを考えていくことが重要です。今後オフラインとオンラインの会議のバランスをどのようにしていくか、オンラインのみでも成立していたコミュニケーションはオフラインでも変わらず成立するのか、アフターコロナのシミュレーションをしてみるといいでしょう。

移動時間がなくなった分、会議が連続して入ることにより、隙間時間や休憩時間を取りづらくなった方もいるでしょう。自分では気づかないうちに、ストレスを感じていることもあります。できれば社内で「会議は何時間まで」「必ず休憩を合間に入れる」「決まった時間に全員で軽いエクササイズをする」などといったオンライン会議のための新たなルールを決めるのも有効です。

3. もう一つの大事なマネジメント

さて、ここまでセルフマネジメントとチームマネジメント、二つのマネジメントの話をしましたが、実はこれからの時代に必要なもう一つの大事なマネジメントがあります。
それは、新しい同僚マネジメントです。
Facebook社やGoogle社が2020年末まで在宅勤務期間を延長することを発表したように、今後も在宅勤務が長期にわたって続く人も増えるでしょう。先ほど、自宅を職場という認識に切り替える話をしましたが、その職場における同僚は誰なのか?ということを考えることが非常に大事になります。これまでは同僚といえば会社のメンバーだけでした。しかし、同じ空間で過ごす家族、子供や親、パートナーもすでにあなたの同僚と言っても過言ではありません。この新しい同僚は、あなたの働く集中力やパフォーマンスに大きな影響を与えます。ぜひ彼らを一緒に働く仲間だと思い、お互いに協力をしあいましょう。セルフマネジメントでも、チームマネジメントでもない、新しい同僚のマネジメントに関してもこの機会に考えてみてはどうでしょうか。

コントロールできることに集中する

今回のコロナ危機では、誰も想像できなかったことが起こりました。今まで私たちの身に降りかかっていた多くの問題は、自分でコントロールできるものでした。しかし、今回は自分がコントロールできないどころか、人間がコントロールできないレベルの危機です。これからの世界では何がコントロールできて、できないのかの線引きを明確にする必要があります。コントロールできないものに関しては、ある種の諦めを持ち、コントロールできることに集中することが大切です。

これまではすべてのものをコントロールしようとする力をつけていくことが求められてきましたが、今後は自ら変わっていこうとする、自己変容型のリーダーが求められてくるでしょう。物事を動かし引っ張ってきたリーダーから、いかに周りの環境に合わせ、自分を変えていけるリーダーになれるか。自分のこれまでの価値観と合わなかったとしても、自己変容によって新しいことが生まれるかもしれないという純粋な好奇心や期待を持って、目まぐるしく変化していく世界に適応していく勇気が必要です。

視野を広げて考える

ただし、コントロールできることに集中するということは、手元だけを見ておくということではありません。世界全体を捉えた上で、アクションを絞ることが大切なのです。今回のような世界的な危機では、各国のリーダーを見ても、地球全体の動きを大局的に捉えているかどうかが、その決断や行動に大きく現れていました。

これまでは自分や自分の部署、そして会社まで。視点を広げたとしても自分たちの属する業界までを考えておけばよかったかもしれませんが、今後は国や産業、更には人種を超えて、地球レベルの視野が求められています。世界共通の問題を前にして、いかに社会や環境、地球を俯瞰して捉えているかがリーダーとしての基準の一つとなっていくでしょう。つまり、組織や事業の規模に関わらず、すべてのリーダーがグローバルリーダーとしての視点を持つことを求められるのです。

ぜひ、これを機に、意識的に自分の主語を変えて語るトレーニングをしてみてください。「もし自分があの国のトップならどうするか」などと、色々な立場をイメージしながら、世界全体を俯瞰して捉える。そうして様々な選択肢を吟味した上で、そのうちのどの部分がコントロールできて、自分が取り組むべきなのかを絞り込むのです。
さあ、意識と視座を上げていくには今がチャンスです。次に活躍するリーダーは、この危機を乗り越えたあなたたちです!

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