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あなたの自分探しとは?〜成長につながる問いかけコーチング#42

Cannot、自分にできないことを探してみよう

前回「自分に足りないものとは?」という話をしましたが、今日はその続きの話をしたいと思います。

私は普段全く本を読まないんですよ。本を読むことが非常に苦手なんですが、一つだけ、昔から大好きな本があるんですね。よくオススメの本を聞かれたりもするんですが、これしか紹介できないんです(笑)

『ぼくを探しに』というシェル・シルヴァスタインの名著です。この本は、文字もほとんどない絵本です。見ての通り、絵自体も鉛筆描きしたのかと思うくらいすごくシンプル。丸い顔で、口が開いたパックマンみたいなキャラクターが表紙です。

ストーリーを簡単に説明すると、「ぼく」は自分に足りないものを探しています。口の欠けた部分にハマる、その「足りないもの」を探してコロコロ転がりながら旅に出ます。あるとき、ついにピタッとハマるかけらを見つけて、綺麗な円となり喜びます。しかし、これが本来の自分ではないということに途中で気づき、欠けている部分があるからこそ自分なんだと、また元の欠けた状態に戻って旅を続けるというストーリーです。

もちろん、見る人にとって色々な解釈があるでしょう。僕自身も、この本に出会ってからかなりの年月が経ちますが、見るたびに受け取り方が変わっています。人間は「自分は何者か」という問いを自分に投げかけます。この自分探し、おそらく一生続く問いなんだと思います。しかし、自分探しをするとき、ついつい自分の強み=Can、何ができるのか、何に優れているのかに目が行きがちですが、逆に自分のできないこと=Cannotを見つめてみるのはどうでしょうか。

このCannotを探すと、意外に自分らしさが見えてくるのではないかと思います。私自身、何が足りないのかと考えたことがあります。ラグビーで考えてみると、ボールを持って相手を抜く俊足もなければスキルもない。相手を弾き飛ばせるような力もない。じゃあ何があったのかというと、人よりちょっと冷静にものを考える力、みんなが嫌がりそうな痛いプレーで体を張る、そんな力があるんじゃないかなと思いました。自分にできないことが明確になってくると、それ以外のことを探し、考え始める。そういった癖がつくようになりました。Canではなく、Cannotから探すことで、一周回ってCanが見えてくる。

実はこのCannot、あなたに欠けている部分があなたにチャンスを与えてくれるのかもしれません。これはなぜかというと、私の経験上の話ですが、Cannotが明確になると、そこに執着しなくなります。人間の意識では、何かに執着して「手に入れたい」「欲しい」と思うと、それに対してどんどん意識が奪われていきます。しかし、それを手放し、手に入らないものと思ってみると、別のものに目が行くようになります。
足りないものを取りに行くことも大事ですが、そもそもないものと思って割り切ってみると、それに対する執着もなくなり、別の角度からものを見られるようになります。

しかし、ついつい我々は、自分に足りないものを考えると、「人から馬鹿にされるんじゃないか」「周りから責められるんじゃないか」と人の目が気になり、本来欲しくないものであっても、周囲からの評価を得るために埋めようとしてしまいます。私はその活動そのものがもったいないなと感じていました。だったら最初から足りないものをポジティブに自分から切り離し、自分にできることややりたいことを探した方がいいのではないか。そう思っていました。

あなたは、自分の何を探しに旅に出ますか?
ぜひ、足りないものをポジティブに見極め、足りないものを埋めるのではなく、できることを探して前に進む旅に出て欲しいなと思います。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。

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