リーダーシップとは引っ張ることではなく、組織に影響をもたらすこと
10年以上お世話になった営業部長が先日転勤しました。
私たちマネージャー陣を集めた最後のミーティングで伝えられたのが、この言葉でした。
「リーダーシップとは引っ張ることではなく、
組織に影響をもたらすこと。」
近年、私の会社でも入社5年目くらいまでの若手の定着率が落ちています。会社や自分の所属組織に対するエンゲージメントスコアが大きく下がっているのです。
「是非マネージャーの皆さんで、もう一度魅力ある組織を作り直して欲しい。」そのような文脈の中で伝えられたのが、リーダーシップの在り方でした。
組織に影響をもたらす
「組織に影響をもたらす」とは、どのような影響をどのようにもたらせばよいでしょうか。
ここで、入山章栄さんの著書「世界標準の経営理論」からヒントをいただきます。リーダーシップと、理想の組織についてこのように語られています。
リーダーシップとは、
キャプテンのような役職に限らず、「心理的に他者に影響をもたらす」こと。
理想の組織とは、
メンバー全員がビジョンを持って、全員がリーダーシップを執りながら、互いに啓蒙し合い、知識・意見を交換する組織。
互いに啓蒙し合う関係とは、リーダーとフォロワーという「垂直的」な関係ではなく、それぞれがリーダーのように振る舞い他のメンバーに影響を与え合うという「心理的な水平関係」をつくることが大事だとおっしゃっています。
そして、知識・意見を交換するとは、組織内のメンバーの「知の交換」により新しい知を産み出すことだとおっしゃっています。
全員がリーダーシップを執り水平な関係をつくるだけでなく、「知の交換」までするという考え方が私には新鮮でした。そもそも新しい知とは、既存の知と知の新しい組み合わせから生まれるという概念です。
①立場や年齢に関係なく、お互いに尊重し合えるフラットな組織をつくる。
②メンバーそれぞれが持つ「知識」「スキル」「アイデア」を引き出し、交換する。
これらにより心理的安全性のある組織となり、新しい知を産み出すことができるのですね。
リーダーが育つ変革プロジェクト10の原則
それでは、実際どのように「水平関係」をつくり、「知の交換」をしていけばよいのでしょうか。
これについても入山さんの著書にあった「リーダーが育つ変革プロジェクト10の原則」を参考までに抜粋させていただきます。
①オーナーシップ
全員が「自分の担当領域」を持つ。
②チャレンジ
プロジェクトも個人も、初めてのことに取り組む。
③オピニオン
「オレはこう思い、こうしたい」の表現から始める。
④ファシリテーション
他人の意見を引き出し、整理し、合意し、推進する。
⑤プロセス
正解を知っていることよりも、前に進めるプロセス構築力を重視する。
⑥オープン
情報を開示することが、助け合うことの第一歩。
⑦トライアル
まず試し、失敗して学ぶ。
⑧ピース
オピニオン・オープン・トライアルの基盤は、心理的安全性の確保。
⑨フィードバック
「こう見えるよ」を贈り合い、自ら振り返る。
⑩Resposibility&have fun!
「必ずやり遂げる責任感」と「楽しいからやる」を両立する。
①の「自分の担当領域」を全員が持つというのは、すごく大事なポイントですね。メンバー全員の「得意」「好き」「やりたい」を引き出し、力を発揮できる環境をまず作ることから始めなくてはいけないですね。
そして、オープンでトライアルな空気をつくり、心理的安全性を確保しなくてなりません。
最終的には、「必ずやり遂げる責任感」と「楽しいからやる」を両立することを目指して、互いに啓蒙し合い、知識・意見を交換する組織を作っていきます。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?