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第7回 オンライン会議のコツ 「発言が長い人にどう介入する?」

会議中に発言の長い人がいる時に、オンラインではなかなか介入が難しいという声を聞きます。しかしそこは、ファシリテーターの工夫のしどころ。オンラインでも使える手法はいろいろあります。限られた会議時間において1人の発言に偏らないような進行のコツについて、プロファシリテーターの山田さんに伺いました。(聞き手:チームマガジン編集部、話し手:一般社団法人チームスキル研究所 代表理事 山田豊 氏)

■発言者に相づちを打ちながら、その流れで介入

―オンライン会議で発言が長い人に対して、区切りたい時もあるのですが、リアルの会議より難しく感じます

山田さん:オンラインだと言葉だけでとめる必要がありますからね。だからこそ介入のタイミングがつかみづらいというわけでしょう。

―そうですね。テンポよく話している方だと、なかなか口を挟めません

山田さん:参加者の反応が見えづらい分、発言者が一生懸命話し続けてしまうケースもあります。ファシリテーターが適宜うなずきや相づちで反応し、相手とペースを合わせながら相づちの延長で介入していくという方法があります。

―なるほど

山田さん:「うん…はい…今おっしゃってくださったのは……ということですね。ありがとうございます。他の方はどのように思いますか」という調子で相づちから始められると、発言者も自然に話を区切りやすいのです。

―そこまでうまく入れない場合もありそうですが……

山田さん:別の方法は、話している内容を書き出して可視化していくことです。書き出すと、発言者もそれを見ながら話を重ねていきますので、本題から離れた場合に、当人も気づきやすくなります。また、「すみません、確認ですが……」などと、記載内容を確認させてほしいという意図で介入すると、違和感が少なくなります。


■資料説明が長くなったら、できるだけ確認タイミングを挟む

―資料説明が多いと、どうしても説明者ばかりが話す状況が生まれますよね

山田さん:そうですね。説明者側の画面は資料が全画面表示されるので、発言者の表情が見えないことも影響します。そこはファシリテーターが「ちょっとここで区切りましょうか。質問がある方はいらっしゃいますか」など介入する方が、むしろ説明者も手応えを感じられる場合もあります。

―確かに、伝わっているか不安なまま進めるより、確認を挟んだ方がやりやすい場合もありますね

山田さん:説明者には一度全画面表示を閉じてもらって、参加者の顔を見ながら質問対応してもらうのもよいでしょう。また、参加者からすぐ意見が出いようなら、「チャットに書き込んでくださいね」と促していきます。

―一方で、同じ人ばかりが質問したり話したりと、偏りが出る場合もあります

山田さん:そういう状況が続いたら、「ここで他の人の意見も聞いてみましょうか」と指名してみたり、小グループ対話を挟んで個別意見が出やすくする進行も考えられます。

―会議時間が限られている時ほど、うまく参加者の発言機会をつくっていきたいものです

山田さん:そうですね。できるだけ全員発言できるようにしたいものです。特に時間が限られている時には、簡単なコメントでもいいのでチャットに書き込むようガイドしたりと工夫してみてください。

―どうもありがとうございました

<ポイント>
・ポイント1:話が長い人でも、相づちを打ちながら自然に介入していくことが可能
・ポイント2:発言の可視化で、話の要点が間延びしていくときの介入がしやすくなる
・ポイント3:説明時間が長い場合は、ファシリテーターが介入して参加者の理解を途中確認するのも有効

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