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極限まで削ぎ落としていく徹底した品質管理

学校や教育委員会、文部科学省といった教育の世界だけで働いていたら、決して出会うことのなかったのが、タイトルにある言葉です。

島根県海士町に出向しているときには、観光や福祉、漁協など様々な分野の方々と町の将来について膝を突き合わせてたくさんの議論を重ねました。教育以外の分野で働く人達と議論するのは初めての経験で、様々な気付きや学びがあって、それは今も自分の中で深く残っています

まちづくりは楽しいこと、ワクワクするようなことだけではありません。
商品開発をするとき、新しいプロジェクトをはじめるときには、色んなものを付け足していきます。それはとても楽しいことで、夢がどんどんと広がります
でも、それだけだと、他の地域に数ある商品やプロジェクトと同じで埋もれてしまいます。徹底的に品質管理して、質の高いものを提供することが、選ばれるためには不可欠です。それは地道で長い時間を要する、身を削るような作業の繰り返しです。
海士町の凄いところは、それを愚直にやってきたことであり、その精神が脈々と若手職員やIターンの者にも受け継がれているところです。

まちづくりの議論をしているとき、ワクワクした話で盛り上がっている場面でも、Iターンで当時海士町観光協会で働いていた青山敦士さんは「これまで観光協会がやってきたことは徹底した品質管理。極限まで削ぎ落としていく徹底した品質管理の視点が必要です」と話をしてくれて、議論を本質に近づけてくれる場面がたくさんありました。

そして、自分は教師として、文部科学省で働いていたときに、ここまで徹底して品質のことを考えてきたことがあっただろうかと、自問自答させられました。
改めて、学校教育を考えるときに「教育の質」というものと真剣に向き合わなければならないと痛感させられます難しいのは、何かを付け加えるのではなく、削ぎ落としていくという点です。それは教育の分野が一番苦手なことであり、学校の働き方改革や学校の魅力化を実現する上でも避けては通れない大切な論点です。
別の機会に詳しく書きますが、極限まで削ぎ落としていく徹底した品質管理の視点が必要という考え方は、海士町が掲げている「ないものはない」という言葉に収斂されるのだと思います。

そんな大切なことを教えてくれた青山敦士さんが社長となって、新しいホテルを離島にグランドオープンさせます。ホテルの名前は「Entô」です。
7月1日にオープンなので、もちろん私はまだ宿泊したことはありませんが、そのホテルは品質に徹底的に拘り、妥協せずに本質を追求し、極限までに削ぎ落とした「ないものはない」を体現するような素晴らしいホテルに違いありません

私も早く泊まりたいですし、海士町にお越しの際には、是非、多くの方に宿泊してもらいたいです。




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