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なぜ外資系製薬会社のMRから経営幹部?


どーも。薬剤師兼中小企業の経営幹部の海老沼です。

半年くらい前に転職をしまして
よく、何で転職したの?今何やってるの?転職してどう?
って質問されることが多いので、noteに書き留めておこうかなと。

あとね
MBAってどうなの?
って質問も多いので、転職後に学びをどう実務に活かしたか?ってのを書き留めておこうかなと思いまして。


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1.転職の経緯

2013年に新卒で外資系製薬会社(グラクソ・スミスクライン株式会社)に入社しました。社員10万人以上の大企業で会社の薬は学生時代から愛着があり、MRの仕事も大好きでした。

ただ、製薬業界(特にMR)にも暗雲が立ち込めてきまして、転職活動してみたものの全然うまくいかず、大手経営コンサルティング会社の二次面接で『君は論理的思考力がない』と言われ、2018年7月に会社に勤めながらグロービス経営大学院に通い始めることにしました。

前職で営業しか経験したことのない自分にとって、大学院での学びは新鮮でした。学びが深くなるにつれて、『経営って面白くね?』とどんどんのめりこむように仕事の合間とか、仕事終わり、休日とかもずっと勉強していました。

一方で学費200万とかなりの時間を投資しているので、学びをアウトプットしなきゃもったいないと思うようになり、どこか製薬会社のMRでいる今の自分に物足りなさを感じていました。


当時の自分は仕事で成果を出しても、自分のつきたいポジションにつけず、本当に腐っていました。

そんな中、ある一人の社長と出会ったんです。

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それが今の会社の社長。愛媛の印刷会社の社長です。


社長とはグロービス経営大学院の体験クラスで同じテーブルになり、その後、最初の科目も同じクラスでした。


私は『この人と仲良くなったら経営のこともっと知れそうだな』と思い、頻繁に飲みに行くようになりました。

ただ、この社長ちょっと変わり者で、大学院通って2か月くらいに


こんなのやっても意味ない!グロービスなんか意味ないから!』って
それ以来、来なくなりました。(なぜそう思うのかは後にわかります)

それから数か月が経ち、私はグロービスで財務の勉強をするようになりました。今まで薬の勉強や営業しかしてこなかった私にとって、売掛金とか買掛金とかチンプンカンプンなんです。


それで久しぶりに社長に連絡し

自分は学んだ事を活かす機会が少ないから、社長の会社や業界を分析させてください!

とお願いしました。

そこからです。
色んな科目を学んでは、社長の会社を分析し、それを繰り返しました。


入学して、1年経ったくらいかな?自分の分析と提案が社長にヒットしたんです。すると、社長から

うちで働かないか?

この時、自分のやってきたことが認められ、本当にうれしかった。
そして、私は悩みに悩み、転職することを決めました。

2.3つの手錠

『起業を妨げる要因』でキャリアの手錠、黄金の手錠、家族の手錠があると教わりました。これは転職にも同じことが言えるのかなと思います。

キャリアの手錠:自分の今まで築き上げた肩書や社会的地位
黄金の手錠:高収入
家族の手錠:配偶者や子供

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MRからの転職に踏み込めない理由として、まずは高収入があるのかなと思います。医療という専門性の高さから他業界で活きるスキルは少なく、自分のスキルや経験で同じくらいの給料を払う会社は少ないと一度転職活動で失敗してわかっていました。


ただ、僕は『お金は交渉でいけそうだな?年収+住宅手当分+日当分に、大企業から中小企業にいくリスク幅が大きくなるので、+100万円だな』と考えました。(営業が得意かつ、ファイナンスを勉強していて良かった)
社長も人材に困っていたらしく、一言返事でOKをくれました。

黄金の手錠が外れた後は、家族の手錠を外しにいきました。
もちろん、家族は大反対。僕がいた会社なんかは高い確率で倒産することはないし、超安定企業。嫁を説得するのは難しいので、義理の父(開業医)を説得しました。昔からMRとの付き合いがあり業界に精通しているので、製薬業界に暗雲が立ち込めているのも理解してました。
そして、家族の手錠も外しました。


転職って周りから見たら小さな一歩ですが、新卒から7年勤めた自分にとっては手錠を外していくのに大きな葛藤がありました。

3.たった一つの後悔

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一つだけ後悔していることがあります。
それは、自分を手塩に掛けて育ててくれた先輩への思いです。
尊敬していた先輩には退職することを一番最初に伝えました。
人間的に素晴らしい方なので快く送り出してくれましたが、
もう少し自分のことだけを考えるのでなく、会社全体を俯瞰して見る力があればと一つ後悔しています。

4.転職の決め手

営業しかしてこなかった自分は転職活動を通して、自分の市場価値の低さを認識していました。そんな中、未経験かつこの年齢で会社の経営に携われる、そして今自分が楽しいと思う経営の勉強をすぐに活かせる環境に身を置けることは本当に魅力的に感じました。


ただ、今回の転職で失ったものもあります。一番大きいのは、ブランドです。転職した後に感じたのは、今まで大きな会社の看板を背負っていたからこそ周囲からある程度は信頼されていた部分もあります。正直、今どこに勤めているんですか?と聞かれても自分の小さなプライドなのかちゃんと答えられない自分もたまにいます(笑)


一方で、そのブランドに頼って逃げている自分に嫌悪感を抱き、グロービスで知り合った社長たちのように覚悟を持って仕事をしたいという気持ちも強くなりました。

5.最後に

転職のことを伝えると、みんな

(;´Д`)

となるので、簡単にまとめました。

今まであまり自分から情報を発信することは恥ずかしくてしてきませんでしたが、昨今自分の思いや気持ちを伝えることも大事だなと感じ、noteに書きました。

今回の転職は社長と相談し、ある程度自由を持たせた形での転職なので、まだまだ第三の道にも挑戦し続けようと思います。

転職の時にきっかけとなった言葉が
ベストの選択肢を選ぶのではなく、選んだ選択肢をベストにする
この言葉を忘れず、次も選んだ選択肢をベストにしようと思います。

次は、コロナ渦で何やってるの?何をしたの?を書いていきますね。

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