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海開きなどの取材で、子どもがカメラに水を浴びせかけています。それでも平気なほど、防水なのですか?【教えてTBSニュース】

【教えてTBSニュースに寄せられた質問】
海開きなどの取材で、子どもがカメラに水を浴びせかけています。それでも平気なほど、防水なのですか?

この質問に映像取材部の酒井克直カメラマンが答えてくれました!!

私たち報道カメラマンが日ごろ取材で使っているカメラ(ENGカメラ)は、防水ではありません

そのため、カメラに装着する“雨合羽”のようなものを使っています。
この“雨合羽”はメーカーや放送局によって“レインカバー”や“レインジャケット”と呼ばれていますが、TBS報道局のカメラマンは“ブリンプ”と呼んでいます。

ブリンプはカメラ本体を覆うように取り付け、レンズやビューファインダー、操作に関する部分には穴が開いています。完全防水ではありませんが、マジックテープや防水ファスナーで外部から水の侵入を防ぐ必要不可欠な道具です。

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(実際に使用しているブリンプ)

特に報道の取材というのは、雨の日はもちろん、近年増えてきたゲリラ豪雨や火災現場など様々な現場へ行くことが多いため、晴れの日でもブリンプを持ち歩きます。天候や状況の変化に注意し、必要な時は短時間で装着することが出来るよう、その判断もカメラマンにかかっています。

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(ブリンプを装着)

ブリンプを付けたENGカメラ以外で、水辺での撮影に使われるのがGoProなどの“ウェアラブルカメラ”です。もともと屋外レジャーでの使用を想定して設計されており、防水機能が付いています。そのため、専用の装備で水中撮影をすることもあり、サーフィンの取材では、サーフボードに取り付けて、波に乗るサーファーを間近で撮影したりします。技術の進歩で“ウェアラブルカメラ”は小型化・高画質化が進み、臨場感あふれる映像表現が可能になりました。

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(ウェアラブルカメラたち)

いずれにしても、私たちが使っているカメラは精密機械なので、水には注意が必要です。
水濡れによる不具合で、撮りたい瞬間を逃すことがないよう、日ごろから水濡れ対策などの管理を徹底して行っています。

余談ですが、海開きの現場でカメラマン自身は“濡れても乾く!”という気合いのもと、びしょ濡れになりながら、海を前にして輝く子どもたちの笑顔を撮影しています。


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酒井克直 カメラマン