見出し画像

「在日外国人のビザ手続きをもっとスマートに。若手CEOの挑戦!」岡村アルベルトさん(前編)

柿次郎:
今回のゲスト!株式会社ワンビザのCEO,岡村アルベルトさんです!宜しくお願いします!

岡村:
宜しくお願いします!

Dooo!きょうのゲストは株式会社one visaの代表取締役社長、岡村アルベルトさんです。日本人の父とペルー人の母を持つ岡村さんは小学1年生で来日。大阪で子供時代を過ごしました。

画像2

画像3

画像9

言葉の壁や友達作り、幼いころから様々な困難を乗り越えてきた岡村さんですが、中でも最も苦労したものは・・・

岡村:
画像4

画像5

また、ペルー出身の親友がビザの更新手続きができず強制送還されたことも大きな出来事として心に残ったといいます。

画像6

様々な経験や思いを経て岡村さんは大学卒業後東京品川の入国管理局に勤務年間2万件の在日外国人のビザを処理する中で目の当たりにしたのは申請手続きの煩雑さ。そして職員の激務という現実でした。

岡村:
画像7

画像8

ビザの手続きをもっと効率的に分かりやすくすれば在日外国人や入国管理局の職員の苦労を減らすことができる。岡村さんは2015年に起業、ワンビザを設立しました。今日はそんな岡村さんからワンビザ設立への経緯やサービスなどじっくりお聞きします。

画像10


父が日本人、母がペルー人、6歳で大阪へ

柿次郎:
岡村さんは一体どんな仕事をしているのか、ちょっと自己紹介をお願いしてもいいですか?

岡村:
はい!もともと南米のペルー出身でして・・・

柿次郎:
めちゃめちゃまつげ長いですもんね?

画像11

岡村:
母親譲りで。笑。父親が日本人で母親がペルー人です。父が日本に転職というか、日本に戻ることになったので、6歳の時に、一緒に戻ってきました。

柿次郎:
じゃあ!ペルーで両親が出会って、恋をして、生まれて。

画像13

岡村:
6歳の時に大阪に移住しました。

柿次郎:
ペルーからいきなり小学校1年生で、大阪・・・まぁ、僕も大阪なのでアレですけど、コテコテの・・・大阪の文化に・・・

岡村:
もう、一番、居心地がいい。

柿次郎:
居心地が良いですか?!

岡村:
今、思い返すと、大阪のあの場所はよかったな、と思います。

画像12

柿次郎:
天満って!笑。すごいローカルですけど。大阪って結構外国の方が住んでいる風土もありますからね。結構そこは合ってたんですね。

岡村:
そうですね。海外の方も多かったけど、どちらかというと、日本人の商人といいますか。ご近所付き合いがぎりぎりあるタイミングだったのかな、と思いまして。例えばその、コンビニ行ったときに100円足りなかったんですよ。でも、今だったら100円足りなければ帰されるじゃないですか。でもおばちゃんが「いいよいいよ、後で持ってきて」って。ファミリーマートでそれが出来た。ちゃんと持って行って「ありがとう」って。電話を貸してくれたりとか。すごい人間くさいというか。

画像14

柿次郎:
人と人との距離感が絶妙で・・・

岡村:
柔らかくて・・・

柿次郎:
ああ~。って言っても、岡村さんはまだ27歳?

岡村:
はい。

柿次郎:
20年ちょっと前ですもんね?

岡村:
そうですね、でもめちゃくちゃ変わりましたね。当時、小学校に入って、日本語が全然わからなくって。周りにフィリピンの方とか、中国、韓国の方がいたんですよ。でも、それでも人数的に言うと、私含めても5、6人。大阪でいうと、結構多いかもしれない。全国でいうとなおさら。今の中でいうと、凄く少ないかもしれなくて。今はもっと増えているかも・・・。


ジブリアニメで日本語を習得

柿次郎:
そっか。じゃあそこで小学生の過ごし方とか・・・学校はクラスは何人?

岡村:
40人です。当時からすごく詰め込みですよね。

柿次郎:
40人、結構フルの状態。

岡村:
40人で・・・40人、40人で80人、みたいなところでやっていて・・・。ただ、日本語が分からなかったのもあって、今でも結構そういうところあるみたいで。日本語が分からない子がどういう教育を受けるかというと、特別学級に行くんですよ。

画像14

画像15

専門的な方ではないので。

画像16

柿次郎:
アニメ!?

岡村:
当時はジブリでしたけど。もののけ姫とか。ずっと繰り返して観ていて。「ああ、こういう発言でこういう行動ってことは、こういう意味なのかなぁ」みたいな。それを次の日に学校で話すと・・・。

柿次郎:
「お前すごいね!」みたいな?

岡村:
画像17

変な、偏った日本語しか話せなくなるわけですよ。

柿次郎:
ああ、なるほど!「あの子は人間だ!」みたいな?

岡村:

画像18

柿次郎:
あはは!!(笑)それ、その小学校の環境で「お前は救えるか」はちょっと、問いかけにもなってて面白いですね。

岡村:
はい。いじめられた時に先生に言ったんですよ。

柿次郎:
シチュエーション的にはバッチリですけどね

岡村:
まあそういったところで結構目についたりして、あの、いじめられたりはしましたね。

柿次郎:
ほ~。それは結構長い間?短い期間で自ら克服できたのか?とか。

岡村:
まぁ、でも何なんですかね。結構それって海外の人だからって理由は結構あるんですけど、

画像19

画像20

画像21

画像22

柿次郎:
すごい。その時点で・・・

岡村:
画像23

画像24

柿次郎:
まぁ、それで「こいつはイジメても面白くねえや」みたいな空気感を出せば。

画像25


役所への届けが大変

柿次郎:
ほかに苦労といいますか。友人とか、学校での立ち位置は作りつつ、日本の文化では?

岡村:
そうですね、いじめにもつながる形なんですけど、結構、転校が多かったんですよ。大阪の中で結構小さいところを転校するみたいな。校区がぎりぎり変わるからまた転校する、みたいなところがあって・・・。その度にまた、同じようにスタートしていじめが入って、っていうところもあって。これはどちらかと言うと、僕の問題ですね。もう一つ大きな問題としてあったのが、結構役所への届け出が大変なわけですよ。

画像26

画像27

画像28

柿次郎:
それをご両親がやるわけではなくて、自分もそこに作業として関わらないとといけないんですか?

岡村:
まぁ、どちらかというと、わからないわけですよ、両親も。僕が必要なのか、必要ないのか。「実は、僕(お子さん)が必要なんですよね」って言われたら、いなかった場合ってもう一回休みをとらないといけないってなっちゃうわけですよ。それがすごく面倒くさいじゃないですか。

画像29

子どももセットで一緒に行って、もし「お子さんどこですか?」って聞かれたら「そこにいます」みたいに言えるような形で一緒に行ってましたね。

柿次郎:
そっか。じゃあそれはもう、受け入れ先の小学校の人たちもそういう経験とか知識があるかどうかで全然違うみたいな。

岡村:
基本ないと思いますね。それが外国籍の人たちが、ある意味団地とか、一つの村とか町が出来ていない限りはかなり難しいと思いますね。本当に自分の感覚でわかっていたとしても、それを学校として言うのって、責任とかがあるので・・・なかなかスムーズに「こうしたらいいですよ」とかっていうのが、言えるかとなると、今のご時世では難しいかなと思いますね。

柿次郎:
しかもね、40人、40人で学年で合計80人いて、それが6学年でとかなってくると、一個一個の個人のパーソナルの事情とかシステムの難しさを理解するのは結構・・・

岡村:
本当に難しいと思います。学校の案内とかあるじゃないですか。「今月はこれをやります」とか。わからないわけですよ。お母さんとか、日本語が分からないので。

柿次郎:
そっか!お母さんの問題も同時にあるわけですよね。

岡村:
あります、あります。それをお母さんは徐々に話せるようになって、今ではもう全然問題ないんですけれども。やっぱりこう、一緒に学んでいくっていうのが移住した方々に付きまとう一つの問題にはなるかな、と思いますね。


父が日本人だからスムーズにいったことも

柿次郎:
それは結構、お父さんが日本人だったからスムーズにいったこともあるんですか?

岡村:
もちろんです。ありますあります。お家とかそうですよ。

画像30

柿次郎:
相当ハードモードなんですね。

岡村:
ハードモードになります。それがやっぱり父親が日本人となると、日本人と同じようにしてくれたというのはありますね。


外国人が日本で暮らすうえで複雑なシステムの壁に当たる

柿次郎:
じゃあ今結構、世の中的に叫ばれている移民問題とかというところも、日本の国籍がない状態でもある程度資格を受けて、日本に入ってきて、今お話頂いたようなシステムの難しさに全員がぶつかっているわけですよね。

岡村:
そうですね。それはめちゃくちゃあると思います。

柿次郎:
今って、日本にどれくらいいるんですか?外国人の方は・・・

岡村:
結構増えていますね。これはどんどん増えているものです。今人口に占めるこの前のデータと、総労働人口に占める外国籍の方々って2%なんですよ。

画像31

柿次郎:
まだ2%なんだ。

岡村:
まだ2%なんですけど、これって業界によってバラバラですよね。場所によっては漁業が半分のところもあるかもしれないですし。本当に業種によって全然変わるというのがあります。これは4月から新しく特定技能というのがスタートして、もっとこう拡大するようなものになると思われるので、そうなるとどんどんどん、外国籍の方々を「日本の国で暮らす一人の方」っていう風に定義していかないと難しいのかな、と思います。

画像73


ワンビザ設立のきっかけは友人の強制送還

柿次郎:
ワンビザっていう会社を設立したきっかけって、例えばご自身の体験だったりとか。友人のことがあったりとか・・・

岡村:

画像34

これは決して日本という国だけではないと思うんですけど、アメリカに暮らす海外の方とかもそうですし。僕の場合は日本で暮らしている、っていうところもあって、日本でまずサービスの展開をしているんですけど。

画像33

そういった理由において・・・。

柿次郎:
そのご友人はどこの国の方だったんですか?

岡村:
同じペルーです。僕とうり二つの顔なんですよ(笑)

画像32

柿次郎:
うり二つ!(笑)

岡村:
ドッペルゲンガーを初めて信じたみたいな。

柿次郎:
それは何か日本人から見たらペルーの人が同じように見えるとかじゃなくて本当に似てる?

岡村:
違うんですよ、もう、会社の採用ページにも載せているが、本当に瓜二つで。本当に自分事のように考えちゃったわけですよ。面白いんですけど、強制送還した時に、なぜか親が僕に小田和正のCDをくれて、流すと「さよなら~」とかなるわけですよ。それを聴くと号泣しちゃう。そのくらい、すごくつらかった部分はありますね。

柿次郎:
ちなみに、これはちょっと細かい話になるが、強制送還ってどういう手順で?急に来る?

岡村:
そこは正直言うと僕も経験してないんですよ。というのが、本当に唐突にきたわけですよ。知らせが。(その友人と)月1くらいで遊んでいるときに、当時って携帯がないので、電話をかけるじゃないですか?

画像35

画像36

柿次郎:
え?!

岡村:画像38

画像39

柿次郎:
じゃあ何か、「岡村、俺来週、強制送還で戻らないといけないわ」「え~」みたいなそういう時間がなかったんですね。

岡村:
なくて、突然。まあ恐らく親としては悲しませたくないというか・・・という形なのかもしれないですけど、後々知ったという形ですね。

柿次郎:
その方とはペルーで会ったりとか、やりとりとかは?

岡村:
やりとりは昔はしてましたけど、だんだん向こうも向こうの友達が出来て、連絡先は知っているけど、そこまで頻繁にはとってないですね。

柿次郎:
結構そういう原体験からワンビザのサービスにつながっている?

岡村:
そうですね。

柿次郎:
本当に同じような気持ちを味わう人を減らしていきたい、というのはありますね。


新卒で入国管理局に就職

柿次郎:
そこから、その体験があったから、東京入国管理局に入った?

岡村:
そこも一つの動機としてはあります。自分自身がビザで困ったっていうところがあって。外国籍の方々が日本国内で生活するにおいてすごく難しい問題って沢山あるんですね。

画像39

画像40

画像41

ここって民間がアウトソーシングされて行っている部分もあって、そこに入社して、現場責任者として年間2万件くらいのビザを回してきた

柿次郎:
2万件!

岡村:

画像43

柿次郎:
え!!?日本にですか?

岡村:

画像44

柿次郎:
だけで!すごい・・・

岡村:
それが品川、大阪、いろいろなところにあるわけですよ。さらにいうと、すでに日本にいる方々の更新とか、変更作業でそのくらいの数なんですよ。新規はまた別なんですよ。そこの数は入れていないので、入れると2000件くらいになる可能性があって。それが毎日・・・

画像43

柿次郎:
毎日。じゃあ結構1、2時間待つこともざら?

岡村:
1、2時間じゃないですよ。

画像45

半日はつぶれるので、全休とるか、半休取るか。

柿次郎:
そっか、じゃあそれで一日のある種、労働したお金、サラリーにも関わってくるわけですよね?煩雑さの影響で。

岡村:
画像46

入国管理局の場合は公務員になっちゃうので、採用できるのが日本人になっちゃうじゃないですか。ただ来るのは外国籍の方々。言語どうしよう、という課題があります。入国管理局の中では結構英語の授業とか、中国語の授業とかあるんですよ。あるけど、やっぱりネイティブじゃない。こうシンプルに会話をするのは難しい。そこが民間になったら、海外の方を採用できるわけですよ。そういうところの解決策としてまず一つ民間を採用。で、あと一つはここが大きな理由と思っているんですけれども・・・

画像47

朝の9時に窓口が開くんですけど、大体8時か7時には職員は着いていないといけない。で、品川の埠頭にあるんですよ。品川駅からバスで行ってっていう、すごく遠いんですよ。

柿次郎:
何分くらいですか?バスで。

岡村:
まぁ、20分くらいはかかるので、しかもすし詰めですよ。ギューギュー。

画像48

申請したい方々も窓口が開く前に並びたいわけですよ。

柿次郎:
そっか、そっか。混むわけですもんね。

岡村:
画像49

柿次郎:
あ~~

岡村:
画像50

というのが、在留資格って期日があるわけですよ。当日切れる人だった場合、入管が受理できなかったというのは問題になっちゃうので、番号札をとった人に関しては絶対に受理しましょう、と。

柿次郎:
それはまぁ、みんなの目的というか、ゴールとして。

岡村:
マストな義務としてあります、と。そこがさらにいうと、受理したあとに全部ナンバリングがされているんですよ。申請の案件ごとに。就労の更新、就労の変更、永住申請、留学の更新・・・とバーッていっぱいあって、それが全部1~100番と番号付けされているんですよ。それを全部申請の区分ごと、申請番号順ごとに並び替えないといけない、という作業がまた最後にあって。それを終えて、入国管理局の審査官のところに引き渡して、業務が終わる。

画像51

それくらいになるので、公務員の勤務体系から言うと合わないじゃないですか。

柿次郎:
あ~

岡村:
というところも一つの理由としてはあるのかもしれないですね。

柿次郎:
そっか、じゃあこのワンビザというものがこの入国管理局で働く人たちにも、助かるような仕組みをさらに提供できればね。

岡村:
そうです。

柿次郎:
みんなが助かるわけですね。

岡村:
もともとは、ほんとうに外国籍の方々の申請業務をスムーズにいかせると。ただ、申請がスムーズにいくと、入国管理局としても、受理がしやすくなるわけですよ。

柿次郎:
そっか!書類自体が不備がなくて、シンプルであれば、バンバンさばける!

岡村:
そうです。そうです。

画像52

それが不備がありまくると、一か所ごとに二重線引いてもらってサインしてもらって正しい情報を書く。これが間違った回数ごと。全部残る。これが言語が通じない方だった場合もう、ポストイットに絵を描きながら、ジェスチャーで説明しながら、1時間かかることもあるし、それが家族連れだったら3時間つきっきりになるかもしれない。

柿次郎:
それ、めちゃくちゃ、エネルギー使いますね。


ワンビザとはどんな会社?

岡村:
めちゃくちゃ使います。だからそこをスムーズにするためには申請書類の不備を無く作らないといけない。ただ、お役所の書類ってめちゃくちゃ難しいじゃないですか。変わった言い方もするし。これを変えようとすると、公文書なので結構ハードルが高いわけですよね。ただ、これをITのチカラであれば、WEB上の表示の文言って如何様にもできるじゃないですか。そこを変えて、IT系でシンプルに作れるようにしましょう、というのがワンビザの出来た一番最初の理由と言いますか、種と言いますか。サービス自体は2017年の6月からリリースしているもので・・・

画像53

画像54

画像55

画像73

画像56

画像59

入力すると、申請書類が自動で生成されるような仕組みを提供しています。

柿次郎:
めっちゃ便利ですね。

岡村:

画像60

そのビザバージョンを提供している会社です。

柿次郎:
それは言語はどれくらい対応されているんですか?

岡村:
まだ、言語は英語と日本語になるんですけど、今後、中国語とかベトナム語とか、他の言語に対応していきます。

画像62

柿次郎:
そっか。じゃあある程度は英語で入力してもらう、という形で。

岡村:
画像61

柿次郎:
文字を打ち込まなくていいんですか?

岡村:
画像63

例えば・・・

画像64

画像65

画像66

画像67

画像68

画像69

柿次郎:
なるほど、それはめちゃくちゃ有難いですね。結構ビザっていうものが、ある種日本人が思っているよりも海外の方は日本に来るのも大変だったりするし、日本人のパスポートって結構世界最強みたいな話を聞いたりするんですけど?

岡村:
そうです、そうです。今年ですかね。1位に返り咲いた、というところで。

画像72

柿次郎:
1位!?パスポートランキングみたいなのがあるんですか?

岡村:
そうです、ずっと2位とか3位だったんですけど、1位に返り咲いて。

柿次郎:
へ~。それってどういう基準で選ばれているんですか?

岡村:
画像71

それが免除されている国の数

柿次郎:
ああ、どこの国まで行けるかっていう。

岡村:
そうです。それが日本で、1位タイでもう一つの国があるんですけど。1位になりました。(※日本とシンガポールが1位)


画像72