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コロナで深刻化 若者の「孤独対策」を

政府が開催した緊急フォーラム。テーマは「孤独対策」です。コロナで外出自粛が長期化する今、特に若者たちの孤独が深刻化しています。国を動かした1人の現役大学生の取り組みを取材しました。

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■深刻…若者ら3万6000人が相談

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男性(10代学生):「感じますね」「世間的にも外出にくい状況なので」
女性(10代学生):「友達に会わないで1人でいることが多くなったのでそこでやっぱり孤独を感じます」


長引く外出自粛で他人との接点が減り、孤独を感じている人たちがいます。

2月25日夜、総理官邸で行われた緊急フォーラム。NPO団体やタレントの中川翔子さんらが参加しました。国が本格的に「孤独対策」に乗り出したのです。きっかけを作ったのは、ある現役の大学生です。

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NPO「あなたのいばしょ」大空幸星 代表(22)
「常に相談が増え続けているというのが現状です。今年に入ってからは一日200人を下回る日がないんですね」


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24時間、チャットで相談を受けているNPO団体。
大学3年の大空幸星さんが2020年3月に立ち上げました。

コロナ禍で深刻化する孤独。10代、20代の若者を中心に、これまで3万6000人以上から相談が寄せられているといいます。

NPO「あなたのいばしょ」大空幸星 代表(22)
「深刻な相談は電話ではなかなかしづらいという状況があって。チャット、SNSを使った相談というのが若者の実態にあっているという証拠が、この数字にあらわれているのかなと」


実際に寄せられた相談の中には・・・。

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20代女性:「オンライン授業で1人で部屋にこもる日々が続き、苦しいです」
20代男性:「コロナの影響で仕事を失いました。辛い毎日から抜け出したいです」


命の危機を感じるような、深刻な相談も寄せられます。

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20代女性:「孤独でつらいな、もう死にたいな、」


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これまで減少し続けていた自殺者の数は、2020年、11年ぶりに増加に転じ、2万1077人に。特に増えているのが20代以下の若者です。


■国を動かす現役大学生の取り組み

危機感を強めた大空さんは、2020年12月、政府に要望書を提出。
孤独対策を担う大臣の新設など、対策の推進を求めました。ここから事態が大きく動き出します。

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坂本哲志 一億総活躍担当大臣
「社会的な孤独・孤立を防ぎ、人と人とのつながりを守る活動を推進していきたいと考えております」


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坂本一億総活躍担当大臣が孤独担当大臣を兼務することになり、2月19日には、「孤独・孤立対策担当室」が新たに設置されました。


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NPO「あなたのいばしょ」大空幸星 代表(22)
「(相談)現場も本当に予算的にも人的にもギリギリの中でやっているという状況です」「相談も増え続ける現状ですので、早急に予防的な対策として孤独・孤立対策を推進していくことが必要だということは、しっかり政府に求めていきたいと思います」


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2月25日の夕方、大空さんの姿は総理官邸にありました。
緊急フォーラムで、大空さんは総理に直接、支援を求めました。


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NPO「あなたのいばしょ」大空幸星 代表(22)
「特に若者、子供たちとか若者が深刻な状況になるという危機感や事実はしっかりと伝えられたのかなと」「今の若者の生活習慣、慣習、文化にあった手法をしっかりとアプローチして提案していくということが我々に求められていることだと思うので、そこをしっかりやっていきたいと思います」


▼ニュース23 2021年2月25日放送分