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危険なサイン…「孤発例」とは? 専門家会議メンバーに聞く

東京など大都市を中心に確認されている、感染源のたどれない症例「孤発例」。新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議メンバー・舘田一博 東邦大学教授は、「非常に危険なサイン」として注意が必要だといいます。


22日に都内で行った、舘田氏へのインタビュー内容をQ&Aで紹介します。


Q:いわゆるクラスター(集団感染)ではなくて、なんだか分からなくてポッと出てくる、感染源がたどれない例が大都市で出てきていますが、これについてはどうお考えでしょうか?

A:これは非常に危険なサインです。リンクが追える、繋がりが分かる感染症、症例であれば、「何が感染源だ?」「ライブハウスだ」「屋形船だ」っていう形で追いかけていって、そこに参加した人が健康状態どうなのかという形でそれを防ぐことができます。
しかしそうじゃないところ、いろんなところで、どこから感染したのかわからないような症例が出てきたとすると、それはもしかしたら我々が把握していない大きなクラスターが起きているのではないか。そういうことを放っておくと、それがメガクラスターになって、そしてオーバーシュート(感染爆発)に繋がってしまうんじゃないか、そういった危険に繋がってきます。ですから孤発例、リンクの追えない症例、そういうものに非常に注意しなければいけない。

Q:今、孤発例が多く出ているのはどの地域?

A:やっぱり都会です。東京、愛知、大阪あるいは兵庫といったところになろうかと思います。

Q:大阪と兵庫の行き来を止めるということを先週末(20日~22日)大阪知事が行ったが、そうしたことは効果がある?

A:地域が人の動きを止めることによって、それなりの効果があると思います。大事なのは、そういう、ある意味思い切った決断をすることによって一般市民、我々に対してのメッセージ、皆が注意しなければいけないというメッセージを、兵庫と大阪が連携しながらそれを進めていく、そういうメッセージとして捉えることが重要だと思います。

兵庫でのクラスターが報告されています。大阪のライブハウスは一段落しましたがやっぱり注意しなければいけない。大都市で見えないクラスターがまだ存在する可能性がある。そういう意味では注意しましょう、というメッセージと捉えて。そして不要不急の外出を控えるという、そういうふうに捉えていくのがいいんじゃないかなと思います。

舘田 一博  さん
東邦大学微生物・感染症学講座教授
日本感染症学会理事長