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4年ぶりに民主党が政権を奪還したアメリカ。“多様性”を前面に打ち出すバイデン大統領と女性初・ハリス副大統領のコンビは、共和党・トランプ政権で対立と分断がかつてないほど深まった大国… もっと読む
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〝二者択一と脅迫〟~巻き返し狙うトランプ氏の戦略とは?

■何が争点なのか? 2つのデモから見えるもの 「Four more years! Four more years! =あと4年!あと4年!」 ニューヨーク州でも期日前投票が始まった週末、マンハッタンの目抜き通り、五番街にあるトランプタワー前で支持者が〝カー・パレード〟を行った。「トランプ2020」と記された旗をなびかせた数十台の車列。窓を開けて、大声で叫ぶ人々。歩道にも多くの支持者が集まり、歓声を上げた。ちなみに、ほとんどの人はマスクをしていない。 タワー前の路上には、「

2つの党大会で問われたもの ~ウソと誇張とレッテル貼り~

異例ずくめだった2つの党大会 大統領選の今後を予見するような言葉だった。ミシェル・オバマ氏のスピーチである。 「この4年間、多くの人に聞かれました。『相手のレベルが、とても低俗なとき、まだ”高潔”に向き合うのが本当に有効か?』と。私の答えはこうです、高潔に向き合うことが、有効な唯一の方法です。なぜなら、もし私たちも低俗になり、相手を貶め、非人間的に扱う同じ戦略を取れば、私たちも他の全てのものを消し去る、醜い騒音の一部になってしまうから」 (ミシェル・オバマ氏) 異例ずく

2つの危機が深める〝分断〟 ~どうなる?トランプ再選〜

激しい怒鳴り合いが起きていた。 場所は、ニューヨーク・マンハッタンの五番街。56と57ストリートの間にある、あのトランプタワーの前だ。その路上には、全長75メートルという巨大な文字、「Black Lives Matter」が黄色でペイントされている。トランプ氏は、計画を知った時点で、「トランプタワー/ティファニーのすぐ前にある名高く美しい五番街に…」と不快感を示していた。 ここに2つのグループが集まっていた。 「TRUMP2020」「Keep America Grea

「打倒、トランプ大統領」のカギに?〜民主党副大統領候補選び大詰め〜

 アメリカ大統領選挙まで3か月を切りました。今月下旬には、民主党、共和党がそれぞれ党大会を開催し、民主党はバイデン前副大統領、共和党はトランプ大統領を、正式に「大統領候補」として指名します。 その党大会では「副大統領候補」も指名されるのですが、民主党バイデン氏を支える副大統領候補選びが大詰めを迎えています。各種世論調査ではバイデン氏がトランプ氏をリードする展開が続き、「バイデン大統領」の誕生も十分にあり得る状況だけに、最終的に誰を副大統領候補に選ぶのか、大きく注目されていま

2020年 米大統領が選ばれるまで

その長さ、過酷さからマラソンにも例えられるアメリカ大統領選挙。共和党と民主党の2大政党の候補が4年に一度、将来の方向性を国民に問う一大政治イベントです。50の州で構成される「連邦」としての表情を覗かせる複雑な制度ですが、これが分かると「マラソン観戦」の醍醐味も増えるかもしれません。ということで、世界最高の権力者とも言われる「President of the United States of America」の、選ばれ方です。 まず2つのステップがあります。 ■ステップ1:

“あの夜”まで順調だったブルームバーグ氏

撤退宣言も、大富豪らしい演出だった。マンハッタン市内の高級ホテルのボールルームに、1000人以上の選挙スタッフや支持者が集まった。テレビカメラも数十台。大音量の音楽が流れるなか、マイケル・ブルームバーグ氏が登壇した。 「3か月前、私は、ドナルド・トランプを倒すために選挙戦に参加しました。きょう、同じ理由、つまりトランプを倒すために、選挙戦を終えます。このままでは、その目標を達成することが、より困難になってしまうのが明らかだからです」 "あの夜”までは、全てが順調に見えた。

スーパー・チューズデー前に中道派が大結集 福音派のトランプ離れも・・・(3月3日Nスタ)

全米14の州などで一斉に民主党の予備選挙が行われたスーパー・チューズデー。直前の世論調査の平均で支持率トップを走っていたのは急進左派・サンダース氏です。しかし、展開を大きく変える動きが・・・ スーパー・チューズデー直前に、序盤戦で躍進をみせたブティジェッジ氏をはじめ複数の中道派候補が、レースからの撤退と同時にバイデン氏への支持を表明したのです。これまでに予備選や党員集会が行われた4州での獲得代議員数の合計では、バイデン氏がトップに躍り出ました。 そんなバイデン氏は3月

ウォール街が最も嫌った女性~ウォーレン氏失速

一時は、「ウォーレン大統領」が現実味を持って語られていた。 だが、アイオワ州の党員集会では暫定3位、ニューハンプシャー州では4位に沈み、「代議員(デレゲーツ)」を一人も獲得できないという惨敗だった。ウォーレン上院議員は、全米の世論調査でも、サンダース氏、バイデン氏、ブルームバーグ氏に続く4位と低迷している。彼女の失速から読み取れるのは、民主党が抱える党内対立の深刻さ。それは、“ポピュリズム”の荒波に飲まれる米国の危機にも見える。 あの夜が、「女性初の大統領」に最も近づいた日

第2戦ニューハンプシャー州 「ベテラン」と「新星」対決の鍵は「若者」(2月11日Nスタ)

11日に投票が行われる東部ニューハンプシャー州に現れたのは・・・ トランプ大統領のそっくりさん。 選挙モードに染まるこの地で激戦となってるのは民主党の候補者争いです。主要4候補のトップを走るのは隣の州選出で支持率28%のサンダース氏。 急進的な政策で熱狂的な支持を集めます。 そして「世代交代」を旗印に初戦(アイオワ州)で暫定1位を獲得した38歳の新星ブティジェッジ氏が7ポイント差で追いかけます。 しかし・・・ 深井記者: 「トランプ大統領、支持者の歓声を受けなが

大富豪ブルームバーグ氏の"シナリオ"?

                          セレブが集うパーティーと見紛うような、派手な雰囲気だった。 今年1月、ニューヨーク・マンハッタンの中心部に位置する、高級ホテル「シェラトン」のボールルーム。大統領選の民主党候補の指名争いに名乗りを挙げた、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(77)の集会だ。会場に足を踏み入れると、紫と青のネオンが光っている。無料でワインを配布するカウンターやビュッフェスタイルの食事まで提供されていた。会場に流れる音楽も騒々しい。

トランプ大統領との頂上決戦に臨むのは?~激戦の民主党候補者選び~(2月3日Nスタ)

3日に中西部アイオワ州で始まった 民主党の候補者選びが、熾烈を極めています。 宮本記者: 今、大きな「バーニー」コールが上がっています。サンダース上院議員が姿をあらわしました。会場に入りきれない人が、外で出迎えています。 アイオワ州での支持率首位、急進左派バーニー・サンダース氏(78)は アメフトの祭典「スーパーボウル」を放送するバーを訪問、若者を中心に多くの熱烈な支持者が集まり歓声を上げていました。 そのサンダース氏に支持率同率首位で並ぶのは中道派のバイデン・前副大統

"頑固爺さん"サンダース氏 躍進のワケ

去年の秋頃は、もう終わった候補だと考えていた。 78歳のバーニー・サンダース上院議員。去年10月に心筋梗塞で倒れて入院。回復したとしても、その老体では、広大な国土を駆け回る、激しい選挙戦には耐えられないと有権者も考えるだろうと。 ところが、1月の米CNNの世論調査で、サンダース氏は、先頭を走ってきたバイデン前副大統領を初めて抜き、首位に躍り出たのだ。サンダース氏の支持率は、去年10月より11ポイント増えて27%となった。明らかに勢いを増している。 何がこの躍進を作り出し

米大統領選本格化 トランプ氏「岩盤支持」の現場は(1月31日Nスタ)

11月のアメリカ大統領選挙に向けた候補者選びが2月3日からスタートします。共和党は現職トランプ氏の指名が確実ですが、果たして大統領に再選されるのでしょうか? 自らの弾劾裁判が続くなか、来週、党員集会が開かれる中西部アイオワ州で演説するトランプ氏。 この日未明、この場所では異様な光景が・・・ 土居記者: 時刻は午前1時を過ぎました。気温はマイナス4度です。トランプ氏の集会まで、まだ20時間近くもありますが、支持者たちはテントを立てて、会場の外に並び始めています。 なぜ、