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現場から、 ~TBS NEWS~

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TBSテレビ報道局が運営するnoteです。記者個人noteやNEWS23スタッフnoteなどをまとめています。公式WEBサイトはこちら→http://news.tbs.co.jp
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2020年9月の記事一覧

第4回「コロナで心配ないじめの増加」

<コロナ禍でいじめ増加?>前回はいじめが増加している現状や、子どもたちの学校生活でいかにいじめが身近になっているか=「いじめの一般化」について触れた。 そして今、この増加傾向に拍車をかけるのではと心配されているのが、新型コロナに起因するいじめだ。背景には、コロナ休校やコロナ対応での様々なストレスがある。学校全体をストレスが覆い、子どもたちだけでなく、保護者や教職員のイライラも静かに募っている。 <9割の教職員「いじめ増える」>教職員の悩み共有サイトを運営するNPO法人「教育

2020年9月20日 「風をよむ~危ぶまれる司法の力」

ドキュメンタリー映画【RBG 最強の85歳】より「当時の法律はこんな風です。『夫は社会を動かす存在である。妻はそれに従うべきである』。そこで女性は立ち上がり、不満を訴えました」 今月18日、87歳で亡くなったアメリカ連邦最高裁の女性判事、ルース・ギンズバーグ氏の半生を描いたドキュメンタリー映画。 1970年代から、弁護士として、男女差別の解消と女性の権利拡大に尽力し、存在感を発揮。そして1993年・・・。 クリントン大統領「107人目の合衆国最高裁判事に指名しますー」

再生

防衛省アショア代替案 洋上案を提示 黒板解説【サンデーモーニング】

地上配備型ミサイル迎撃システム 「イージス・アショア」の配備断念をめぐる代替案。 岸防衛相は9月24日、移動式の洋上プラットフォームに 搭載する方向で検討すると説明しました。 その背景とは、青木理さんが黒板で解説します。

〝ネガティブ・キャンペーン〟激化 ~逆転を狙うトランプ大統領

〝静寂の行進〟が問いかけること 日が暮れて、イースト・リバーの対岸で、マンハッタンの高層ビルのネオンが輝きだす頃だった。夕闇のなか、ブルックリン・ブリッジを数百人が歩く。新型コロナウイルスの死者を悼むデモ。人種差別問題などの抗議デモでは、憤りが込められた大きな掛け声があがる行進がいまも繰り返されているが、その日は、静寂の行進だった。 「17万5千人の死者」(※当時の数字。現在20万人を超えた) 「この死は、防ぐことができた」 手には小さなキャンドル。声を全く上げず、ボー

1980年代に言われた“世界最高の生活”とは?

私がジャーナリズムの仕事に就いたのは1986年。前年のニューヨークでG5(先進5か国・蔵相・中央銀行総裁会議)が「プラザ合意」で“円高ドル安容認”を打ち出したことから日本はバブル経済に向かい始めていた。当時、金融業界で言われていた“世界最高の生活”とは?35年経った今、改めて考える。 〇1980年代の“世界最高の生活” アメリカと中国は今や世界の超大国だが、トランプ大統領と習近平国家主席は先日、オンラインで開催された国連総会でも相手国を非難するという対立が続いている。19

“ホワイト・ライブズ・マター” in ザンビア~「アルビノ殺し」現地報告(前)

イギリスがEUを離脱した直後、そしてパンデミックが世界を覆う少し前、ロンドンからアフリカ南部ザンビアに、現地で後を絶たない「アルビノ襲撃」取材に出かけた。「JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス」で放送した取材内容をさらに深く、二回に分けて。 一、ミリアム迷信ぶっといイモムシが、目の前を悠々と横断していく。 1930年代のマーキュリー列車のようなシェイブ。 これは何かの幼虫なのか。 でも幼虫、と呼ぶと違和感を覚えるくらい大きい。 2020年2月初旬。ザンビア東部、ムフウェ

2020年9月20日 「風をよむ~連鎖する世界の課題 SDGs」

ここは東京湾。この海に棲む魚に、今、不思議な現象が起きています。 体長15センチほどの魚、ギンイソイワシ。一見、何の変哲もない魚ですが・・・、   東京海洋大学・山本准教授 「従来メスになるはずだった魚たちがオスに性転換してしまって、約80%がオスになっていました」       遺伝的にメスになるはずの稚魚が性転換しているというのです。 研究によれば、遺伝的にメスになるはずの稚魚がオスになった割合は、最初の年は7.3%でしたが、2年後には52%と急増したといいます

第3回「いじめの増加と一般化」

いじめ予防を語る前に・・・いじめ予防のアイデアを皆さんと一緒に見いだし、考え出していく前に、いくつかおさえておきたいことがある。「いじめの現状」と「いじめ防止対策の現状と課題」だ。できるだけその共通認識を持っておきたい。 というのも、いじめに関しては世代を超えて多くの人が直接的に間接的に何かしらの経験を持っている。だから、いじめ防止対策について話し合おうとすると、ついその強烈な個人的経験をもとに誰もが語りがちになる。議論がバラバラになり、収拾がつかなくなる。 (2018年

2020年9月13日「風をよむ~抗議するアスリートたち」

2年ぶり、2度目の全米オープンテニス制覇を成し遂げた大坂なおみ選手。彼女が準々決勝でつけたマスクに記されていたのは… 5月、白人警察官に暴行を受け死亡した黒人男性・ジョージ・フロイドさんの名前でした。 大坂なおみ「名前入りマスクは7種類ありますが、7枚では足りないのが悲しいです。決勝まで進んで全員の名前を見せたいです」 大坂選手は、人種差別に抗議するため、黒人犠牲者の名前入りマスクを7枚用意し、決勝にまで勝ち進んだのです。 このフロイドさんの事件を巡っては、アメリ

再生

ドコモ口座不正利用 黒板解説【サンデーモーニング】

全国の地方銀行の口座で預金が不正に引き出される被害が続発。 その犯行に利用されたのが 携帯大手ドコモが提供する電子決済サービス「ドコモ口座」です。 今回の被害の仕組みについて、竹下隆一郎さんが黒板で解説します。

第2回「いじめ研究の泰斗・森田洋司」

ショックだった訃報電話で夫人から聞いて「えっ」と思わず大きな声が出た。「そうでしたか・・・。それは残念です。お悔やみ申し上げます」。それ以上、何も言えずに電話を切った。しばらく茫然としていた。 いじめ研究の泰斗・森田洋司が亡くなったことを私が知ったのは、今年(2020年)の2月だった。 森田洋司(1941-2019) 写真提供:鳴門教育大学 いじめ研究の泰斗・森田洋司森田洋司は、1941年(S16)愛知県名古屋市に生まれ、1970年 大阪市立大学大学院博士課程を終えると、

揺れる「異文化共存」の象徴 モスク化された世界遺産アヤソフィア

4メートル以上はあるだろうか。歴史を感じる巨大なドアを通り、1500年前に敷かれたとされるゴツゴツとした石畳を進む。訪れた人たちはみな、建物の中心部を目指す。 トルコ・イスタンブール旧市街にそびえる、歴史的な建築物アヤソフィア。 ステンドグラスから、午後の日差しが差し込む。外のうだるような暑さから比べると、中はひんやりとしていた。分厚い岩でできた壁のおかげかもしれない。直径33メートルの巨大な中央ドームの下に入り、担いでいた三脚を置いた。視界に入ってきたのは床一面に敷き詰

雨宮塔子のパリ通信#10 コロナ禍にパリの展覧会で観るバンクシー作品

世界各地の街中で、ゲリラ的にグラフィティを残す、イギリス拠点の匿名アーティスト、バンクシー。 日本でも東京港区の防潮扉に描かれたネズミの絵がほぼバンクシーの作品ではないかということで、今年の1月、都が作品保護や混乱防止を目的にパネル部分を取り外し、その上で都庁で展示したことが記憶に新しい。 すでに横浜で開催されている「バンクシー展 天才か反逆者か」に加え、8月から東京・天王洲の寺田倉庫で開催が予定されていた「バンクシーって誰?展」がコロナ禍で来年の夏に延期されることになっ

2つの党大会で問われたもの ~ウソと誇張とレッテル貼り~

異例ずくめだった2つの党大会 大統領選の今後を予見するような言葉だった。ミシェル・オバマ氏のスピーチである。 「この4年間、多くの人に聞かれました。『相手のレベルが、とても低俗なとき、まだ”高潔”に向き合うのが本当に有効か?』と。私の答えはこうです、高潔に向き合うことが、有効な唯一の方法です。なぜなら、もし私たちも低俗になり、相手を貶め、非人間的に扱う同じ戦略を取れば、私たちも他の全てのものを消し去る、醜い騒音の一部になってしまうから」 (ミシェル・オバマ氏) 異例ずく