マガジンのカバー画像

現場から、 ~TBS NEWS~

767
TBSテレビ報道局が運営するnoteです。記者個人noteやNEWS23スタッフnoteなどをまとめています。公式WEBサイトはこちら→http://news.tbs.co.jp
運営しているクリエイター

2017年6月の記事一覧

「コンクール大国」から「バレエ大国」へ脱皮するには

日本は「バレエ大国」なのか?  先週、モスクワ国際バレエコンクールで日本人ダンサーが受賞した。ローザンヌなど有名な国際コンクールで日本人が上位入賞することは珍しくなく、国際的な活躍は目覚ましいものがある。吉田都、熊川哲也ら有名なダンサーもローザンヌ国際バレエコンクールで開花したダンサーだ。 まさに日本は「バレエ大国」として海外でも評価は高い。 何故だろうか。  まずバレエ人口の厚みが違う。バレエ教室は全国で1万から1万5千にも上り、町のあちらこちらにある。バレエ人口は40

国立天文台が進める銀河の“国勢調査”

●「すばる望遠鏡」の超広視野カメラ=Hyper Suprime-Cam ●国立天文台が進める銀河の“国勢調査”と暗黒物質の解明 ●進化する日本の天文観測技術、その可能性は・・・ ■「すばる望遠鏡」の超広視野カメラ=Hyper Suprime-Cam この映像は日本の国立天文台がハワイ島のマウナケア山の標高4200メートルの山頂に持つ「すばる望遠鏡」が捉えたものだ。(提供:国立天文台/HSC Project)「すばる望遠鏡」は世界最高精度の口径8.2メートルの反射鏡を備

「イスラム教徒を皆殺しに」                 モスク狙ったテロが突きつける課題

●「3日前に警告」されていたテロ ●テロ後に急増するヘイトクライムの卑劣 ●“憎しみの連鎖”をどう断ち切るか ■3日前の警告  「イスラム教徒を皆殺しにしてやる」。男は、そう繰り返し叫んでいたという。ロンドン北部、フィンズベリー・パークで、日付が変わった深夜0時半ごろ、1台の車が、モスクから出てきた人々を跳ね飛ばした。1人が死亡、10人が負傷した。逮捕されたダレン・オズボーン容疑者(47)。ロンドンから250キロも離れたカーディフに住む白人の男だった。イスラム教徒を狙ったテ

全身全霊

»皇室取材余話【6】「全身全霊」 2017年6月19日  6月9日に天皇陛下の退位を認める「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立しました。  去年10月から始まった有識者会議の議論を経て、法律の成立まで、およそ6か月の短期間でした。これから政府は、実際にいつ退位を行い、改元をするのかについて、政令で定めなくてはなりません。また宮内庁は、代替わりに伴う、儀式や上皇后を支える体制や警備、お住まいなどの具体的な検討に入ります。  法案が成立した午前10時過ぎ、天皇陛下

「タテガタ」動画向上委員会#2

「人生を輝かせるために必要なことは『スキ』を貫くことなんだなぁ・・・」 6月の「タテガタ」で再生回数トップとなったのは「ノックの達人」だった。 「メジャーリーグが認めた! 御年70ノックの達人」 30.7万回再生 また、「ひなだん」というパズルゲームを開発した日本人女性の動画も沢山の方が視聴。年齢性別関係なく、何かに情熱を注ぐ人の姿は心に響く。  「アップルも注目 スゴ腕82歳の日本人女性」 5.1万回再生 一方、鎌倉駅のこんな対応に、1200人以上の方が「いいね!

宮中晩さん会

皇室取材余話【5】宮中晩さん会 2017年5月9日 天皇・皇后両陛下主催の宮中晩さん会が、先月国賓として来日したスペイン国王をお迎えして、皇居・宮殿の豊明殿で、格調高く開かれました。  外国から日本政府が費用を負担して要人をお迎えする場合にはいくつかの枠組みがあります。各国の国王や元首が対象となる場合は「国賓」。皇太子や首相が対象となる「公賓」。よりビジネスライクな「公式実務訪問賓客」などがあります。現在、日本では1年間に国賓は2件、公賓が2件、公式実務訪問賓客が7件

”天皇の料理番”秘伝のレシピ

皇室取材余話【4】“天皇の料理番”秘伝のレシピ 2017年5月2日  先月20日に、赤坂御苑で天皇・皇后両陛下主催の園遊会が開かれました。 各界で活躍した人や政府関係者など2000人余りが招待されました。  今回は、皇后さまをはじめ皇族の女性は着物姿。昨年のリオオリンピックで活躍したメダリストのみなさんも出席し、大変華やかな園遊会となりました。 メダリストの人が何人か「園遊会で焼き鳥やジンギスカンが食べられるとは思わなかった」と感想を述べていました。園遊会では会場

象徴の務め

皇室取材余話【3】「象徴の務め」 2017年4月24日 日本国憲法、第一章、第一条。「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基く。」  憲法の第一章第一条で規定される天皇の存在。「日本国の象徴」であると規定された天皇陛下は戦後民主主義と現行憲法の申し子です。この世には唯一無二の仕事があります。経験者がこの世にはおらず、代わりをする人もいない。「象徴の務め」はまさにその一つだと思います。 去年8月8日に陛下のビデオ

東京のど真ん中の馬車行列~信任状捧呈式

皇室取材余話【2】東京のど真ん中の馬車行列~信任状捧呈式 2017年4月17日  皇居前を通る美しい馬車行列。午前中に皇居周辺を歩いていると、馬車行列に出くわすことがあります。 これは、新たに日本に赴任する外国の特命全権大使が、皇居に向かうための馬車行列です。皇居では、新任大使が本国の元首からの信任状を天皇陛下に捧呈するための儀式~「信任状捧呈式」が行われます。  4月14日にはエクアドルとモルディブの大使一行がそれぞれ時間を分けて馬車行列で、皇居に入りました。この映像

両陛下、スペイン国王夫妻と静岡へ

2017年4月11日 皇室取材余話【1】両陛下、スペイン国王夫妻と静岡市へ  スペイン国王フェリペ6世とレティシア王妃が4月4日から7日までの日程で国賓として来日していました。 7日には、天皇・皇后両陛下が、静岡市に国王夫妻をご案内されました。海外の王室が国賓として来日した場合、両陛下は滞在中に地方をご案内することが多いのです。去年、ベルギー国王夫妻が来日した際には、ベルギーのメッヘレン市と姉妹都市である結城市を案内されました。そして、今回は静岡市でした。  なぜ静岡

【報道特集】ISAK 社会を変革する教育

長野県軽井沢町。 浅間山のふもとにその高校はある。 インターナショナルスクール・オブ・アジア・軽井沢、 通称「ISAK(アイザック)」だ。 「ISAKが設立されて初めての卒業式がこれから行われます。  21の国と地域から集まった子どもたちが、  いよいよ世界へと羽ばたいていきます」 6月11日に開かれた卒業式は、 厳粛な日本のそれとは大きく違っていた。 「いま第一期の卒業生たちが体育館へと入ってきました。  すごい笑顔ですね。」 「在校生からの大きな歓声、本当に賑やかな

米のパリ協定離脱で変わる「世界の軸」

●トランプ大統領決断の衝撃 ●麻生氏「その程度の国」、実は京都議定書も ●EUと中国がリーダーに?日本は「ナゾ」 ■アメリカ離脱の衝撃  アメリカのプルイット環境保護局(EPA)長官は、前から決まっていた予定があるとして、会議の初日、早々に帰国した。G7=先進7か国環境相会合でのことだ。説得は失敗に終わった。  トランプ大統領の「離脱」表明は、選挙期間中の公約だったとは言え、世界に衝撃を与えた。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」には、196か国と地域が参加する。そう

元捜査員の死をきっかけに「記者と情報源 」について考えてみた

私は「情報源」という言葉はあまり好きではない。だが、記者活動に情報源は欠かせないものだ。ここでいう情報源とは、公開情報ではなく、秘密の情報をひそかに教えてくれる者を指す。したがって情報源を持たない記者は、スクープや特ダネと呼ばれるものを書くことは出来ない。 情報源との付き合いは難しい。特に特捜検察や公安を担当した記者なら情報源との関係に細心の注意を払っているはずだ。記者との付き合いが上司にバレれば、その情報源は左遷される。秘密指定された重要情報を漏らしたとなれば、最悪、逮捕さ

「タテガタ」動画向上委員会#1

「いい取材をして、いいニュース企画をテレビに出していれば、  視聴者は、必ず見てくれるんだぁぁぁ!」 今はもう報道局にはいない、ある偉い方のお言葉・・・。 確かに、一理あるとは思うが、そもそも私自身、日常生活の中でゆっくり テレビのニュースを見る機会は、ほとんどない・・・ ニュースチェックは、主にスキマ時間のスマートフォン。担当になるまでは よほどのことがない限り、ニュースを動画で見ることはなかった。 「30代以下のテレビニュースをあまり見ない世代にニュースを