新卒3年未満で証券会社を退職しました

こんにちは。だっしーです。

前回の記事で書いたように、今回は退職エントリとなっています。

退職エントリの目的は大きく2つ。1つは、証券会社での勤務を通じて学んだ事の振り返りと整理。つまり自分自身のためです。そして2つ目は、経験の共有です。このエントリを通して、証券会社を視野に就職活動している学生さん達の参考になればと思っています。

ちなみにタイトルには「3年未満」と書いてありますが、正確には「2年8ヵ月」で退職しました。2017年4月入社、2019年11月末退職という形ですね。

簡単に自己紹介

はじめに簡単な自己紹介から。

1994年生まれの25歳。趣味はロードバイク。地黒です。そんな私は群馬県で生まれ、高校までは県内で過ごしていました。高校卒業後は上京し、都内の私立文系大学に進学。偏差値は低い大学でした。俗に言うFランなのです。そこでは可もなく不可もなくといった成績で留年することもなく卒業。webマーケティングやSNS、ネット広告、マスメディアに関する領域を勉強していました。卒業論文は学部の最優秀賞を頂いたので、Fランなりに真面目に取り組んでいたと思います(笑)しかし、そんな私の就職先は勉強した分野とは関係のない証券会社でした。

なぜ証券会社へ?

理由は簡単です。給料が良い!証券マンの響きかっこいい!世間体からのイメージ良し!合コンや婚活でモテそう!経済やマーケットの知識が付く!大きいお金を動かすから凄い仕事をしてる雰囲気が出そう!飛び込みで営業の勉強ができそう!転職する際のつぶしが利きそう!と、ざっと思いつくだけでも、こういった理由が挙がります。

他にも、人事の方が仏のように優しくて、かつスマートで、いかにも「仕事できるでしょアンタ!」というような人ばかりでした。すごく雰囲気が良かったんですね~。なので、そこに憧れを抱いていた部分もありました。「俺もこうなりたいなぁ」と(笑)

そんな私ですが、もちろん入社前は、「日経平均?何それ」「円が安くなってるのにナゼ円高なんだ!?(例えば110円⇒109円は円高とか)」レベルでした。経済やマーケットに関する用語、知識は皆無でしたね。ただ、この辺りの基本的な知識は入社後の集合研修で勉強しますので大丈夫です。だから誰でも証券マンになれますので、ご安心を!(笑)

入社理由を整理すると、「物凄い知識と営業力が身につく上に稼げる証券マンはカッコいい!さらに想像していたより会社の雰囲気も良さそうで最高の環境じゃん!」という理由で、私は証券業界へ足を踏み入れることを決めたのです。

証券会社の仕事内容、その実態とは!?(新人時代)

ここからは私が日々取り組んでいた具体的な仕事内容、その最前線をお届けします。まず、私が配属されたのは東北地方の田舎支店。観光名所としても有名な歴史ある地域でした。配属されてから1週間は、住まい探しや社内システムの勉強、自己紹介リーフレットの作成に充てられ、2週目からいよいよ仕事開始となりました。配属された新人の仕事、それは飛び込み訪問による新規開拓営業です!!

「はい、コレ(名刺)とコレ(印刷された地図)とコレ(国債の資料)を渡すから営業行ってらっしゃい」

9時になり、株式市場が開いた瞬間、上司から言われたひと言です。上司は地図を指さしながら「ここがだっしーのエリアだから、とりあえず1軒ずつ軒並み訪問してお客さん取ってきて」と。右も左も分からない私は、とりあえずママチャリのカゴに国債の資料でパンパンになったカバンをぶち込んで勢いよく支店を飛び出しました。


ピンポーン、、、、

「こんにちは!はじめまして!〇〇証券のだっしーと申します!」

「新入社員で〇〇支店に配属となり、こちらの地域を担当させていただくことになりました!よろしくお願いします!(名刺とリーフレットを渡す)」

「何か資産運用のご経験はございますか!?」

「資産運用はご興味ございませんか!?」

こんな形で1軒ずつ初見の家を訪問していきます。多い時は1日100軒近く訪問していました。実際に面と向かって挨拶できるのは半分くらいだったと思います。1日に100回も他人の家のインターフォンを押すんですよ?(笑)なかなか非日常的な体験だと思いませんか?(笑)

最初はおもしろい!最初は!!

非日常的な体験ゆえに最初はおもしろいんです、最初は。ただし楽しいのも最初の数週間だけ。ふと手持ちの地図を見ると、担当エリアは一通り回り終えているのです。そりゃあ当たり前ですよね。毎日何十軒も回っているのだから。そして気が付きます。「あれ?そういえばお客さん取れてないな。でもみんな興味ないって断られたし、どうしたら良いんだ??」と。

ちなみに1度の訪問でお客さんになってくれる人はまず居ないと思ってください。私の経験上、仮に居たとしても、後々トラブルになりやすい方や、クレーマー気質などの変わった方が多いです。特に女性の営業員の場合は「商品買ってあげるから、その代わりに、、、」と身を危険に晒してしまうケースもあります!少ないですが、やはりそういったタイプの人は一定数存在します。

話は元に戻りますが、担当エリアを一通り回り終えたあと、ここからが飛び込み訪問の本番です。再訪をしましょう!もちろん断られた方にもです!「え?断られたところにまた行ってどうするの?」そう思う方もいらっしゃると思います。むしろそれが普通です。そう思ったアナタは健全です。しかし証券マンたるもの、そのような呑気な事は言ってられません。


ピンポーン、、、、

「こんにちは!〇〇証券のだっしーです!先日はお忙しいところご挨拶させていただき、ありがとうございました!」

「前回お渡しした資料は見ていただけましたか?」

「また新しい自己紹介リーフレット(自分のプロフィールを書いたもの)を作ったので、お時間のある時にぜひ目を通してみてください!」

「今日はどこかお出かけされたんですか?」

「この辺りで美味しいご飯屋さん知ってますか?土地勘が全く無いもので(笑)」

「(写真を見て)お孫さん可愛いですね!一緒に暮らされているんですか?」

と、こんな感じでジャブを打ちつつ、世間話。新規開拓営業はこれの繰り返しです。何度も何度もこうしたやり取りを繰り返すことで、まずは相手と仲良くなり、そこから家族構成や資産状況の把握、他社取引の有無といった情報を聞き出し、徐々に口座開設や商品の提案へと移行していきます。2~3回の訪問で上手く行くこともあれば、10回訪問してようやく口座開設に至ることもあります。常日頃から再訪を繰り返し、お客様になっていただけそうな見込み客を一定数ストックしておくことがポイントになります。この見込み客が少ない、もしくは全く居ないことが上司に伝わると、「お前、この1カ月間何してたんだ?」「これだけ回って見込みができないわけないだろ」と優しい詰めを受けるかもしれません(笑)自分は日常茶飯事でした。

そんなこんなで、自分が初めてお客さんを取れたのは、飛び込み開始から2カ月半が経過した7月後半でした。30度を超える猛暑により、ワイシャツは汗でベタベタ。パンツも汗で太ももに張り付くような状態。そんな私を見かねた心優しいおばあさんが口座開設をしてくれたのです。完全に情でした。そのお客さんは株式と投資信託を50万円ずつ買ってくれて、おまけに妹まで紹介してくれました。正直、「もうダメかもしれない」「辞めたい」そんな事を考えながら飛び込んでいた矢先の出来事だっただけに、今でも心の底から感謝しています。その後も「孫に似ているから!」という理由で他社で保有していた株式、数千万円を移管していただいたり、電話帳を使って1日200軒くらい電話を架けて見込みを増やしたりして、何とか生き延びました。その結果、1ヵ月に1人のペースでお客さんを獲得し、1年経った時点での新規開拓の成績は、同期の中でギリギリ半分より上くらいでした(笑)大したことはありませんが、月1人お客さんを取れば文句は言われませんでした!可もなく不可もなくといった感じですね(笑)


すこし長くなってしまいましたが、私の証券マンの1年目の仕事はこんな感じでした。2年目以降の仕事内容も追って投稿する予定ですので、引き続きよろしくお願いします。

どうですか?参考になりましたか?(笑)

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