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#86 肩こりをアーユルヴェーダ的に考える。

おはようございます。インド嫁です。アーユルヴェーダを勉強したりブログを書いたり、イベントを運営したりしています。

嬉しいニュースを見かけました。デリー市内の感染者が減ったというニュースです。

https://thewire.in/health/covid-19-delhi-peak-testing

日々の感染者は青のグラフです。ずっと見たかったこのデータ。少しほっとしたような、とても嬉しい気持ちになりました。日常はあまり変わらないですが、いろいろ嬉しいニュースがこれからあるといいなと思います。

さて、本日の質問です。

と頂きました。今日のテーマは、「肩こりをアーユルヴェーダ的に考える」です。

5000年前にもあった「肩こり」「腰痛」

結論、肩こりや腰痛の対処法は、ちゃんと書かれています。もちろん今よりは患者さんは少なかったと思われますが、なかったわけではありません。

問題は、肩こりや腰痛を「どう分析していくか」です。アーユルヴェーダ的観点で肩こりを説明していきますね。

病名は西洋医学がつけた「病気の名前」

まずは、こうした具体的な肩こり、腰痛などのお話をする前に、西洋医学(日本の常識)とアーユルヴェーダの「病気」に対する定義が違うお話しをさせて下さい。

最近はWHOの健康の定義に沿って、アーユルヴェーダを含めた伝統医学の考え方が根付いてきているようにも思えます。

インドにも、「アーユルヴェーダは健康法で、疾患はなおせない」とお医者さんがいます。ここで伝えたいのは、「何を選ぶかはあなたの自由、あなたの自己責任」です。

自己責任力を高めよう

コロナウイルスで、世界中が大変化しました。きっと、歴史の教科書にものるのだと思う瞬間に私達は生きています。

インターネットという発明ができてからまだ30年ほどです。情報は距離を問わず手に入れる事ができるようになりました。個人でも世界中に発信する事ができる時代です。人差し指でポンと押すと、あなたの知ってる人へ情報が届く時代なのです。

その分、受け手側の判断力が問われる時代になりました。何が言いたいのかというと、アーユルヴェーダは特効薬のノウハウでも、マッサージでもなんでもありません。人に関わる一つの学問です。

英語と国語のようなものです。同じ「言葉」ですが、場所も違うし名前も、使い方も違う。だから医学にも、そんな違う種類の医学がある、ここを抑えてほしいです。

ただし、世の中には正しい情報、正しくない情報というのが存在します。でも、それは仕方ありません。そこを否定しても、始まりません。共存しましょう。私達は、「選ぶ能力」を身につける時代に生きています。

右手に西洋医学、左手にアーユルヴェーダ

アーユルヴェーダ上、最もよく出てくる話は「バランスをとる」事です。いい、悪いは、見方を変えれば変わる時があります。向かい合って、人がたってお互いが右をさすと、方向は逆ですよね。これと一緒です。

だから、否定も肯定もありません。

右手に西洋医学、左手にアーユルヴェーダの考え方をもつと生きやすくなると思うのです。

医学専門書である医学大辞典2)をみると「(省略)肩こりは、高血圧、更年期障害、頚椎疾患、胸郭出口症候群、動揺肩、なで肩などが原因として考えられている」とある2)。

又、肩こりを訴える疾患は臨床的に、原疾患が明らかでないもの、整形外科疾患に伴うもの、そしてその他の専門科の疾患に伴うものの三つに大別される。とあります。

アーユルヴェーダドクターは「患者」を診る

一方、アーユルヴェーダクリニックで肩こりが酷いと来院したとします。まずは、自分の基本データを記入し、見診、触診をします。ここで年齢とか、住んでいる地域などをインプットします。

患者さんに「どういう悩みですか」と尋ねます。しかし、その時ドクターは疾患をみるより、「患者さんそのもの」を見ます。

患:肩こりが酷くて、、、
ド:どれどれ、どのあたりですか、見せてください。(と患部をみる)

その後、問診がまだ続きます。いつから始まっているか、便の状態は、生理は定期的か、睡眠はどうか、熱はないか、他に気になる所はあるか、過去にどんな病気をしたか、とかです。

ドクターは、私に「問診をした時の声のトーンや話し方もすごく重要な情報です。なので、できれば直接話すようにしてください。」とよく言ってました。(こうした診察の通訳サポートもしています)

そして脈診を行います。

体が異常になっていると、脈も通常の打ち方ではありません。中には過去の病気も言い当てる人もいますが、占いではなく、れっきとした熟練した技術です。

原因を全てドーシャで説明する。

肩こりで一番最初に疑うのは、ヴァータ異常です。痛みは感覚です。患部に炎症や熱がない場合、ヴァータ異常による痛みと考える事が多いです。冷え、緊張、一方的な姿勢によるクセなど、どこが偏っているか、そして、患者さんはヴァータが上がるような体質か、又は上がっているか。

又、体の器官でいうならば、普通は筋肉になります、筋肉の異常がもし消化によるのものだとしたら、他にも影響は必ずでているでしょう。

というように、経験やデータ(患者さんによっては検査レポートももってきてもらいます)を見ながら判断します。主にドーシャのバランスを疑いますが、体の器官が正常に動いてない場合、他の理由も考慮しながら慎重に原因を特定していきます。

熱があったり、強烈な痛みでどうしようもない状態の時は、まず「落ち着かせる」事が先決です。そのため、実際の治療の前に、薬を3日ほどだし、様子を見る場合もあるのです。

それだけ、肩こり一つとっても、アーユルヴェーダにすると、いろんな原因を予測して、治療にあたります。

食生活、日常生活からのアドバイスも

体の痛みの「原因」は主にアーマと呼ばれる「未消化物」が蓄積され悪化したものと言われています。そのため、外傷でない肩こりは、消化不良を疑うのです。

なぜなら、アーマは本来代謝されるはずのものです。体の中から排出されず、つまりを起こし、ほっておくと体の組織にダメージを与えます。

ここが、西洋医学と違うかもしれませんね。

体のバランスが整うと、痛みは取れます。

私も自分の体でそういう経験を何度もしてきました。オイルトリートメントは湿布のようにかぶれなくて済んだし、何より気持ちがいいのです。インドならではの特権です。

バランスが整うと、体が気持ちいいと感じるようになります。でも、少しすると、体はもとに戻ってしまう、だから運動も1日休むとしんどくなったりしませんか?あれです。

まとめると、肩こり、腰痛はあります。治療法は、患部のみではなく、体全体のバランスをとるような治療です。そして、診断時は、疾患の原因をさぐります。

西洋医学、アーユルヴェーダ、どちらにも言えるのは、肩こり、腰痛は、痛みがある前に、必ずなんらかの体のサインが出ています。または、原因になる生活をしている事が多いです。

そのため、普段の自分チェック(自分のトリセツ)を常に行ってください。気分はどうか、快便か、睡眠はどうか。など。これが一番の健康法です。

日本にも数はすくないですが、アーユルヴェーダ式に治療してくれる病院があります。「ハタイクリニック」さんです。東京にあります。

私はもう12年前ですが、当時アビャンガを施術していただき、本当に感動したのを覚えています。こういう日本の医療にアーユルヴェーダが共存した病院が増えるといいなと思います。

このブログでは、頂いた質問をアーユルヴェーダ的、インド的にお答えします。あなたのドーシャについて知りたい方は、生年月日、生まれた場所(地域)、体の悩みなどを教えてくださいね。

それでは、素敵な一日がすごせますように。










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