見出し画像

愛おしきオノマトペ

オノマトペがぞっこん愛おしい。

ほっこりほのぼの、ドキドキきゅんきゅんといった有り様である。

言語学者ソシュールは「シニフィアン(意味するもの、つまり記号)」と「シニフィエ(意味されるもの、つまり対象)」の間には必然性がない、と喝破した(「言語の恣意性」という)けど、

オノマトペはどうも様子が違う気がする。

りんごが「りんご」という名前なのは確かに必然性がないけど、頭が「ガンガン」痛かったり、舌を「ペロペロ」出したりするのには、必然性とまではいかなくても、何か「恣意的」と言い切れない、言語と意味の一体感をじんわり感じる。記号と対象がぎゅっと手を繋いでる感じ。

と分析対象としてオノマトペをじーっと眺めるのも楽しいけれど、オノマトペの真骨頂はその音にあるとずっと思っていた。

だって、オノマトペを音声化する(口に出す)と、まずはダイレクトに意味が飛んできたかと思いきや、気がつくと水蒸気みたいに意味がふわっと分散していくような感覚があるんだよ。

そのまんま意味を伴って飛び出したくせに、気がついたら意味を脱ぎ捨ててるような、飄々としたオノマトペ。

いつか歌にしたいと思っていたら、すらすらと歌になった。

「ポンコツ」

作詞/作曲:竹遊亭田楽

ポンポン はずむ
コツコツ たたく
ポンコツ わたし
ポンコツ いつも
ポンコツ わたし
ポンコツ

ボンボン はぜる
ジンジン いたむ
ボンジン わたし
ボンジン どうせ
ボンジン わたし
ボンジン

ビンビン ひびく
カンカン ならす
ビンカン わたし
ビンカン いつも
ビンカン わたし
ビンカン

カタカタ ゆれる
ブツブツ はなす
カタブツ わたし
カタブツ どうせ
カタブツ わたし
カタブツ

-----------

溢れる私のオノマトペ愛が、少しでも伝わったら嬉しい。

ハラハラ、バラバラ、パラパラと。

今日も一日が終わって行きます。

いつもご覧いただきありがとうございます。私の好きなバスキング(路上演奏)のように、投げ銭感覚でサポートしていただけたらとても励みになります。