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輪島塗は高くない。

中国出張も終わり、日本に帰ってきました!
日本の匂いは良いなーと安心します。

今月のヨーロッパから始まった海外出張で一つ感じたことがあります。

ヤフオクなどに昔ながらの素晴らしい輪島塗がタダ同然の価格で出品されていて、そういった商品が海外に流れているという現状を目の当たりにしました。
輪島塗や日本の伝統工芸品が、海外に沢山行くのは素晴らしいことだと思います。
しかし、あまりにも出品価格が安すぎるし、落札金額も安価だと感じました。
これは、僕たち塗師屋(ぬしや)である輪島塗の営業マンが、お客様にしっかりと輪島塗の魅力を伝えきれていないから起こることだと痛感しました。

輪島塗は、使えば持ち心地の良さ、口当たりの良さ、耐久性、色々なことにおいて優れています。
そして、実用的なだけではなく、見た目の美しさは天下一品です。

しかし、対面でお客様に販売をすると、「輪島塗は高いからねー。」「普段使いにはならないね。」「誰がこんな値段を買えるの?」とよく言われます。
輪島塗の製造工程は、その品質を支えるために、全124工程あり、全てが手作業で分業制で行われます。
木地を作るところから始めると、出来上がるまでに2年かかります。
その現場を間近で見ている自分にとっては、決して高い商品ではないと思います。

価格に隠れてしまう素晴らしさを、僕たちが伝えきれていないせいで、非現実的な器になってしまったんだと思います。
輪島塗が何百年も続いてきたのは美術品だったからではなく、実用品だったからだと思います。
生まれた時から輪島塗を使い続けている自分こそ、海外ももちろん大事ですが、日本国内にしっかりとその良さを伝えていくのが、使命なのだなぁと感じています。

「日本人の知らない輪島塗の世界」を、熱くマニアックに語れる塗師屋になろうと思い、これからも全力で宣伝していきます!

話が少し真面目になりましたが、昨日の夜に撮った上海の夜景が綺麗でした!
自然のダイナミックさ、都市部のダイナミックさ、人のダイナミックさ、中国はすごく魅力的な国です。


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