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#タクシードライバーは見た「港区養女」

「48歳くらいの彼氏がさぁ、家賃払ってくれてるんだよね~」
深夜一時過ぎ、六本木で乗って来た女性二人の会話から聞こえてきた。女性は20代中盤ほど。港区周辺によくいがちな金持ちの男に養ってもらう若い可愛らしい女の子と言う感じ。
その言葉に年齢の情報がいるのかは疑問に思うが、お客さんだった人から彼氏になったという文脈から出てきている。

この港区周辺に生息する金持ちの男に養ってもらうタイプの女性はお仕事をしている場合もあるが、何をしているのか分からない場合もある。
今回は後者だった。
二人の会話の中に出てきたのは「今日のお店の体験は日払い. . . 」といったことだった。
建築現場の日雇い派遣があるように、夜のお店にも日雇いのお仕事があるのか。実情は知らないがどこかに属して働いている様子ではない。

夜のお店で働く女性は強い方が多い。
タクシーに乗れば態度が強気の人は多いし、仕事帰りに所属するお店の不満や人間関係を直接ぶつける電話をしている人もいる。
「もう今日で辞めます、これ以上は無理です」と言っている女性もいた。
あれも一つの戦場なのだと思う。
そんな女性のお客様も見ているが、今乗っているのはホンワカしている。
戦場にいる女性が正しいとするならば、この女性たちは生温いのかもしれないが生存戦略としては優れていると見ることも出来るように思う。
10年後にツケが返ってくるという批判的表現も出来るが、今や大企業が大幅人員削減をしている世の中である以上、どこにいても10年後は分からない。

そんな女性をお乗せしながら会話の中で
「48歳くらいの彼氏がさぁ、家賃払ってくれてるんだよね~」という声が聞こえてきた。
「○○タワーっていうマンションの最上階の一個下なんだけど」
口から飛び出したのは億越えの部屋がいくつもあると言われている都心部のマンションの名前。
「彼氏は他の場所に分譲マンション買って住んでるだよね」
彼氏なのか。
「家賃は分かんないけど70万とかじゃないかなぁ」
なんだそれ。どういう生き方、生活をしているんだ。

会話に出てくるのは気になる言葉ばかり。
だがそんなところで目的地に到着した。
これからご飯を食べに行くようだった。

改めて、色んな人間がいるもんだな~と思う平日の深夜1時過ぎだった。

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