02_統計資料

仙台で聞いた、怖いというより、胸に刺さるタクシー運転手が心霊体験をした話。

「タクシー運転手が幽霊を乗せたことがある」
このような都市伝説を聞いたことがある方は多いかもしれない。

私は一度もない。

周りのベテラン運転手に聞いて回っても未だに出会わない。
運転手とか関係なく霊感が強い方はあるかもしれないけど、
基本的に無いと思ったほうがいいんだろう。

そんな、
都市伝説としての小ネタ程度のことだと思ってもいたけど、
そうでもないことを聞いたことがある。

それは、僕がタクシー運転手を始める前に、
一度仙台に行った時の話。。。

飲み会でこんな話を聞いた、

「仙台の海沿いの地域ではね~、お客さんを乗せて高台のお家に連れていくと到着した頃にはいなくなっていることが多いらしいよ~」

普通に聞くと、怖い話のようにも聞こえるが
その文脈は東日本大震災についてだった。

「色んな運転手さんがその経験をしていて
手を上げて乗ってくる時はいたって普通の人間なんだって」

よく、霊が見える人にとっては
普通の人間の姿で目に映ると聞いたことがある。

「震災の津波で亡くなった人が、自分が死んだことに気づかずに家に帰ろうとしてるから、運転手さんも気づいたとしても連れて行くんだって」

今ではどうか分からない、
多くの人に聞いたわけでもないから真相は分からないが

仙台のタクシー運転手の間ではよくある話だったらしい。

「震災のときにあんなに大きな津波が来るなんて思ってなかったし、
ましてや自分が死ぬなんて想像してなくて
逃げずに津波に飲み込まれた人達も多いみたいだよ」

特に重苦しい空気になったわけではなかったが、
その話がずっと僕の頭には残っている。

“タクシー運転手が幽霊を乗せた”
という都市伝説的なエピソードというより

いつ死ぬか分からないという、人生への恐怖や
いかに人間がちっぽけで何も持たない存在であるかってことの方が大きい。

人は簡単に死ぬ。

でも、

死への恐怖は一度死ぬか死ぬ寸前までの思いをしないと
誰も気付けないのかもしれない。

自分が、もしくは誰かが死んでからでは遅い。

もしやりたいことがあるなら、
何かを伝えたいことがあるなら、
今やるべきことは決まっている。

例え生きていても、
過ぎていった時間は死んだ後と同じように
現実に存在しないし、変えられない。
今をいかに楽しみ、大切に出来るか。

仙台のこのエピソードを思い出す度にそう思う。。。



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