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製作中の漫画『Taxibattle(仮)』より一部を掲載します。

いかがお過ごしでしょうか。
こういう時の最初の一言が思い浮かびません。
きっとこれを今読んでくれている方も含めて多くの方が連日のニュースにや様々な報道に不安になり、国の動きにモヤモヤし、苛立ちを覚える方もいると思います。
そんな中で、少しポジティブなことを言っている人を見て「そういう考え方良い!」等とポジティブ空気を拡げようと呑気なことを言っているのを見ると、今の状況に腹が立たないのか?と少々癪に障る感覚になったりします。
でも、もしかしたらその方も心では鬱憤が溜まっていて、あえてそのような発言をしているのかもしれないし分からないですが、
少なからず
“批判的な人”と“皆不安なんだから呑気にでいる人”に分断が起きているように思います。
そういう瞬間を見てしまうと、今見るべきは本来そこじゃないはずだとまた余計な気持ちが生まれます。

僕も出来るだけポジティブな気持ちを持って、そんな投稿をしたい気持ちもありますが、
今日は製作中の漫画から一部分を抜き出して投稿します。

もともとこのようなシーンがあり、会話がありました。
それがなんとなく、今の状況を言うに近い内容なので投稿します。
(仮原稿のためボツの可能性アリ)

文章で表現しています。
(本当はもっとアングル、表情を細かく決めています)

主人公の十思(じっし)は東京でタクシー運転手をしています。
その十思のタクシーに財務大臣・若宮雄三が乗って来た時の会話です。
実際に著名な政治家がタクシーに乗ることはあります。

――――

十思は、タクシーに乗る事が好きでよく乗っているという噂を聞いたことがある若宮がついに自分のタクシーに乗ったことに驚きつつ、
タクシーでのお喋りが好きな若宮との会話を楽しんだ。
その後、純粋な疑問をぶつける。

野太い声で話す若宮はそこから次第にテンポがゆっくりになっていく。

十「今の政治のやり方が正しいとは思えないんですが、そのやり方でいつか綻びが出るとは思わないんですか?」

若「綻びが出る. . . というのは?」

十「全体の奉仕者という言葉に合わない政治に、いつか国民が気付く時がきて、自分たちの力を失う」

若「はっはっは。
あぁ、それはつまり支持を得られないということかな?」

十「そうです」

若「君がどのような政治思想を持っているかは知らないが、それは間違いではないと思う。君は国民にとっては良い政治とは言えない訳だろ?」

十「はい」

若「うーん、でも何故だろうねぇ
それでも我々がこうやって選ばれてるんだよ。
それがどういうことかは君も理解しているだろう?」

十「野党が対抗馬になれてないとか、国民が選挙に行かないとか、
ですか?」

若「ん~。君にとっては国民にとって良い政治ではないとしても、多くの国民は我々を支持しているというのが今の結果で、全てはその数で決まるんだよ。
それをもう少し深くして考えてみたらどうだろう。
日本人として、だけではなく、イチ人間として。」

十「人間として. . . 。」

若「人間の大半は自分に分かりやすく何かが起こらない限り、損得が目の前に見えない限り、自分の状況に気付くことは無いし声を上げる事も動き出すことも無い。
痛みを感じるというのはその点で凄く優れているよねぇ。
痛いことを好んで受け入れる人なんていないんだから。」

十「でもそれは、あえて気付かない、丁度良い程度に抑えているからではないんですか?それもあなた方が、、」

若「(遮るように語頭を強めて)君のように多少なりとも政治を気にしている者にとっては皮肉な話だがこうやって成り立つのが国であり、日本なんだよ。数が示しているとは思わないか?」

十「でも、もし痛みを感じる時が来た時、人々が政治の本質的な部分に気付いてしまうような国がコントロールできない何かが起こった時には. .」

若「ん~。君はどう思う?
何かが起こった時にこれまで何も言わなかった国民が一斉に国を、政治を批判的に見るときが来たとして。君ならどう思う?」

十「. . . . . 遅い。
自分たちが選んだ、、、いや、選んではないけど、
選挙に行かないというのはつまりこの現実を選んだことになる。」

若「そういうことになるよねぇ。
君も気付いているんじゃないか?

十「何をですか?」

若「人間なんてな、愚かなんだよ。気付かないんだよ。
死ななきゃ今あるモノがいかに得難いモノか気付かない。
殆どの人間が気付かずに死んでいくんだ。
. . . . だから死んで降りてくる奴がいるんだよ、はっはっは。」

十「・・気付かなければ気付いたものだけが支配できますもんね」

若宮がキッと目の周りの筋肉が強張る

若「キミには. . . . なんだろうか、さっきからハンドルを握られている気分だよ」

十「・・安全運転のためハンドルはしっかり握らせてもらっています」

若「はっはっは、うまいなぁ」

―――何を言っているんだろうか、あえてそこに持って行ったくせに。
会話と車のハンドルの二つの意味があって、握っていないと答えたら「事故を起こすじゃないか」という冗談に繋げていただろ。
こっちの会話の意図を読み取って、あえてそこに流している気がする。


――――


と言った感じです。

今日は以上です。



――――――

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