2019年12月の記事一覧
#タクシードライバーは見た「空虚な工事」
それに気づいたのはお客様の一言だった。
「工事ばっかりしてんな!」
深夜12時前の銀座でお乗せしたお客様をお送りしていると、銀座を出る前に工事をしている場所に捕まり、また少し進んでも工事をしている。
「金余ってんだよ、オリンピックは結局札幌いくし!」
札幌に行くことと、工事が増えることの関係はよくわからなかったが、
確かに工事が多いことは都内を毎日のように走りながら感じていた。
お客様をお送りし
#タクシードライバーは見た「あなたは何者?」
ーー何モンだアイツ!
この仕事をしているとそう心の中でさ囁くことが少なくない。
後ろから聞こえてくる電話の内容が怪しい時やを服装が奇抜な場合はそれにあたる。
しかしそれ以外にもオモシロ半分で心のそこからそう言いたくなる時がある。
深夜2時を回った頃、中野駅の北口で停まっていると一人の男性が僕のタクシーへと近付いてきた。
慎重は170センチに届かないほどで、ジーパンにスウェット記事のパーカー、その
#タクシードライバーは見た「譲り合いの支障」
気遣いは時に支障を生む。
銀座の交詢社通りを走っているときだった。
土曜日の夕方ということもあり、外国人観光客のみならず、カップルやご家族、食事会を終えた団体など様々な人たちが歩いている。
通りを走っていると80代ほどのおばさま4人が見えてきた。綺麗な服装をして皆お揃いの紙袋を片手に立っている。
なにかの集まりの後なのかもしれない。
近づいていくと1人が手を上げ、4人が乗ることになった。
駐車
#タクシードライバーは見た「一期一牛」
二度と繰り返されることはない、一生に一度の出会い。
タクシー運転手という職業は全てがこれにあたる。
苛立たしいお客様にも出会えば、心和むお客様にも出会える。
この仕事を楽しむうえで最大の意義がそこにある。
だが、何もお客様との出会いだけが楽しみではない、街中を見渡せば様々なヒト、モノ、コトに出会うことが出来る。
土曜日の深夜一時ごろ、恵比寿近くを走っていると何やら都心には不相応なトラックが目の前
#タクシードライバーは見た「なんの時間?」
慌てふためいて、何が間違いなのか気付かなかった。
土曜日のお昼ごろ、原宿駅へ向かう女性をお乗せした。
距離はワンコイン程度。
嬉しくはないが、だからと言ってテキトーに仕事するわけでもない。
土曜日らしいお仕事。
少しだけ希望があったとすれば、キャリーケースを持っていたところだろうか。
少し期待したが、一番近い駅だった。
そこまで時間はかからないはずだが、その日はなぜか警察の人員輸送者が辺りに何
「銀座」には、男を刺激する魔力があるのかもしれないと感じた出会い。#タクシードライバーは見た
この先は予想出来ないけど、なんだかんだ面白そうな気はしています。
平日に投稿している「#タクシードライバーは見た」ですが、いつの間にか100エピソードを越えていました。
毎回変わった体験をする訳ではありませんが、タクシ―運転手として仕事をする中で見る人間模様は面白いです。
タクシーをエンタメにしています、
ヨナシロです。
タクシーエピソードを集める傍ら、「#タクシードライバーは見た」という僕が運
#タクシードライバーは見た「得て増えて」
得て増えて。
知識や情報を得ることで、増えることで何かが出来るようになったりする。
タクシー運転手においては道路の知識は必要不可欠。
選択肢を幾つも持ち、最善の方法を選べることでお客様に安心して移動してもらうことが大事だと思っている。
ただ、それがかえって害になることもある。
昨日は銀座9丁目の真横にある新橋駅で「銀座行ってください」と言われた。
銀座に行けば良いじゃん。そう思うところだろうが、
#タクシードライバーは見た「紳士の殺気」
「なんかやろうもんなら、殺して六甲山に埋めたるからな」
息子にそう説いているという60代ぐらいのスタイリッシュで紳士なおじさんが乗って来た。舘ひろしさんを少し強面にしたという感じ。
上司であるそのおじさんと50代中盤の部下。
スーツを少し緩めた二人は新橋で飲み終えた後、二軒目に向かう途中だった。
その道中、スマホで“農水省の元事務次官の息子殺害”に対する判決のニュースを見たあとの言葉が、それである
粋かどうかは紙一重?#タクシードライバーは見た
タクシー運転手をするようになって見えてきたのは、
「世の中には色んな人がいるんだなぁ。」ということです。
いや!そんなの分かってるよ!と思うかもしれませんが、
“色んな人”という括りにしないといけない程一言では表せられないです。
毎回変わった体験をする訳ではありませんが、仕事をする中で見る人間模様は本当に面白いです。
「タクシーを移動手段からエンタメにする」
日本タクシーエンターテインメント協会
#タクシードライバーは見た「映画を撮っているんだ!」
もはや、映画のワンシーンを撮っていたんだと言いたい。
青山でお乗せしたスーツ姿のふたりの男は60を超えた風貌で、二人とも低く響く、太い声で会話をする。
不動産関連で大きなお金の動く話をする二人は、大手企業の名前がチラホラと出てくる。
一般的に生きていたら話題すら耳に入らず、そんなことが存在することも気付かないであろう。
まさに映画の中にいるようだった。
「あの✖✖というビルあるだろ、〇〇と、△△
#タクシードライバーは見た「もう、一息」
もう一息だったのに。
タクシーは手を上げれば乗せなければならないという仕組み上、どうしても納得できない瞬間が出てくる。
回送であれば最悪言い訳がつくが、空車で目も合っているのに乗せないとなるのは乗車拒否になってしまう。
やむなく乗せるのだが、それがタイミングによっては怒りのような悲しみのような表現しようのない感情が押し寄せる。
夜の銀座は大人の街だ。
飲み屋街が軒を連ね、22時から日を跨ぐくらい
#タクシードライバーは見た「もう、一息 中編」
一息というのは非常に便利なものだ。
心の乱れを治めてくれるし、緊張をほぐすことが出来る。
銀座で乗り場までもう一息だったところで乗せた女性には怒りと悲しみと驚きと愉快な気持ちと代わる代わる楽しませてもらった。
女性が乗って来たのは、銀座の1号乗り場という比較的良質な乗り場につく5台前だ。
時間にするとあと2,3分もあれば乗り場に到着する。
銀座地区の乗車禁止時間帯が過ぎ、お客様である女性はどこで
#タクシードライバーは見た「もう、一息 後編」
最後まで一息だった。
銀座の優良乗り場に並んだ僕はお客様が行列し長距離のお客様を乗せるかもしれない乗り場までもう一息のところだった。
そこから離脱させられたことで生まれた雑念を払うためにも一息、深めに呼吸をした。
乗り場に並ぶところから離脱させられ、向かうのは晴海。
銀座からは2,000円ほどの場所。
その金額は悪くも良くもない。強いていうならば長距離の可能性があった乗り場に比べると悪い方にあた