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公約には規制の遵守コストも明示しろ

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのコラムから。

こちらは「The real cost of red tape」というタイトルのコラムです。

「Red Tape」とは「規制による不要な行政手続きコスト」を表す俗語です。

ですのでこのコラムのタイトルと意訳すると

「規制の隠れた代償」

といった感じでしょう。

イギリスでは5月30日の議会解散に伴い、7月4日に総選挙が行われます。

選挙に際し、与党の保守党と野党第一党の労働党が発表した選挙公約についての解説は別記事でも取り上げましたが

今回のコラムも各党の選挙公約に対する批評となります。

その内容を二行で説明しますと

各党が掲げた選挙公約によって合計361件もの新たな規制が提案されているが、その際に発生する規制コストについての説明は無い。
規制の目的だけ見てコストを無視するのは狂った行為だ。

というものです。

長いコラムですので今回は要点だけご紹介しますので、気になる方は翻訳ソフトを駆使して原文を読んでみてください。


規制の隠れた代償

全ての主要政党がマニフェストを発表した。

そしてその各自の公約には「完全にコストは計算されている」、つまり公約は既存の歳入だけで賄うことができるという美しい言葉が添えられている。

しかしそれらの中には「完全なコスト計算済み」という言葉の定義を変え、曖昧に誤魔化しているものもある。

◇◆規制公約には「見せかけの財源案」すらない◆◇

例えばある政党の改革案では「無駄な支出の削減により500億ポンドを捻出する」とされているが、「公共サービスの廃止はしない」ということ以外に具体的に何を削減するのかは明示されていない。

とはいえ税制や歳出においては、財源をどのように賄うかを説明しようとする姿勢は存在し、有権者に考える機会を与えている。

しかし規制に関しては、コストに対する「見せかけの表現」すらも存在していない。

◇◆公約には361本もの規制強化案がある◆◇

今回の選挙において、6つの主要政党が掲げた公約の中には

新たな規制の導入案が合計で361件、規制緩和案は67件

が確認できる。

もちろん361の規制案の中には経済に負担をかけないものもあるが、そのほとんどは大きなコストを強いるものだ。

例えば公共施設へのテロ防止計画の策定を義務付ける「マーティン法」は、27億ポンドの費用がかかると内務省が算定している。

または賃貸住宅にエネルギー効率基準を義務付ける労働党の公約は、122億ポンドのコストが必要だ。

◇◆各政党は「規制」を「無料」だと誤魔化している◆◇

世論調査がとんでもない間違いを犯さない限り、次の政権には労働党が就くだろう。

その労働党の公約は、タバコの禁止やサッカー規制機関の設置など、保守党の公約と重なる部分が多いが、人種平等法の導入や石油・ガスの新規探査禁止など、新しい規制案も持っている。

対する保守党は、20項目の規制緩和を提案しているが、28項目の規制拡大も提案している。

また保守党は、住宅危機の緩和に役立つ労働党の数少ない規制緩和提案のいくつかに噛みつき攻撃している。

当たり前だが規制の全てが悪いわけではなく、逆に規制緩和の全てが良いアイデアだというものでもない。

また規制案の大半は「善意の産物」である。

しかし財政措置と同様に、規制は「善意」という目的だけで許せるほど美しい話ではない。

規制のコストを評価しようとせずに、規制の目的やメリットだけを見るのは非常に愚かなことだ。

経済の停滞により政府は厳しい支出削減に向き合う必要があるだろう。

それなのに各政党は「規制」を「無料」だと誤魔化している。

あらためて私たちは

There Ain’t No Such Thing As A Free Lunch(タダより高い物は無い)

という教訓をもう一度学ばなければならないだろう。


以上です。

日本の皆さん。

これが選挙に対して当たり前に行われている批評です。

我々もこれまで「〇〇無償化は税負担化なのだから税負担額を示せ」と言い続けてきましたが、

海外では全ての規制公約に対して

「その遵守コストを示せ」

と各政党に迫っています。

一方、日本では選挙のたびに様々な公約が発表されますが、それらに関するコストの話は一切出てきません。

それはきっと日本には「時間税」という概念が存在していないからでしょう。

規制議論において「遵守コストを出せ」というのは、その規制に対する反対意見ではありません。

正しく議論を進めるために判断材料を出せ

というものです。

規制導入に賛成する人は効果がコストを上回ると思っているのでしょうから、賛成者ほど反対する人を説得するために「コスト」を出すべきです。

逆にそれを言わないのは「疚しいことがあるから」と言われても仕方がないことでしょう。

こうした話は、党内の権力争いとそれを倫理観ゼロのポスターにして選挙掲示板に貼ることとの問題の区別が付かない為政者をはじめ、生姜がどうとかどこそこのコーヒーは不味いやら美味いやらと騒ぐことが選挙だと思っている一部の人には難しい内容かもしれませんが、新たに導入される規制のコストは結局は我々が負担することになるのですから、このような批評が出てくるような社会にするためにも税金だけに限らず規制の公約に対して厳しい姿勢を持っておきたいものだと思います。

ということで、「公約には規制の遵守コストも明示しろ」というお話でした。

では今日はここまで。

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