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都市計画にも思想がある|S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ(レム・コールハース)

この本

プリツカー賞を受賞した建築家・レム・コールハースの著書。

都市計画にも思想がある

都市計画・建築というものに全くと言っていいほど関心がなかったのだが、建築家というものはほとんど思想家なのではという気づきを得たのです。

思想というと社会科学とつながりが強いイメージで、その時代の思想に合わせて制度が変えられていくものだという認識はあった。しかしこの本を読んで思った。社会のソフトウェアとしての制度に思想が反映されているのであれば、そのハードウェアとしての建築にも反映されてないはずがなかった、と。

建築を完遂するには年月を要する。規模に寄っては数十年という単位が必要である。なので、ハードウェアの更新には、ソフトウェアの更新よりも慎重でありさらに先を見据えたものでなければならないのだと。

興味を惹いたのがその思想に関する苦悩。建築家というものは、思想やイデオロギーに基づき都市を計画してきたという。都市の在り方が社会の在り方を規定し、それを形作る大きな一因であるということであろう。

しかし、ニューヨークを見るとどうであろう。もう一建築家の意図の手を離れたものである、と。

巨大になりすぎて、各々が勝手に立てた建造物が乱立し、結果として都市が形成されているに過ぎない。もう総体として思想が反映されたものではない。それをフランケンシュタインのようなものと形容していたりもする。

そうした時代の移り変わりにより建築家の機能というものに対する考察すらあったりする。

建築家にも興味が湧いた

一口に建築家と言っても、ここまで都市に着目した建築家は一部であろう。1つの建築物に着目する建築家ももちろんいるであろう。

しかし、社会のハードウェアとしての建築を考えている人もいる、その気付きだけでも僕個人にはかなり大きかったように思う。

しかも、IT化・デジタル化もきちんと反映しようとしている。3DプリンティングやIoTといった技術の発展に伴い、そうしたデジタルを取り入れた計画もあるとか。

これまで人間を中心に都市を設計していたが、機械化が進む世界では機械を中心に設計すると都市も考えられているよう。Amazonの在庫管理や配送というものはすべて機械に任せるエリアを作るのであれば、道などの導線も含めて人間ではなく機械が通りやすいように設計する。人間と機械の共存、棲み分けというものを都市レベルで設計しているのだ。思想的であり、目の前の物理的存在を単に組み上げるだけの行いではまったくないようだ。

ぜひ、建築に全く興味のない人にこそ読んでみてほしい。


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🔽25歳🔽福岡(2017年)←東京🔽Web開発←コンサル←早大政経🔽最近はブロックチェーンと政治・経済のことばかり考えている🔽会社を辞めた狭間期間なので結構適当です
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