71.Amazonのすごい人事戦略
毎年20%の成長率を誇るAmazon。
その中心には人事戦略があった。
その全貌を、Amazon Japan立ち上げメンバー(著者:佐藤氏)の、
内部から見た視点で、読み解いていく。
【要点】
ポイントは以下に集約される。
全14か条からなるリーダーシップ理論
【通称:OLP】基づいて、皆が自走するリーダーとしての視野・行動が根付いている。(ここが圧倒的に強い)
採用は人事でない。部門長が責任を持つ。
採用は全て配属先の部門長に権限があり、採用計画→予算→求人票作成→面接→入社後のフォローと全てを握っている。自身の人員(部下)になる人だからこそ、真剣であり、ミスマッチを減らすよう最大限に自然に取り組む。結果として、入社前のスキル・人物ミス・入社後の放置されました、のような事案を防ぎ、確実に育つ体制が整っている。
面接は複数人、複数回の実施
1次面接で、その部門長と本社担当(面接専属担当者なるものが要る)行う。2次は部門を超えて、約5-6名が、順に個別面談を実施する形式だ。
2次面接官は、部門長直々にお願いをすることなり、参加者は人事上評価される制度もあるので、積極的に参加する。
他部門だからこそ気づくエラー・ミスマッチがあり、皆が認めないと入社が出来ない仕組みとなっている。1名採用に、複数名かけるところも本気度が分かる。
面接時の質疑はSTAR
S=situation(どんな状況で)
T=task(どんな責務を負って)
A=action(どのような行動をとって)
R=result(どのような結果を導いたか)
要は、しつこいくらい掘り下げて聞く
「売上1000億円達成しました」ということに対して、あなたは何をしたのか?あなたはどのような役割だったか。どういう手腕を発揮したか?など最低5回以上はヒアリングするそうだ。
そうなると「いや、実は関わっただけで・・」という本来姿が見えてきて、候補者は本当に適正か、を判断できる材料になるそうだ。
しかもこれが5-6名から聞かれるのだから、候補者は溜まったもんじゃないだろうね苦笑
採用は常時募集、常時オープン
採用はAmazonといえ、常時行っており、合言葉は「自分より優秀な人を採用しよう」ということだ。その為、求人はいつでもアクセス可能なサイトで常にオープンになっているし、入社早々の社員1人1人にも「いい人いたら教えてよ」とリファラル採用を促すくらいだ。そのくらい採用には四六時中、目を輝かせていて、優秀な人材採用に余念がないのである。
入社後の育成プラン
入社後は、メンター制度とバディを決める。
*メンター:別の部署の、レベルが1つ上くらいの人。全然関係ない部署の方が利害関係もないので、人間関係の悩みも相談しやすい。
*バディ:同じ部署の同じレベルの人。OJTで仕事を教わる人。バディ役も自分の業務を振れるメリットがある。
部下は医師、上司は看護師
医師が手術しやすいよう、看護師が「メス!」の如くサポートする図式のよう、部下が働きやすいように、上司がサポートするのは当然。この考え方が徹底されている。
非公開の数字は無い
入社者が驚くのは、その数字/求人情報は個人情報を除き、全てアクセスできるオープン情報になっていることだそうだ。一般的な会社では部門毎・上層部のみと限定公開されるものまで、とことん開示されているのだ。
その為、何か事業を考えるとき、何かデータが欲しい時は、誰でも、いつでもアクセスできる状態なので、データ分析・過去振り返りが超簡単となる。
データは事実なので、正確な検証を可能として、再現性・説得性のあるプランが出来上がるんだろう。こうした仕組みも凄い、と言える。
【まとめ】
もし私がAmazonの面接を受けるなら・・
①話すことすべてに、なぜなぜを5回繰り返し。本質を理解しておく
②数字(感情ではなく客観的事実)で語れるようにする
③行動・具体策の再現性を高めておく(経験を語れるようにしておく)
要は、一つの事案に対しても深く追及(深堀)する。
Amazonでは「deep digging」という言葉が度々交わされるようだ。
そして何事にも「根拠」をもって語ることを習慣づけよう。
仕事では、何となくこうだろう、過去こうだったからと思い込みで発言することが多いが、データや過去数値を基に、話すスタイルを確立しておきたい。
そして上司は「メンバーが最大の仕事」と訳されるよう、
どんな急用を止めてまでも、メンバーを最優先で考える。
その先に、顧客最優先があるからだ。
とことん「顧客ファースト」の姿勢は、やっぱりAmazonの強みである。
*上司にとっては、部下も大事な顧客なんだろう。
【著者:who are you】
佐藤 将之(さとう まさゆき)
アマゾン ジャパン立ち上げメンバー
元Fulfillment Center Sr. Operation Manager/GM/Directors
エバーグローイングパートナーズ株式会社 代表取締役
事業成長支援アドバイザー
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