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10兆2400億分の1の奇跡を起こした話

突然ですがジャンボ宝くじで1等が当たる確率はご存じでしょうか?

当たるか当たらないか2分の1!

ではなく、なんと3000万分の1だそうです。10枚買ったとして300万分の1。数字を知ってしまうと夢も希望も無い感じがしてしまいますね。

ところが、宝くじでは無いですが10兆2400億分の1という奇跡を起こしちゃったというのが今回のお話です。実にジャンボ宝くじが34万回当たる確立!正直宝くじ1回当たったほうが嬉し・・・ぐふんげふん

前置きが長くなりましたが、1x.comという写真審査サイトで10連続で審査を通過したことが10兆2400億分の1の確率になります。

「なーんだ」と思ったかもしれませんが、それなりに凄い事(のはず)なので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

■1xとは

1x(ワンエックス)はスウェーデンの写真審査サイトで、世界で最も厳格と言われています。

写真を投稿すると審査(キュレーション)が行われて、合格した写真のみがサイトに掲載(Publish)される仕組みになっています。

審査は「一般メンバー」「エキスパートメンバー」「ヘッドキュレーター」の3段階で行われ、多くの人を通るので公平性があることが特徴です。

2021年10月現在、この審査を受けるには有料会員になる必要があるので、写真に本気で取り組んでいる人からの投稿しかありません。また、審査には1枚ずつしか出せないので、手あたり次第出すというわけにもいきません。
そのため投稿される写真のレベルが非常に高く、難易度が高いと言われるのも納得がいきます。

審査を通過し「Publish」として公開される確率は5%とのこと。5%というと高い数値に思いますが、プロも多く参加している中での5%なので狭き門といえるでしょう。Publishされることは、世界レベルの写真として認められた証になります。更にその中から特に優れた写真は「Award」としてトップページで紹介されます。

■奇跡の連続

そんな1xでPublishされることは1枚でも名誉なことなのですが、なんと10枚連続でPublish(うち1枚はAward)されてしまったのです。1枚の通過率を0.05(5%)とすると、10枚までの確立はこんな感じです。

1 1/20
2 1/400
3 1/8000
4 1/160000 16万分の1
5 1/3200000 320万分の1
6 1/64000000 6400万分の1
7 1/1280000000 12億8000万分の1
8 1/25600000000 256億分の1
9 1/512000000000 5120憶分の1
10  1/10240000000000 10兆2400億分の1

5枚目までは浮かれていたのですが、その後は正直怖かったです。人生のすべての運を使い果たしたんじゃないかと。

審査には2~3日かかるのですが、発表されるまで緊張が続きます。11枚目でRejectとなり、ようやく解放された気分になりました。

■1xでPublishされるポイント

写真をやっている人なら興味があるはずです。どんな写真が1xでPublishされるのか。

1xはInstagramやTwitterのように馴れ合いはありません。審査は名前がわからない状態で行われるので、有名人だからと言って評価が高くなるわけでもありません。あくまでも写真力での勝負となります。SNSで評価されない!と嘆いている人に1xはおすすめです。

審査は1枚ずつ行われます。複数の写真を同時に表示して見比べるわけではないので、SNSのように必要以上に彩度を上げて他より目立つようにする必要もありません。(もちろんインパクトは必要ですが)

よってSNSでは不利と言われるダークな写真でも全く問題ありません。むしろダークな写真の方が多いです。それらを踏まえたうえで、私が1xに出す際に意識していることを紹介します。

・ミスは無いか
前提として失敗が無いことが求められます。水平ズレ、ピンズレが無いことは最低条件です。主題以外で視線をひっぱられるような余計な要素が写っていないことも意識しましょう。

・作風に沿っているか
1xで好まれる作風はいわゆる「日本人に好まれる写真」とは異なります。
撮って出しの写真は少なく、SNSで人気の作風もありません。作りこまれた作品が多く、もはや写真なのか絵なのかわからない作品も多数あります。そういった場所なのだと理解することが必要です。

・客観的にみる
これは1xに限ったことではないですが、自分の写真というものは思い入れがあったり、思い込みもあったりして正しく評価できないことがあります。「それってあなたの感想ですよね」と言われないように、何処が優れているのか具体的に説明できるようにしましょう。また、それらが写真上で表現されている必要があります。

・似たような写真は使わない
1度Publishされたからといって、連続で同じような写真を出すとRejectされます。ただし、Awardされるレベルなら別構図でも通ったりします。要するに良いものは良い!ということなんでしょうね。

・特徴的な三要素
ここがポイントです。写真1枚での審査となるので、みる人を引き付けるインパクトが必要となります。目安として特徴となる強い要素が3つあることを意識しています。

たとえば
・Interview

①珍しい構図
②モデルの仕草・表情
③チューリップ
の三要素となります。

・White butterfly
これは2要素しか無さそうですが、赤と白のコントラストも要素に加わります。

①チューリップ
②モデル
③赤と白のコントラスト

ポートレートは綺麗なモデルさんが写っているだけだと選ばれません。光、影、表情(眼力)、動き、仕草、ポーズ、ファッション、色などなどプラスの要素が組み合わさっている必要があります。


・An oasis above the clouds

①ポツンとある小屋
②雲の動き
③小屋の灯り
これは小屋の灯りがなければPublishされなかったでしょう。

このような感じで写真を厳選しています。

幸いなことに、参考になる写真はAwardでいくらでも見ることが出来ます。
研究し、考えることで成果に結びつけることが出来ると思います。

■まとめ

現状に満足せず、「なぜ?」「どうして?」「どうやったら?」を繰り返すことで上達することが出来ます。課題を見つけ、それを乗り越えるために考え、行動する。これは写真だけでなく全てのことに当てはまることです。

今の世の中は学ぼうと思えば豊富に情報があり、独学でも学べる時代です。「やる気」や「努力」という言葉は嫌いですが、好きなことや興味ある事に対しては「調べる」「考える」ことを習慣づけると後々に繋がると思います。

特に学生さんなど若い世代の方はそのあたりを意識すると、人生が広がりますよ。こんなおっさんでもチャレンジし続けているのですから。

それではまた。

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