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「白亜紀往事」の感想。三体の著者(劉 慈欣)による長編小説

さっそく白亜紀往事(はくあきおうじ)を読み終えました。
図書館で借りたんですけど、レンタル期間もあるし、早めに読んでしまおうと進めていましたが、思ったより早く読了。
3日くらいでした。最近では英語の勉強も頑張っているので、それにしては早いペース。
ページ数も本文は218ページと少なで、やはり大森望さんの翻訳は読みやすいです。

白亜紀往事のあらすじ。

舞台は白亜紀末期。一頭のティラノサウルスの歯の掃除を蟻(アリ)がしたことがきっかけで共存していく話から始まります。
恐竜とアリはお互い知能を持っており、アリは小さな体で細かな作業が得意恐竜は大きな爪で戦闘が得意だが、不器用という欠点があり。恐竜の歯の掃除からお互いに共存していくのだが、とある宗教問題をきっかけに対立が深まっていく話。

感じたこと ↓ネタバレあり。

これは、恐竜とアリという、人ではない生物で繰り広げられる。共存と争いの物語です。

アリが恐竜の歯を掃除することで、歯茎の間の大きな食べ残しをアリは掃除しながら食糧確保。
恐竜は、口内が奇麗になって気持ちが良いという、共存からスタートしていくのだけど、これって昔の人類で言う。物々交換に似ている気がしたんですよね。
後々、人類は硬化や紙幣に置き換わるのだけど、恐竜の世界でも、技術力や経済がどんどんと確立していくのが、人類を追体験しているようでとても面白く、人間の黒歴史を学びなおしているようだった。

白亜紀往事

亀裂は些細なことから

この白亜紀往事でも、現実で言う人類についても、争いは予想もしていない場所から起こり些細なことから発展していくというのが、恐竜とアリの間でも同じだった。

最初の火種は恐竜とアリが信仰する神の形がアリなのか恐竜なのか?その議論で第一次竜蟻戦争の火蓋となるのだけど、これって人類の過ちをそのまま反映しているようで、愚かさを可視化している気分になった。
だからと言って解決策は分らないのだけど、共感する気持ち、相手の目線っていうのが大事なのかな?うーん難しい。

過ちは繰り返す。

これまた、人類と似ているのが、歴史を繰り返す。
第2次竜蟻戦争に発展するのだけど、これが、現代の核兵器問題と一致してそうで、もしも、人類で核廃絶や核絡みで戦争が起こり第3次世界大戦となったらどうなるんだというような変に回想をしながら読んでしまった。
ちなみに、小説内では、2極化してる恐竜の国の核をお互いに放棄しましょうという蟻の提案を恐竜側が否定したことで。起こったのだが。やはり些細なことや、頑固さが、さらなる惨事になるのかななど…

しっかりSF感がある。

中盤の少し先までは、SF感のある歴史小説のような感じだったけど、終盤に宇宙の話や第二の太陽の話。核爆弾よりさらに強いエネルギーの話など、出てきてしっかり科学の説明もあり。それでいて難しく表現していないのがとても読みやすかった。電子や原子、

読みやすい理由はこれだった!

ここまで話してきて思ったのは、もし、恐竜やアリでなく、人間や人間に近い二足歩行の生物の話しだったら、最後まで読了するのは辛いかも。

それは先入観や共感しすぎてしまうから。
それは良いことでも悪いことでもあるけど、題材が恐竜とアリということが読みやすい秘訣だったのかなー
読んでいる感覚は小説というより童話よりだったので。

最後に

ぼくの感じたことは、人類の悪事を優しく解説したようなそんな気がしました。
白亜紀往事は、あの人気SF小説の三体の著者の初期長編小説ということで、書かれたのは三体より前とのことです。
ぼくは、まだ読んでいないけど、三体に出てくるような要素は含まれているようで、三体知ってる人にも刺さるのかも。
また、著者の劉さんは恐竜とアリが好きらしいね。


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