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ドラゴン黒開発話

ドラゴン黒はDragonSeriesの辛口です。
黒色は、シックや落ち着いたというイメージがあるのでそのイメージをお酒にしました。

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ただ辛口を造るのでは面白くないと思い、辛口を造る為のテーマを考えました。
それは「刺身を美味しく食べるための辛口」です。

刺身を一番おいしくする料理は何かと考えました。
お寿司だと考え、シャリのような特徴を持つお酒ができたらどうだろう。
そして、色々なお寿司屋でシャリを食べ、研究をしました。


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シャリの味わいを分解すると、甘みがあり、それをマスキングするように酸味があります。
酸っぱいシャリは微妙ですし、甘みが抑えられているシャリも微妙な味わいでした。
香りは穏やかで派手ではありませんでした。

この味わいをお酒にすると
「甘みはしっかりあるがスッキリしたもの。」になると考えました。

こうして酒質のコンセプトはきまりました。
コンセプトは、「香りは華やかでなく落ち着いていて、味わいの甘みはあり、後味にキレのある酒を目指す。」

コンセプトは決まりましたので、次に必要なのは、どのお米を使用するかです。山田錦を使うと、香り、味わいが華やかになりすぎます。
そこで何かないかな?どのようなお米が良いかなと考えていたところ、
兵庫県が新たに開発したお米「兵庫錦」の試験醸造の依頼がきました。
試験醸造をすると、味わいは山田錦様であるが、少し軽い。香りは少ないという事がわかりました。
「これは!!コンセプトに合致している!」使用するお米は兵庫錦に決定しました。
次はラベルです。肩張りに「兵庫錦」って書いても誰も知らないお米ですから、米の名前も大きく打ち出すのではなく小さく書く程度にしました。

※兵庫錦とは
[成果の内容・特徴] 1.「兵庫錦」の育成経過 「兵庫錦」は、1994 年に「山田錦」と「西海 134 号」の交配後代の F2短稈個体を種子 親とし、花粉親として「山田錦」を交配した組合せから系統育種法により選抜した。 2.「兵庫錦」の品種特性 品種特性は以下のとおりである。 1)出穂、成熟期は「山田錦」よりやや早い晩生種である。「山田錦」より稈長は、26cm短く、耐倒伏性は強い。葉いもち圃場抵抗性は弱である。芒の発生はなく、脱粒性は易である。 2)精玄米重は「山田錦」対比109%で多収である。千粒重は27.8g、心白発現率は約 80 %で、玄米横断面の心白の形状は中間型状や線状が多い。玄米タンパク質含有率は「山田錦」と同程度で、検査等級は優れる。50%搗精時の砕米率は「山田錦」より少ない 。 3)蒸米吸水率や消化性は「山田錦」よりやや低いが、粗タンパク質はやや少なく、吸 水性は「山田錦」とほぼ同じである。小仕込み試験の結果は「山田錦」と ほぼ同等であるが、官能評価は香りがやや少なく、やや劣る。 3.試験醸造製品の開発 2007 年、2008 年に兵庫県加東市内で試験栽培を実施し、その生産物を用いて、公募に よる蔵元6社で醸造製品の開発を行い、開発製品の種類は純米酒2種、純米吟醸酒1種、 大吟醸酒1種、純米大吟醸酒2種である。精米歩合は 70~40%である。 酒造適性については麹米として問題がなく、蔵元の経験上は「五百万石」に比べて製 麹特性が明らかに優れ、酒質は香りがやや少ないが、すっきりとしているとの評価である。

#龍力 #日本酒 #DragonSeries #ペアリング


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