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オレンジワインとは 〜珍色ワイン〜

3回にわたってお送りして参りました。今回は、オレンジワインに代表される赤白ロゼ以外の珍しい色のワインについて。やっとこのトップ画像が活きるときがきました。いやー長かった。全部読んでくださった方がもしいらしたらありがとうございます。心から感謝を。

植野 竜生(うえの たつき)です。「色から見るワイン」も大詰めです。色という視覚的にわかりやすい要素を通じて、ワインに興味を抱いていただければ幸いです。最後まで頑張って書いていきます!

世界最初のワイン?!オレンジワイン編


オレンジワインとは何か。
オレンジを原料にしてるわけではないんですよ。お客さんにはよくそう聞かれますけどね。無理もない。


オレンジワインてのは橙色のワインのことで、「色の濃い白ワイン」がわかりやすいイメージだと思います。お察しの通り、白ブドウを原料に、皮漬け込んで色素を抽出してつくるわけですね。
山梨の、特に甲州ワインにおいては、期間はかなり短め(3日~5日とか?)にしているとこが多いんじゃないかなぁ。甲州て遺伝子的には黒ブドウに近いらしいですからね。割とブドウの色が濃いんですよ。海外産のオレンジワインは、がっつり漬け込んだねーって感じのものが多いイメージです。

ジョージア(旧グルジア)って国があるんですけど。
世界のワイン発祥の地と言われています。8000年前くらい。昔すぎてよくわかんないと思いますが、青銅器時代とかそれくらいです。鉄器ないです。貝塚とか作ってる時代。なので、当時は素焼きの壺を土に埋め、発酵させていたそうです。アンフォラと呼ばれてます。土器というやつですね。


製法はクヴェヴリ製法ですかね。ややこしい。
で、そうやってつくられていたのがオレンジワインだと言われているんですよ。現地ではアンバーという表現が使われているらしいですけどね。
世界初のワイン、オレンジワイン。物語が描きやすく興味を惹けそうですね。ってことで最近日本でも盛んに輸入されています。
あ、ちなみに世界遺産に登録されてます。


オレンジワインの人気を支えている理由は他にもあって。最近、「自然派」「ナチュラル」と呼ばれるワインがトレンドですよね。このあたりに関してはすごく長くなっちゃうのでまた別記事を書きます。はい。色々たまってますからね。(笑)

自然派に限らず、最近のワイン造りは酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用量を減らそう、というのがトレンドかと思います。香りの成分や味に影響するといわれていますね。ほんとか嘘かわかんないですけど。
で、特に自然派は亜硫酸の使用量を抑えたいんです。赤ワインに関しては渋みの主成分である「タンニン」という成分が、天然の酸化防止剤としてはたらくので、かなり使用量を抑えることができます。
しかし、白ワインの場合。果汁だけを原料とする造り方では、タンニンがほぼ抽出されないので必然的に亜硫酸の使用量が増えます。困った。
なので、皮を漬け込んでオレンジワインにすると、タンニンが抽出されるため、亜硫酸の量が減らせる。これが大きなメリットになっているわけです。


オレンジワインの魅力

ご紹介して参りましたオレンジワイン。魅力をお伝えできればと思っています。が!!非常に難しいです。なにがって、オレンジワインってこんな味ですよーみたいなのが私の中にないんですよ。すみません。(泣)
一応言い訳をさせて頂くと、まだまだ確立されていないのだと思います。ほんとに様々なタイプのオレンジワインがあって、飲む度新たな発見があります。あ、それが魅力かもしれないです!!どうでしょう?!(笑)


一応味についてお伝えしますと、ロゼワインと同じく赤と白の中間色であることは疑いようがありませんので、先の記事でお話ししました、ロゼワインの魅力に通ずる部分はあると思います。様々な食事に合わせやすい、気軽さですね。ロゼワイン編はこちら↓↓


一応改めてイメージを整理するとこんな感じです。↓↓
【薄】白ーーーーオレンジーーロゼーーーー赤【濃】
ロゼとオレンジは個別のタイプによって入れ替わることもあるかと思いますが、だいたいこんなイメージで大丈夫だと思います。

ただ、どうしてもお伝えしたいのが、オレンジはロゼと違って、初心者向けではないということです。もちろん初心者の方にも楽しんでいただけるようなオレンジワインもあります。ですが、現状総じてクセが強いです。
そういう意味でちょっと親切じゃないかもしれないなぁと思います。私自身、ソムリエに「クセが少なく万能なオレンジ」と依頼してご紹介いただいたワインを嗅いで(くっっっさ!!!)と思ったことがあります。
まぁオレンジだからというより自然派よりの造り方のせいかなぁと感じたんですけどね。経験豊富なソムリエでもオレンジワインに精通した方は多くはないと思います。そういった意味での将来性は期待できるかもしれないですね!

製法が超特殊!!黄ワイン編

はい。ここからはさらに珍しい色のワインをさらっとご紹介していきたいと思います。

「黄色っぽい色のワイン」なら、そこら中で見られます。上述したオレンジワインの薄めのやつとか、樽熟成した白ワインとか、甘口白ワインとか。
ですがご紹介する黄ワインは、超特殊!!フランスのジュラ地方でしか造られないワインです。面白いんですよー
いつものように一言でいうと、「あえて酸化させて造る白ワイン」です!



じゃあ「あえて」ってのはどういう意味か説明していきます。
まず、通常の白ワインは、木樽熟成する場合としない場合があって、期間は数か月~長くても1年くらい、が一般的です。そして熟成中は、ワインが蒸発していくので目減りした分を補充して満量を維持しつつ、滓(ワイン中に生じる沈殿物)を取り除く作業を行います(滓引き)。樽内に空間をつくらないようにするイメージですね。こまめな補充、めんどくさいです。

じゃあ黄ワインはどうするかというと、絶対木樽熟成、期間はなんと6年に及びます。6か月じゃないですよ。6年です。しかもあえて2/3くらいしか入れず、補充と滓引き禁止。あえて酸素に触れる状態でずーっとそのまんまにしとく。
そうすると、ワインの表面にだんだん皮膜ができてくるんですよ。産膜酵母(名前まんますぎますよね笑)の働きによって皮膜ができ、その皮膜の風味が徐々にワインに浸透していく。で、6年以上経ってから出荷です。まじで長い……小学生卒業しちゃう。

ちなみに、ブドウ品種は「サヴァニャン」で、クラヴランと呼ばれる620mLボトルで出荷されます。値段高いです。(笑) なかなか日本じゃ見ることもできないですね。最近増えた気がしますけど。


あんまり色んなワイン飲まないよって人も、フレンチレストランとか行くと「ヴァンジョーヌ風」って料理を見かけると思います。この「ヴァンジョーヌ」を訳すと黄ワインとなるわけですが、白ワインの代わりに黄ワインを使いましたよーってことですね。風味強いし味濃くなるんですよ。鶏料理のソースでよく見かける気がします。知っとくと面白いワインですね!


重厚!濃厚!!黒ワイン編

原料であるブドウに特徴があるワインですね。当然製法にも特徴はあります。

黒ワインとは
まず、黒ワイン。簡単に言うと、「めっちゃ濃い、濃すぎる赤ワイン」のことです。ただ、最初に一つ言っておきたいのが、黄ワインのように、明確な定義付けがなされていないということです。ルーマニアの黒ワインが有名なのかなぁと思いますが、フランス南西地方、アルゼンチン、カリフォルニア、とかでも聞きますね。個人的には売り文句の一つ、というイメージです。

めっちゃ濃くて渋い。そういうワインになるブドウ品種を使うってのが特徴なんです。必然的に品種も限られてくるんですが、シノニムってのがあるんですよー。同じ品種なのに国や地域によって呼び名が違うんです。
ややこしいなって思うんですけど考えてみたら普通のことですよね。あの、「青森でめっちゃ作られてる赤い果実」を「リンゴ」と呼ぶか「apple」と呼ぶかみたいなもんです。厳密には違いますけど。(笑)

黒ワインを探すと絶対に出会う「マルベック」と「コット」って品種は実は同じブドウです。ルーマニアは面白い名前が多くて(笑)
黒ワインで有名なのは「黒い乙女」って意味の名前の品種ですけど、「白い乙女」「王家の乙女」「灰色の熟女」「黒い貴婦人」とか色々あります。
お気づきになったでしょうか。女性しかいないんですよ。(笑)
ワイン造るのは男性が多いので、手塩にかけて育てるブドウは男より女の方が良かったのかなぁ…なんて勝手な推察をしています。

ちょっと逸れましたが、濃厚で渋くて牛肉なんかによく合います。他にはないパワフルさを誇るワインなのでぜひ一度ご賞味あれ。

食欲減退色?!緑ワイン編、青ワイン編

はい。ここはもうさらっと行きますよ。

緑ワイン
てのはポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」のことです。一言でいうと、「若い微発泡ワイン」のことですね。
緑色ってわけじゃないんですよ。(笑) 若干黄緑がかってることもあるらしいですけどね。「緑」だけでなく「若い」って意味もあるのでこういうことになってるわけですね。こんなイメージかな?↓↓


微発泡、フレッシュで若々しい白ワイン。魅力的ですね。ちなみに近年では度数の高いしっかりしたワインでも注目されつつある産地です。
ポルトガルといえば酒精強化ワインですがそれだけじゃない!!(当たり前だって言われそう…)

で、青ワイン。こちらは簡単、「着色料で青く染めたワイン」です。
インディゴの色素を抽出して造ってるとこもあるらしいんですが、結局色弱いので青色一号を投入してるみたいです。私もイオン行って青色一号買ってきて撮影しました。忠実な再現。(笑)
味は普通に美味しいですよ?だって白ワインですもん。お土産とかにオススメです。ひと盛り上がりは約束されますね。

着色料使ってない青ワインをご存知の方、ぜひ教えてくださいね!!!


まとめ

では最後に、まとめます!!!
白「果汁だけで造られる普通のワイン」
赤「果皮から赤色色素を抽出するワイン」
ロゼ「色の薄い赤ワイン」
オレンジ「色の濃い白ワイン」
黄「あえて酸化させる白ワイン」
黒「めっちゃ濃い赤ワイン」
緑「若い微発泡の白ワイン」
青「着色料入れたワイン」


以上、8色のワインをご紹介致しました!


はい。以上でございました。色んなワインがあるんだなーってとこが伝わるといいなぁと思っております。面白いワイン見つけたらぜひこんなワインあったよ!!ってお教えくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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