日本人が大好きな”曖昧”が起こすかもしれない悲劇について―夜がくればどこだって”夜の街”じゃない??―

「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」、通称「さびレズ」という作品がある。


最近読んだ漫画だ。けれど、これはただの漫画じゃない。
抑圧された一人の女性の、自立の過程を記した実話だ。それもかなり壮絶な。
この作品の中に、正しい性の知識をどこからも与えられておらず、これでは世の男性が初めて女性を目の前にした時にそれはそれは驚くのではないだろうか、というシーンがでてくる。
そしてこの記事↓↓



Twitterでこのニュースをたまたま目にして、ちょうどこの作品とリンクした。
日本の性教育は、一番大切なことを教えない。性教育=下ネタだと思っている。
誰かを好きになる、それは思春期にはとても大切な感情で、性行為を行う子だっている。それ自体は悪くない。「避妊」の大切さを知っているかどうかだ。


普段、関わっている高校生の話を聞いていると、みんなすぐ結婚!とか言い出す。この人の子どもならできてもいい、とか、結構簡単に言う。特に女の子。男の子が女の子と同じ気持ちかどうか、男の子が子どもに対して抱いているイメージが、女の子と同じかどうか。その辺がみんな結構曖昧で、ひとまず冷静になって

・「ビジョンのこと(今すぐ子どもがいる人生と、今は子どもがいない人生についてそれぞれ想像する)」
・「お互いのこと(お互いに目指そうとしている人生設計があるのか、お互いに今大切にしたいことは何か、きちんと確認する)」

というところに焦点をあてて話すと徐々に落ち着いてくる。そうすると、弱者になるのは自分かもしれないとか、他のイメージも沸いてきて、現実的に考えられるようになってくる。こういう教育って学校教育ではなかなかなされない。記事にもあるように、暗黙の了解みたいな感覚で性教育をとらえる人が多い。
しかし、わたしはその、下ネタだと思われがちな性教育のその先に、望まない妊娠の防止があると思っている。

例えば、コロナウイルスの報道で「夜の街関連」という言葉を耳にする。「夜の街」でも十分曖昧で、さらにそれを曖昧にする「関連」という言葉をつける。関係、関連は、その前にある言葉を曖昧にする言葉で、合コンで職業を伝える時によく、教育「関係」とかIT「関連」とか言う。
まあそれは置いといて。
「夜の街」って。夜がくれば、どこだって夜の街じゃないか。はっきり言えばいいのに。
日本はいつも、性が絡んでくるとすぐにそれを曖昧にする。
子どもに性犯罪をすることがなぜ「イタズラ」という言葉で片付けられるのか。そこには少なくとも二つの大きな罪が存在している。それは、

・子どもに対する尊厳の欠如
・命に直結しうる性に対して「下ネタ」で済まそうとする

という二点だ。そしてメディアは平気でそれを垂れ流す。さらに罪が重なる。命に対するこの尊厳の低さ。

それでいて10代で妊娠する子ども、妊娠させた子どもを平気で非難する。大人にその権利があるのか?きちんと性教育をしないことの方が罪なんじゃないのか?ある大人は言う。「自分も失敗しながら実践で学んだ」「風俗やキャバクラに通って教えてもらった」、そうやって経験値で上から目線で具体的にはなんの性教育もせずにただほくそ笑んでいる大人たち。

その時に相手の女性がどんな気持ちだったか。もしかしたらその後妊娠して子どもを堕ろしたかもしれない、施設へ預けたかもしれない。その先その人が歩んだかもしれない人生について、考えたことがある?そういう想像力を働かせたことがある?笑いごとじゃないんだよ。下ネタでは絶対にない。想像力を養うことは、わたしは大切な教育だと思うんだけどな。答えを出すこと、求めることだけが勉強じゃない。その子が自立した時に、自分を守ることの大切さを知っていること、他者の気持ちをを想像する力があることは、きっとまだ見ぬ誰かの救いになるんじゃないかな。

「さびレズ」にも出てくるけれど「寝た子を起こすな」ではない、もうすでに起きている。そこに正しい知識をつけないと、傷つく子どもも傷つける子どもも出てくる。子ども時代にそれに気付かなかった人は、大人になってから平気で人を傷つける。それが最終的に、望まない妊娠につながることもある。でも、無責任だとその人を責める前に。正しい性教育を。

曖昧に曖昧が重なって、それがいつの間にか知識として定着してしまう恐ろしさ。そして、それが命に直結している可能性があるという現実。これを、忘れちゃいけないと思う。


※「さびレズ」の感想はこちらに記載しております。


#日記 #文章 #言葉 #考え #考え方 #ひとりごと #性 #教育 #性教育 #女の子 #男の子 #漫画 #子供 #子ども #大人 #いのち #命 #生きる #生き方 #高校生 #自分の気持ち #新型コロナウイルス #コロナ #コロナウイルス #日本 #学校

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?