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探究の枝葉を伸ばす、KUSHIROマスタープラン中間発表

2021年10月6日。この日は、以前フィールドノートで紹介した「北海道教育大学附属釧路中学校」の総合的な学習の時間の中間発表に出席した。

学校に着くと、釧路を代表する企業や事業者さん、神社の神主さん、地域おこし協力隊の方といった、見覚えのある方々がズラリ...!

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さながら地域のオールスター感謝祭のような空気。笑

KUSHIROマスタープランは、附属中3年(本来は義務教育学校なので9年生)の生徒たち約90名が、それぞれ釧路の課題を考えて解決するためのプランを釧路市に提案するもの。今回の中間発表では、そのプランの途中経過をプレゼンしてもらい社会人がアドバイスすることで、より実現可能な内容にしていく。

全12グループにわかれ、各グループに1人の社会人が講師として参加。清水が受けもった生徒は8名。各自タブレット端末を使用し、さっそくプレゼンがはじまっていく。

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前回、フィールドノートで授業をした際に、自分の「興味・関心のあるもの」を通じて取り組んでみる。また、「じぶんごと」として関わるにはどうしたらいいか?といったことを伝えた。

生徒たちのプランからも、アートや植物、アニメやものづくりなど、興味・関心のある分野を取り入れたプランが次々と発表され、マスクの内側はニヤニヤしながら、終始ほほえましい気持ちでいっぱいだった。(詳しい内容については、どのプランも素晴らしい内容だったが、ここではあえて秘密にしておく笑)

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気になったのは、清水のグループでも離れたグループでも、「ゴミ拾い」に関する内容の話が多かった印象があったことだった。

「課題=環境問題」といったような、目先の問題にフォーカスしがちなのかも知れないが、正直これには悲しい気持ちになった。

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そもそも、地域の人かどうかはわからないが、ゴミをポイ捨てするという行為そのものがゴミ以下の行為だと清水は思っている。

ゴミ拾い自体が好きで興味・関心があれば別だが、なかなか好きでやっている生徒は少ないだろうし、子どもたちには純粋に「自分が好きなことを課題に重ねて取り組んでもらいたい」、そんな気持ちがあったからである。

「課題そのものから探究の枝葉を伸ばすのか?」、「自分の関心のあるものから枝葉を伸ばすのか?」では、大きくプランの内容に違いが出てくるからだ。

たとえば釧路の課題解決ということで、その課題のハードルが高かった場合、「じぶんごと」として取り組めるだろうか?そうしたことをベースに1人ひとりにアドバイスをしていった。

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もうひとつ印象に残っているのは、プランに関心ごとが感じられない生徒がいたことだ。その生徒には、「もし、勉強も宿題も何もしなくてもいい、ってなった状態で1番やってみたいことってなに?」と聞いてみた。

すると、「寝たいです」と返事が返ってきた。であれば、「寝たい」ことから探究の枝葉を伸ばすことにフォーカスしてみてはどうだろう?とアドバイスをしてみた。

その生徒は北大通の活性化を提案していたが、北大通にぐっすり眠れる「眠りに特化した解決案を盛り込んでみる」とかできないかな?と。

今の子どもたちは本当に優秀だと思う。でも、だからこそ表面的にそれらしい資料をつくったり、まとめることも得意だとも思う。

そうした「すでにある正解」のようなものではなく、これからは自分が何が好きで興味・関心があり、それをどう暮らしや働きかたなどに掛けあわせていくことができるか?といった、前向きなエネルギーを自ら生み出すことが大切にされていくのかなとも思う。

12月に完成させるという、1人ひとりのKUSHIROマスタープランが楽しみだ。