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「3」に固執する国語教師。昭和に生まれ、平成に職を得、令和に生きている。したいこと、す…

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「3」に固執する国語教師。昭和に生まれ、平成に職を得、令和に生きている。したいこと、すべきこと、できることを弁別し、できない、わからない、でも知りたいというニーズに応えたい。

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    京大国語現代文の解答例。設問ごとに〈ポイント〉として本文の参照箇所を引用。制限時間内で作成できて、減点されない答案をめざす。

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2022共通テスト国語:漢文書き下し文・通釈

2022共通テスト 国語 第4問(漢文) (2022年1月15日実施) 出典=阮元(げんげん)『揅経室集(けんけいしつしゅう)』 書き下し文 【序文】  余旧(もと)董思翁(とうしをう)の自ら詩を書せし扇を蔵するに、「名園」「蝶夢」の句有り。辛未(しんび)の秋、異蝶の園中に来たる。識者知りて太常仙蝶(たいじやうせんてふ)と為し、之を呼べば扇に落つ。継いで復た之を瓜爾佳(くわじか)氏の園中に見る。客に之を呼びて匣(はこ)に入れ奉じて余の園に帰さんとする者有り、園に至りて之を

    • 2022共通テスト国語:古文全訳

      2022共通テスト 国語 第3問(古文)  (2022年1月15日実施) 出典 【文章Ⅰ】『増鏡』 【文章Ⅱ】後深草院二条『とはずがたり』  後深草院が異母妹である前斎宮に恋慕する場面を描いている。 全訳 【文章Ⅰ】  院も自分のお部屋に戻って、お休みなっていたけれど、お眠りになることができない。さきほどの(斎宮の)お顔つきが気がかりに思われなさるのもどうしようもない。「わざわざ(自分の気持ちを)申し上げるようなのも、人聞きがよろしくなかろう。どうしようもない」と思い

      • どうやる入試古文・シリーズ第2回

        問題演習(トレーニング)のハードルを低くする。 (1)解釈の問題 ★「解釈」とは、 省略部分や指示語の内容を明らかにした現代語訳である。 ★解釈できないのを、「古語を覚えていないから」で済ませないこと。 ★最優先するべき、前後関係〔=文脈〕で、リード文や注も見逃さない。 ★次に文法(助動詞・敬語)を手がかりにし、最後に古語の知識をあてはめる。 【例】2013センター試験『松陰中納言物語』 リード文=東国に下った右衛門督は下総守の家に滞在中、浦風に乗って聞こえてきた琴の音を頼

        • どう書く京大国語文系2現代文2021

          2021京都大学文系二 現代文(随筆・約2600字)40分 【筆者】石川 淳(いしかわ・じゅん) 1899~1987年。東京浅草生まれ。小説家、文芸評論家、翻訳家。無頼派、独自孤高の作家とも呼ばれ、エッセイでは夷斎と号し親しまれた。本名は淳(きよし)。1937年『普賢』で第4回芥川賞、1957年『紫苑物語』で芸術選奨文部大臣賞、1981年『江戸文學掌記』で第32回読売文学賞(評論・伝記部門)、1982年『石川淳選集』全17巻にいたる現代文学への貢献で朝日賞。 【出典】「す

        2022共通テスト国語:漢文書き下し文・通釈

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          どう書く京大国語1現代文2021

          2021京都大学 一 現代文(随筆・約2900字)40分  【筆者】西谷啓治(にしたに・けいじ) 1900~1999年。石川県能登町宇出津生まれ。京大哲学科卒。京大教授、大谷大教授を経て京大名誉教授。ドイツ神秘主義などを研究したが、後半生は禅仏教に傾倒した。出生地である宇出津には西谷啓治記念館がある。高坂正顕、高山岩男、鈴木成高とともに「京都学派四天王」と呼ばれている。「京都学派」とは、西田幾多郎と田邊元に師事した哲学者たちの形成した哲学の学派。 【出典】「忘れ得ぬ言葉」

          どう書く京大国語1現代文2021

          どう書く名大国語現代文2016

          2016名古屋大学 現代文(随筆・約3400字)45分 【筆者】山極壽一(やまぎわ・じゅいち) 1952年、東京生まれ。京大理学部卒、同大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。人類学者。日本モンキーセンターリサーチフェロー、京大霊長類研究所助手、京大大学院理学研究科助教授、教授を経て、京大総長を務めた。『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』(家の光協会)、『スマホを捨てたい子どもたち』(ポプラ新書)、『京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ』(朝日文庫)など著書多数。 【出

          どう書く名大国語現代文2016

          どう書く名大国語現代文2017

          2017名古屋大学 現代文(評論・約4750字)45分 【筆者】山崎 亮(やまざき・りょう) 1973年、愛知県東海市生まれ。大阪府立大農学部卒。同大学院農学生命科学研究科修士課程修了(地域生態工学専攻)。東大大学院博士課程修了(工学)。京都造形芸術大(現・京都芸術大)教授を経て東北芸術工科大教授(現在は客員教授)。慶大特別招聘教授。 【出典】「豊かな『縮充』社会へ」。『世界思想』2016年春号所収。 【解答例】 問一 a=ヤミクモ(闇雲)b=推奨 c=ヤユ(揶揄)d=アオ(

          どう書く名大国語現代文2017

          どう書く神戸大国語1現代文2018

          2018神戸大学 現代文(随筆・約5400字)45分 【筆者】久保昭博(くぼ・あきひろ) 1973年生まれ。東大大学院総合文化研究科満期退学。パリ第三大学博士課程修了。京大人文科学研究所を経て関西学院大文学部文学言語学科教授。(フランス文学、文学理論)。 【出典】「ポスト・トゥルースあるいは現代フィクションの条件」。文芸雑誌「早稲田文学」2017年初夏号所収。 【解答例】 問一 a=参集  b=反響  c=喚起  d=候補  e=管轄 問二「フィクションの認知的価値」とある

          どう書く神戸大国語1現代文2018

          どう書く神戸大国語1現代文2019

          2019神戸大学 現代文(随筆・約3800字)45分 【筆者】檜垣立哉(ひがき・たつや) 1964年、埼玉県生まれ。武蔵高校から東大文学部哲学科卒。同大学院人文科学研究科博士課程中退、文学部助手。埼玉大を経て阪大大学院人間科学研究科教授(生命論、応用倫理学、生命倫理学)。大陸哲学やフランス現代哲学、日本哲学(主に京都学派)に関する研究を行う。『瞬間と永遠:ジル・ドゥルーズの時間論』で阪大から博士(文学)取得。 【出典】『食べることの哲学』(世界思想社2018年) ブタもクジラ

          どう書く神戸大国語1現代文2019

          どう書く神戸大国語1現代文2020

          2020神戸大学 現代文(随筆・約5040字)45分 【筆者】西郷信綱(さいごう・のぶつな) 1916~2008年。大分県生まれ。東大文学部卒。横浜市立大名誉教授。上代文学・古代文学専攻。東大英文科に進学したが、斎藤茂吉の短歌に傾倒して国文科に転じ、丸山静とともに「アララギ」派の短歌に傾倒する。長く横浜市立大教授を務め、定年後に法政大教授。ロンドン大教授も務めた。1990年『古事記注釈』で角川源義賞。1995年、文化功労者。歴史学、人類学などの成果をとり入れた広い視野で、国文

          どう書く神戸大国語1現代文2020

          どう書く東大文系国語4現代文2014

          2014東京大学 第四問 現代文(随筆・約3000字)60分 【筆者】蜂飼 耳(はちかい・みみ) 1974年、神奈川県生まれ。早大大学院文学研究科修士課程修了(上代文学専攻)。詩人、エッセイスト、小説家。早大文化構想学部教授を経て、立教大文学部教授。詩集『いまにもうるおっていく陣地』で第5回中原中也賞を受賞。 【出典】「馬の歯」。雑誌『図書』(岩波書店)2013年3月号所収。 【解答例】 (一)「日常のなかに、ずぶりと差しこまれる」とはどういうことか、説明せよ。(2行=

          どう書く東大文系国語4現代文2014

          どう書く東大国語1現代文2012

          2012東京大学 第一問 現代文(評論・約3600字)60分 【筆者】河野哲也(こうの・てつや) 1963年生まれ。哲学者。慶大文学部哲学科哲学専攻卒。同大学院文学研究科修士課程修了。ベルギーのルーヴァン・カトリック大学哲学高等研究所、ベルギー政府給費留学。博士(哲学)。立教大文学部教育学科教授。2020年の大学入試センター試験第1問は、河野哲也の『境界の現象学』から出題された。 【出典】『意識は実在しない 心・知覚・自由』(講談社選書メチエ2011年)。 近代的思考の限

          どう書く東大国語1現代文2012

          どう書く東大国語1現代文2013

          2013東京大学 第一問 現代文(評論・約3100字)60分 【筆者】湯浅博雄(ゆあさ・ひろお) 1949年、香川県生まれ。東大大学院人文科学研究科仏文学専攻博士課程単位取得。パリ第3大学大学院に留学。東大大学院総合文化研究科・教養学部教授を経て、同名誉教授。著書に『ランボー論──〈新しい韻文詩〉から〈地獄の一季節〉へ』、『バタイユ──消尽』、『応答する呼びかけ──言葉の文学的次元から他者関係の次元へ』、訳書にバタイユ『宗教の理論』、ドゥルーズ『ニーチェ』、デリダ『パッショ

          どう書く東大国語1現代文2013

          どう書く東大国語1現代文2014

          2014東京大学 第一問 現代文(評論・約3300字)60分 【筆者】藤山直樹(ふじやま・なおき) 1953年、福岡県生まれ。山口県の瀬戸内海岸で育つ。東大医学部卒。帝京大医学部助手、東大保健センター講師、日本女子大人間社会学部教授、上智大総合人間科学部心理学科教授を経て、現在上智大名誉教授。東京神宮前にて精神科を個人開業。 【出典】『落語の国の精神分析』(みすず書房2012年) 【解答例】 (一)「このこころを凍らせるような孤独」とはどういうことか、説明せよ。(2行=

          どう書く東大国語1現代文2014

          どう書く京大国語1現代文2009

          2009京都大学 一 現代文(随筆・約2600字)40分 【筆者】柳沼重剛(やぎぬま・しげたけ) 1926~2008年。東京生まれ。京大文学部卒。在学中、最後の徴兵で初年兵に就き、原爆投下直後の広島に10日間駐留して爆心地で救援に当たって二次被曝した。都立九段高校で英語と世界史を受け持ちつつ、東大大学院を修了。立命館大教授、東海大教授を経て筑波大教授、大妻女子大教授を務めた。筑波大名誉教授。比較文学、西洋古典文学者。プルタルコス(帝政ローマのギリシア人歴史家)の原典訳が著名

          どう書く京大国語1現代文2009

          2021共通テスト国語:古文全訳

          2021共通テスト 国語 第3問(古文)(2021年1月16日実施) 【出典】『栄花物語』巻二十七 ころものたま  藤原長家(中納言殿)の妻が亡くなり、親族らが亡骸をゆかりの寺(法住寺)に移す場面から始まっている。 【全訳】  大北の方も、故人と縁故のあった人々も、また何度も身をよじって嘆きなさる。せめてこのことだけでも悲しくひどいことだと言わないのなら、そのうえ何事がありえようかと見えた。そうして亡骸を運ぶお車の後ろに、大納言殿、中納言殿(の車が続き)、しかるべき縁の深い人

          2021共通テスト国語:古文全訳