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苦楽をトモに生きていく

先日、琵琶湖の近くの企業さんからお声がけいただき、ドッコイセと新快速に乗って訪問してきました。毎月訪問している京都と名古屋の間くらいですね。。。。例年だと雪が降ってもおかしくない季節ですが、暖冬の影響かそれほど寒くもない。

その企業さんは、いわゆる伝統工芸を生業にされているところで、一見衰退事業なのかと思いきや、事業自体もうまくいっているようでした。伝統工芸はずっと残していきたい思いと裏腹に、買い手は減少傾向、なり手もいない・・・そうなると商売はシビアな側面もあり、厳しいと思います。

で、以前デザイナーさんとモノづくりをした時の話を伺うと、こんなことをおっしゃっていました。

言われるままにデザインをお願いしていたのですが、「色をこんなにベッタリ塗られるのは心外でした・・・こうした方が見栄えもよくなるかもしれないし、売れるかもしれませんが、本来私たちが考えているモノづくりとは違う」と。

その言葉でわかりますよね・・・モノづくりにとても大きな愛情を持っていることに。

経産省が打ち出しているデザイン経営宣言(https://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002-1.pdf)は、とても素晴らしい取り組みで、さらなる発信と実行施策をお願いしたいところですが、残念ながら前述したような「デザイナーと企業の関係性」では、誰もデザイナーに期待することなく衰退してしまいます。

よくクライアントにお話しするのですが、デザイナーの役割は、企業が自走できるようになるのをお手伝いすること。絵を描くことだけではなく、事業自体をトモに創り上げていく。本質的な価値を明確にして、事業自体をデザインというベクトルからみてやっていくことだと考えています。

うちの事務所の掲げる理念は「人に深く(Just Beside YOU)」です。いかに深く関わり、トモに創り上げるか。時には本音をさらけ出し、喧々諤々の議論もするけれど、お互い本気だからこそ。それだけ距離も近く、一緒にやって創っている証拠だと思います。

苦楽をトモにしていきていく

デザイナーを目指す人にはそんなことも感じて欲しいと思った、阪神淡路大震災から25年目の今日。多くの方々に支えられて今の自分があることに感謝します。デザイナーとして、多くの人に夢や希望を伝えられるよう、強くありたいと思います。


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