末吉

丸の内の不動産屋で商業開発をしています。読んだ本の記録。

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最近の記事

女のいない男たち -ドライブマイカー- 村上春樹

正直話の内容自体はよくあるようなNTRものなのかもしれないけど、独特な文体と、サーブ900ターボ、ベートーヴェン弦楽四重奏曲のようなセンスのいい絶妙な文化的なチョイスで、一気に唯一無二の魅力的な村上春樹作品が出来上がる

    • 君の顔では泣けない 君嶋彼方

      転生モノというキャッチーな顔をしているけど、「自分とは」を問う深みがある。疾走感もたまらなくいい。家族に会いたくなった。

      • つつまし酒 パリッコ

        ご飯を題材とした作品が好きだ。 池波正太郎は一般教養。面白南極料理人のようなエッセーも大好き。映画のシェフも好きな映画10選に入りそう。 最近好きなのはパリッコさん。酒を自由に楽しむ姿が気持ちいい。著者の生活範囲が自分と近く、上石神井の焼肉材料店スタミナキングとか、池袋西武デパート屋上のかるかや、ぎょうざの満州とか自分に縁のある場所がたまにでてくるところもドキッとして楽しい。 等身大で日々の暮らしを楽しんでいるのを覗き見するのってなんだか安心する。

        • 世界史を大きく動かした植物 稲垣栄洋

          一昨年に富士山に登ったんだけど、それ以来富士山が遠くに見える度に、あぁあの頂上まで行ったんだなと思いすこし気分がいい。日々何気なく口にしたり目にする植物を知るということも、そんな思いに似ていいんだと思う。育てることをすればきっともっといいのだろうけど。

        女のいない男たち -ドライブマイカー- 村上春樹

          ゲストリスト ルーシーフォーリー

          この本は子供の頃に読んだ漫画、金田一少年の事件簿に似ている。 出てくる主要人物全員のそれぞれの過去が漏れなく事件に密接に絡み合ってくる感じというか。昨今の日本のミステリのような緻密で技巧的な伏線回収、とは違う懐かしさすら感じる直球勝負な展開。 シットコム的でそれぞれの人物による心情の変化がテンポよく繰り広げられストーリーに引き摺り込まれるように1日で読んだ。 幼少期に行ったエディンバラの街並みであったり、自身の過ごした中高一貫男子進学校のメンバーで久しぶりに集まったとき

          ゲストリスト ルーシーフォーリー

          Aではない君と 薬丸岳

          出版社に努める兄から定期的に本が大量に送られてくるのだけど、整理していたら薬丸岳の本が何冊かあった。薬丸さんの本はまだ読んだことないような気がして、手始めに、有名な「Aではない君に」を読むことにした。 14歳で殺人容疑で逮捕された息子を父にもつ父親の話で、ミステリ的に先も気になるし、少年犯罪という考えさせられるテーマも興味深くて一気に読んだ。だがなかなかにハードな内容と動物好きな自分にとっては目を背けたくなるようなシーンもあり読後は疲労感が強く、つらい。酒がすすまない。 本

          Aではない君と 薬丸岳