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レーベル「遊と暇」はじめます

夏ごろ書いたnoteで、レーベルをやるぞと言って数ヶ月。

先日正式にISBNコード(書籍の裏についてる出版社と書籍ごとに割り当てられたバーコードみたいなやつ)を取得し、名実ともに出版ができるレーベルを立ち上げました。

「出版社」と言わず(言える条件は揃ったのですが)「レーベル」という言い方をしているのは、紙の本を作ることだけがしたいわけじゃないからです。レーベルという曖昧な構え方を楽しんで、これからいろんなことを企てて行きたいと思います。

まずは、そのレーベルの名前とその意味について。

レーベル名

タイトルにもあるのでもうネタバレしていますが、レーベルの名前は

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です。(ユートヒマ)と読みます。ユートピアとかけています。なので英語表記は「Utohima」です。

文字通り「遊び」と「暇」というテーマに特化したレーベルです。

添える言葉

ミッションでもビジョンでも、ステートメントやコンセプトでもないのですが、レーベル名に添える言葉をつくりました。「遊と暇」を通して見える世界について。

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レーベル名とこの言葉は、一緒に立ち上げに参画してくれているケイコとの共作です。粘土をぶつけ合うようにしてつくりました。彼女は前職の同僚で、いまは良き友です。僕の考えを理解してくれているというよりも「遊と暇」というテーマに対して自分の解釈で面白さを見出してくれているところを何より信頼しています。

遊びの居場所を耕す

「遊び」というテーマと出会ったのは16歳の時。スイスのNaef社の積み木のデザインに圧倒されたことをきっかけに「玩具」に興味を持ち、その後玩具ありきの玩具論に違和感を持って「遊び」というテーマを追いかけるようになりました。学会に所属してみたり、ヨーロッパの玩具見本市に行ってみたり、遊び場の活動に関わってみたり。独学で遊びについて探求してきました。

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あれから16年経ったいま、まるで時代がそうさせているかのように「遊び」や「プレイ」を掲げる企画や活動が増えています。その範囲は芸術、労働、教育、福祉、経営にまで広がりをみせるようになりました。「遊び」に関心が寄せられることはとても嬉しいことですが、一方で肝心の「遊びとは何か」という根本的な問いや、「遊び」が持つ領域横断的な側面については意外と未整理なままだったりします。また全てがそうでないにせよ、いま語られる遊び論が、ビジネスや学校教育のような「非・暇」な時間(変な言い方ですが)の中でいかに「遊び/遊び心」を活かすかという機能的価値の視点に偏っていることも気になっています。遊びの居場所は、そこだけでないからです。

こうした僕の遊び観は教育学でも心理学でもなく、美学の中で扱われる「遊び」の見方に影響を受けています。特に大切にしている詩人のシラーの言葉がこちら。年末のNHKで流れるベートヴェン「第九」のコーラスの元詞を書いた人です。


「人間は、ことばの完全な意味において人間であるばあいにのみ、遊び、また、かれが遊ぶばあいにのみ、完全に人間として存在している」

(1793-94, Schiller)/ 訳引用『遊びの現象学』(1989, 西村清和, 勁草書房,p8)

「遊と暇」は、文字通り「遊び」と「暇」の関係を踏まえながら、このテーマを継続的に探求していくレーベルとして旗揚げしました。

企てていること

1、【本】パブリッシング
書籍の出版事業です。すでに1冊目の制作が進んでいます。11月の下旬〜12月の初旬には発行予定です。注文をくださった書店やAmazonで購入できるようになります。

詳細はまた別noteでご案内しますが、僕が大学4年生の時に制作したリトルプレス『ことな』で取材した入江家の日々の暮らしをまとめた『ひまのつめあわせ 入江家の本』というタイトルの本です。当時まだ5才と2才だった姉妹のその後10年間と、写真家で社会福祉士の入江英樹さん、イラストレーターのフクダカヨさん4人の暮らしを「ひま」というキーワードでまとめました。

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(一枚ずつ見返した大量の写真アルバム。貴重な作業でした。)

ライフスタイル本のような、エッセイ本のような、インディペンデントマガジンのような、ユニークな本になりました。後日のお知らせをお楽しみに。

その後も、遊び論に関する本や、雑誌、アートブック、絵本など、自由に企画していきます。

2、【WEB】パブリッシング
SNS、note、さまざななプラットフォームを活用しながら、WEBコンテンツを企画します。こちらはまだまだ準備中。ケイコがなにやら動き出しそうな予感です。

もっと先の未来にイメージしていることもいくつかあるのですが、それは追い追いお伝えしていくとして、まずは「遊と暇」旗揚げのご報告でした。

主な告知はInstagramでしていきます。Follow us!


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