ライフスタイルホテルは何故レコードプレーヤーを置くのか?
こんにちは。THE BOLY OSAKAの間宮です。
ホテルコンテンツとして目にする機会が多くなった「レコード」について考えたいと思います。
・はじめに
・レコードプレーヤーを置いているホテル
・レコードプレーヤー in the ホテルの歴史
・目的、狙いの推察
---はじめに---
皆さんも最近よく聞くなぁ〜と思われているのではないでしょうか?「客室にレコードプレーヤーが設置されているホテル!」という文言。
「全然興味ないです、うちは置かないです。」的なスタンスを取り続けてますが、まぁぶっちゃけメッチャ気になってるので、色々調べてみました。
---レコードプレーヤーを置いているホテル---
「レコード in the ホテル」の代名詞:HOTEL SHE, OSAKA
日本初?全室にレコードプレーヤーを置いており、「レコード ホテル」で検索するとSHEの情報で埋められる。フロントで好みのレコードを選んで持っていくスタイル。泊まった時カフェスペースに龍崎さんがいました。(話し掛けれなかった。)
ライフスタイル系ホテルの現覇王:TRUNK HOTEL
15室と少ない客室でありながら、付帯施設やウェディングの好調により近年できたホテルで最も収益を上げているホテル。全室ではなくパーティ需要がある部屋にプレーヤーを置いている。ちなみに私が食事に行った時、後ろの席に海老蔵さんがいました。
兜町の麒麟児 : K5
空間作りがとても上手いでお馴染み、バックパッカーズジャパン系の人たちが作り出した、最近もの凄い注目を浴びているホテル。ブルックリンブルワリーの旗艦店が入るなど、ソフトウェア部分もイカツイ。(めちゃくちゃ行きたい。)レコードプレーヤーは全室&ホテルの至る所にある。
その他にも WIRED HOTEL浅草、軽井沢BEB、今月2月にオープンしたワードローブホステルレコードは全室に完備です。
(意外に少ないな....というのが所感。もっとありそうやねんけど...。)
---レコードプレーヤー in the ホテルの歴史---
このアイデアを生み出したのはどこか?
ライフスタイルホテルの金字塔、ACEですよね。多分。
「レコードを置いているホテル」は歴史上あっただろうけど、「レコードを置いているホテルがイケてる」を作り出したのがACE。
もっと言うならば、「ACEがイケてて、そこに一つの要素としてレコードが入っていた」という感じかな。
ちなみにACE(ロンドン)にはレコードだけじゃない、ギターまである。
彼らはこんなことを言っている。
ここは「ソウルフルに生きる」という共通のマインドを持つ個性豊かな人々が集う場。私たちはホテルを新しく作り変えるつもりはありません。
目指すのはいつも新鮮で活気があり、人を大切にするホテルです。
そして様々なアイデアをホテルに盛り込んだ。パブリックスペースの解放、ラフな接客、Free Wi-fi... レコードはその一つに過ぎない。
ACEに刺激を受けた新興ライフスタイルホテルが増加し、それぞれのホテルがより良い体験を作るべく、結果的にレコードプレーヤーを採用したのだろう。これが大元と思う。
しかし私は気になる。
日本のホテルで置くに至った各々のホテルの理由を。狙いを。
そして宿泊者はどう感じるのか...。感じているのか...。
別に意味や理屈なんて無くて全然いい。「あったら良くない?」くらいの考えでいい。だけど、あまりポンポン導入できないのも事実。
・一部の部屋に導入だと「全部屋あると思ってた!」ってなる
・全部屋導入はある程度の金が掛かる。つまり効果を求めたくなる。
・途中で撤去すると「それ目当てで来たのにないんかーい!」ってなる。
・ホテル備品は結構壊れる。(初めて触る人も多いから)
ということで探ります。
---レコードプレーヤーを置く狙い---
HOTEL SHE, OSAKAの場合
龍崎さんのインタビューがヒントになる。
・弁天町というレトロ感のある町との親和性。
・「ジャケ買いされるホテル」を目指したいという想い。
・「体験価値」というトレンドを織り込む狙い。
この辺りが重なり、レコードを置くという選択に至っている。
理屈と感覚が上手く合わさっている。
ただ、数年前に泊まった個人的な感想としては...
「今これ聴きたい気分じゃねぇな... 」というものだった。
まぁ、なかなか難しいよね。その時の気持ちや趣味に合うモノを見つけるって。
但し、これは「28歳男性・ベストアルバムはINU・和太鼓叩き」の個人的な見解だ。USJに近いという点から、ターゲットは若い女性が必然的に多くなる。その主要顧客達はどう感じているんだろう....
ということで、聞いてみた。
BOLYスタッフ:20代前半・クラブカルチャー好きピ・コロナ対策レベル強
...要約すると「いいじゃないっすかー」とのこと。好きな音楽があるかどうかではなく、レコードにアガると。
なるほど。だよね。
他スタッフにも聞いてみたのだが、知らん音楽で良いとのこと。というより、普段聴かないもの触らないものを体験するのはアガると。
つまり、下記の様な作用があるのだろう。
レコードという普段触らないアイテムに気分がアガる
↓
なんでもいいから聴いてみたい!よく分からないけどジャケで好みを選ぶ
↓
気分がアガってる状態で針を落とす
↓
レコードが鳴ったという感動、自分好みのジャケの音楽が好きになる?
↓
インスタに投げる
iTunesとかで探してお気に入りに入れる
↓
帰った後も投稿を見返したり、聴いたらホテルを思い出す
↓
思い出の場所として、心に残る
音楽って一度好きになると簡単には抜けない。その作用は大きい。
また、レコードが置かれているのはライフスタイルホテルと分類されるホテルが多い。
ライフスタイルホテルとは、ラグジュアリーな非日常でもなく、機能的なビジホでもなく、日常と地続きのその地の感覚やトレンドを体験出来るホテルを指す。
レコードと言うメディアは、それを表す一つの装置として優秀なのだろう。
他のホテルはどうだろう。簡単に推測してみた。
ワイヤード浅草
レコードプレーヤーがあることは知らずに宿泊した。昭和歌謡に絞られていた。勿論その土地の空気感に合わせてのセレクトだろう。これにはテンションが上がった。私が昭和歌謡好きだからね。
ワードローブホステルレコード
ジャズを中心にそろえられた1千枚のレコードを置いているそう。ジャズ好きは嬉しいこと間違いない。もの凄い分かりやすい。物量が多い場合はオーナーの趣味、もしくは母体がレコード屋の場合が多い。
TRUNK HOTEL
パーティ可能な部屋に設置と言うことで、まぁ...それ様か。トレンド感の意識とACEリスペクトも強そう。
---覚えておいて欲しいこと---
BOLYにはレコードはないけど、風呂で音楽が聴けます。
Panasonicの最新バスシステム「i-X」を全室に搭載!
Bluetoothにアプリ無しで接続して、好きな音楽を流せます!
爆音でシャワー浴びるの超気持ちいいよ!
部屋で音楽も聴きたい...?
レジデンスタイプ(高価格帯の部屋)ではガラス製のスピーカー「exponential」があります!
反響が効いたジェントルな音が響きます。
※「高価&置き場所が無い」為、他の部屋には置いていませんのでご注意を。
---終わりに---
BOLYにレコードを入れるといのは考えたコトなかったけど、「旅先で新しいものを見つけられる」っていいですね...ワイヤードみたいに「その地ならでは」ってのは更にいいなと。
実は開業当初、ラジオを入れる案がありました。
電源をONにしたら関西人の心音とも言える「FM802」が流れるようにセットしてね。やろかなー。
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長文は疲れるのでラフになってしまいました。
ご容赦ください。
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