クラシック音楽ベスト10を選んでみた

大好きなクラシック音楽とその演奏のうち、ベスト10を選んでみた。

同じ曲でも、指揮者やオーケストラで全く魅力が異なるクラシック音楽。しかし今回は曲や作曲家の重複はなしで選びました。色々紹介したいから。おすすめの指揮者/オーケストラも合わせて紹介します。

選んでから気がついたけど、ドイツ・オーストリア系が多いな。

第1位 マーラー 交響曲第9番

レナード・バーンスタイン指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

とにかくすごい。素晴らしい完成度だ。言葉だけでは語れない。ここで表現されているのは、マーラーの人生か、あるいはバーンスタインの人生なのか。死への恐怖、生きることへの憧れ。

最近は客観的な演奏がトレンドだが、ここまで全ての感情を表現し尽くす演奏は歴史上なく、やはり好きだ。

第1楽章に限って言えば、ジュリーニ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団も素晴らしい。最弱音まで細心の注意を払った、美しさの極地を堪能したいなら、カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団もおすすめだ。変わりどころでいえば、シェルヘンも近代音楽を思わせて、いいだろう。


第2位 バッハ マタイ受難曲

カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団

人類の宝。私は特に宗教的信仰は持たないが、心が洗われるとはこういうことか、と感動を覚えた。

神々しく、厳格で、苦悩があり、嘆き、悲しみ、それでも輝きに満ちている。人生とはこういうものだろう。人生を考える。音楽でここまで心が動かされるとは。初めてこの演奏を聴いた時の感動は忘れられないだろう。


第3位 ベートーヴェン  交響曲第9番「合唱つき」

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/バイロイト祝祭管弦楽団

録音が悪すぎる、演奏スタイルが古臭い。そういった批判もあるだろうが、やはり同曲定番の演奏である。ゆったりと美しい第三楽章、低音パートから徐々に形作られ歓喜の歌が現れる瞬間の充実度、見事なアッチェランドで感動のフィナーレ。人生は素晴らしいと思わせる、この曲の演奏である。同指揮者ではルツェルン祝祭管弦楽団との演奏も素晴らしい。録音状況も良いので、そちらの版を推す声もあるかもしれない。

パーボ・ヤルヴィ、テンシュテット、カラヤン、、他にも素晴らしい指揮者による演奏が無数にあることが、この曲の偉大さを示す。


第4位 ブラームス 交響曲第4番

カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

迷った。フルトヴェングラーと非常に迷ったが、スタイリッシュで天才的なこちらをとる。ブラームスといえば、哀愁や老成といったものを思い起こさせるが、そのイメージを振り切り、颯爽と走り抜ける演奏だ。クライバーの指揮姿はカッコ良すぎる。この人のコンサート映像を見て、指揮者によって音楽がコントロールされているのを実感した。

クライバー、フルトヴェングラー以外であれば、チェリビダッケ/シュツットガルト放送響もおすすめだ。


第5位 チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」

セルジュ・チェリビダッケ指揮/ミラノRAI交響楽団

某ブログで紹介されていて購入した。正直この曲は、各楽章で統一感がないと感じていた。しかし、チェリの演奏を聴いて、一つの意思で統一された曲であることが確認できた。オーケストラの技術レベルは高くはない。チェリビダッケが全てを解決し、説明している。


第6位 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」

エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

90年代以降の交響曲では一番キャッチーな曲ではなかろうか。わかりやすい。暗から明へ。終わり良ければそれでよし。伝統的クラシックに回帰した素晴らしい曲だ。

しかし、ショスタコーヴィチがあの時代に置かれていた境遇を考えると、そのように単純に観賞して良いのかはわからない。プラウダ批判からの復活劇。死の恐怖と戦っていただろう。やはり、単純な曲ではないのだ。そして、ムラヴィンスキーの指揮。極限まで統率された、一糸乱れぬ演奏だ。

ちなみに、Amazonのレビューに素晴らしいコメントがある。この曲・この演奏の全てを表現しているから、是非見て欲しい。「そうではない。そうではないのだ。」


第7位 シューマン 幻想曲

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

晴天の草原を思い起こさせる、シューマンの幻想曲。特に第2楽章。背筋を伸ばしたいときは間違い無くこの曲を聴く。

自由奔放なアルゲリッチ、この曲に私が持つイメージがぴったりなのかもしれない。本当に自然に前向きになれる。「私が音楽よ。」彼女はそう言っている。全く正しいだ。

他には、リヒテル、内田光子も素晴らしい演奏をする。


第8位 ブルックナー 交響曲第8番

リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

この曲も、人間の想像を超えた曲だ。巨大な自然の構築物。第3楽章では、森林を抜け、その先に何が見えるか。シャイーはこの曲を自然体で表現する。純粋に、曲単体の美しさ、強さを感じることができるだろう。それに完全についていくコンセルトヘボウも、さすがだ。ビロードの弦はやはりこの上なく魅力的だ。

クナッパーツブッシュも歴史に名を残す名演奏をしている。巨大な自然の構築物が、さらなる広がりをもって姿を現す。一度聴くとしばらくは聴けなくなる、それほどまでに巨大な演奏だ。第4楽章に注目したいなら、ハイティンク/シカゴ交響楽団もおすすめだ。さすがにスーパーオーケストラである。


第9位 ショパン 夜想曲

サンソン・フランソワ(ピアノ)

スタンダードな演奏ではないだろう。ここまで官能的な第2番は聴いたことがない。途中何かが乗り移ったかのように、おそろしく繊細で緊張感に満ちた時間が訪れる。初めて聴いたときは本当に怖かった。

8番、13番も素晴らしく、能力・気力ともに充実していたショパンの傑作をもって、その才能を堪能できる。

この曲はたくさんの素晴らしい演奏があるから迷う。ルービンシュタイン、アシュケナージ、ピリスあたりも当然に素晴らしい。


第10位 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

ワイセンベルク(ピアノ) カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

第1楽章冒頭の和音。それを聴くだけで、ロシアの厳寒が想起される。とてつもない曲だ。第1楽章でピアノ独奏が主張しすぎない、この演奏が一番良い。同楽章では、中間部から猛然と盛り上がりを見せ、世界が壊れるような感覚に襲われる。一転、第2楽章は美しいピアノの旋律を堪能できる。ロシア音楽はなぜこんなにも美しいのか。


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元エンジニアの弁護士です。72期。 学んだことのアウトプット、シェアを目的にしてます。 あと、趣味についても書きたい。 エンジニア業、弁護士業を両立したいな。
コメント (2)
このブログ大変興味深く拝見させていただきました。
私がマーラーを好きになったのは高校生の頃で初めて一番を聴き全くピンと来なかった記憶があります。(一番から聴くと多くの人はマーラー像を見失ってしまうのではないでしょうか) 彼の音楽の多層性とエゴイズム、醜悪を描くスタンスは自分にとって非常に新鮮で夢中になりました。そのように順番に聴いていくと9番の4楽章は彼の最高傑作だと言う噂が耳に入っていきました。どんな音楽なんだろうかと期待に胸を踊らせながら(ひょっとするとものすごい大音響のスペクタクルでも想像していたのでしょうか?)聴くと全くその印象は違ったものでした。どうでしょうか。言葉には表せないことを御理解ください。その無駄を一切省いた彼のおそらく最も内省的で全てを語っているかのような、成る程これが最高傑作たる所以なんだと、これは自分の人生で最も重要な曲の一つだと思わされました。彼のこの曲を自分に落とし込むことはある種自分の音楽との関わりかたを考えることだと思っております。
こんな感覚はは自分だけかとおもっていたところこのような記事を拝見しコメントを書かせて頂きました。
jeanさん
コメントありがとうございます。
9番は、第一楽章から第三楽章でマーラーの人生の起承転結を表現していて、それを内省的に振り返ったときの心情が第四楽章に現れてるように思います。そのときの心情が、バーンスタインの没入とも相まって、素晴らしい演奏になってるなと思ってます。
逆に、シェルヘンの演奏は、第一楽章にマーラーの全てを表現していて残りの楽章は単なる足掻きに過ぎないのであって、バーンスタインのように美しく第四楽章を救ってしまうのは解釈として誤っているという解説もあり、それはそれで面白い解釈だと思いました。
第一楽章の捉え方が、この曲の捉え方に関わり、また音楽との関わり方の考えにも影響があるかもしれませんね。
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