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データ解析

あの頃に戻りたい
そう呟いて
世の中に
いる振りをした

別に何とも
思ってない
スルリと抜けた間から
風を時々浴びる

誰がいようと
いまいと
風の通り道が
夜のデータ解析を行う
それだけが
整列する
朝日を呼んだ

影は伸びていくだろう?
積み重ねた時間
生きていた
見えるかい?

鏡のない世界で
窒息しながら
混沌を生き抜いた
無意味に
報酬を

見えるかい?
生きていたんだ
眠れなくとも

夢から覚めて
ガッカリした朝も
夜道の新聞配達に
揺りかごの
面影を見ても

電子空間に
溺れた
夥しい数の日数も

恋はいつも
すれ違う
カッターナイフな
旋律を響かそうとも

ヒーローを夢見ても
届かない距離の
計算を途中で
投げ出しても

届いた地平線の向こうから
太陽は昇り
龍の神様になって
誰かの願いを
叶えてくれる

幾千の
パラレルが交差する
僕の胸の中に
いつかみんな
還っていくんだと

どうしようもなく
信じている

眠れない夜の
王様

ここは
宇宙の中心です

やはり
すべては
あなたに落ちて
降り注いでいます──

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