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掌編2021

332
365篇、書けたらいいな。
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2021年3月の記事一覧

冷血

夜中といってもいい時刻だった。 いつからか酷い雨が降りだしていた。閉め忘れていたカーテン…

たつきち
3年前
2

浜辺のメリーゴーランド

砂浜の上のメリーゴーランドの写真を初めて見たのは小5の夏休み。 祖父母の家にひとりで泊ま…

たつきち
3年前
2

黒い絵

キャンバスを黒く塗り潰しただけに見える絵が白い壁に掛かっている。入り口以外の三方の壁にそ…

たつきち
3年前
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海月の記憶 2

海月の夢を見た。 水槽の中でたゆたっている。 その海月は自分だった。 水槽の向こうに誰かが…

たつきち
3年前

海月の記憶

大きな水槽の前に立つ。 水槽の中には海月。 大きな水槽は3つに区切られていてそれぞれに別々…

たつきち
3年前
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鋏とリボンと金糸雀と

プレゼントについていたリボンを鋏に結びつけて目印にする。 どの部屋にも鋏を置いている。 キ…

たつきち
3年前
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雪崩に注意してください

スマホの天気予報のアプリ。 ひとつ、どうもおかしいところがある。 最初は気にならなかったが、本当に『ここ』の座標と合っている?という「ひと言」が出る。 今も「雪崩に注意してください」 確かに北国だけど、雪はほとんど降らない。今もどこにも雪はないのに「寒暖差から雪崩には充分注意してください」 天気予報自体はなかなかの高確率で的中するも、このひと言だけは時々「それはどこ?」となることがある。 同じアプリを入れている友人に話をしたが、そんなひと言はないという。 お互いの画面を見せ合

人体標本

彼はじっとそれを見ていた。 大きな瞳が瞬きもせず魅入っている。 ケースに収められ、展示され…

たつきち
3年前
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桜染め

天野先生は草木染めをなさる。もともと化学の先生で、最初は化学的興味から草木染めを始められ…

たつきち
3年前
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腕ください幽霊

小学2年の時だった。風邪をひいて3日学校を休んで、ようやく登校した朝。教室に入るや否や同…

たつきち
3年前

モナ・リザと月の夜

昔、モナリザを見たことがある。 たくさんの人の頭越しだったが、モナリザはそこにいる人全て…

たつきち
3年前
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暗い夏とこぐまのミーシャ

何の話からそうなったのかは覚えてないけれども、母に夏休みの思い出を訊ねたことがあった。 …

たつきち
3年前
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僕の中の

僕の予想は大抵外れる。 雨が降るかどうか?何も気にせず天気予報の通りに思っていると天気予…

たつきち
3年前

「凪」の店

「渚」にしようか「凪」にしようか?ショップの名前を悩んで悩んで「凪」にしたのは、単純にここが海の近くでなかったから。 セレクトショップは古着とかユース家具とか、写真集も置いているし、ハンドクラフトのアクセサリーもある。 三日月ビルヂング1階にあるショップの中は、壁も床も天井も丸木材を使ったログハウスか海の家を思わせる。店長は30代の男性。痩せているがきちんと体を鍛えているようで、動きはしなやかだった。 笑うと目がなくなるのはそのまま人柄を表していて。客もスタッフも「ナギさん」