多彩なる「自販機」の世界
column vol.943
改めて街を眺めていると、「こんなものが!?」というものが自動販売機で売られたりして驚くことがあります。
ラーメンなどは当たり前。
昨日は「ホルモン」を売っている機械を見つけるなど、まさに自販機の百花繚乱時代です。
ちなみに、私の英会話講師でフォトグラファーのローレンスが、かつてラーメンの自動販売機をYouTubeで紹介していました。
〈YouTube / Gaijin & Tonic〉
それもそのはず、日本には約400万台(21年時点)自販機があります。
世界一はアメリカの約645万台なのですが、口や国土面積を勘案すれば、実質的な普及率では日本が1位と言えるのです。
その内、5割が飲料。
残り半分は、多種多様な自販機で構成されています。
ということで、本日は最近気になった自販機を3つほど、ご紹介させていただきたいと思います。
「子育て世代」のお役立ち自販機
トップバッターは「おむつの自販機」。
今、子育て世代の間で「便利!」と話題になっているのです。
〈Walker plus / 2023年2月24日〉
この自動販売機を展開しているのは、皆さんにお馴染みの飲料メーカー・ダイドードリンコ。
「子育て世代が気軽に外出できる世の中にしたい」と2019年から設置している「ベビー用 紙おむつ自販機」は、昨年、40都府県で計350台を突破しています。
中の商品は、大王製紙のベビー用の紙おむつ「グーンプラス 肌快適設計パンツ(2枚入り)」と、「グーン 肌にやさしいおしりふき(70枚入り)」。
そしてその隣には、ダイドーオリジナルのお茶を始め、紅茶飲料やスポーツドリンク、果実野菜飲料が販売されているのです。
つまり、紙おむつと飲料のコラボ。
しかも、紙おむつと飲料の搬出口は別々で設けられており、一部自販機にはにおいが漏れないおむつ専用の消臭袋が備わるなど、企業側の配慮が施されています。
この自動販売機を実際に利用した方からは
といった声が寄せられているそうです。
現在は、サービスエリアや道の駅、商業施設での設置がメインですが、今後は子育て世代が利用するさまざまな場所への展開を考えていらっしゃるそうで、目標は2026年までに全国500台。
今後はおむつだけではなく、「突然の不足」をサポートする自販機が世の中に広がっていくに違いないでしょう。
購入だけではない「楽しみ」をプラス
続いて、注目したのは「文具」の自販機です。
文具メーカーのコクヨが今年1月、羽田エアポートガーデン内に直営店「コクヨドアーズ」をオープン。
店内にIoT自動販売機が設置され、文具の新しい購買体験を提供しているのです。
〈AXIS Web Magazine / 2023年1月30日〉
まず、一般的な自販機との違いは、ペットボトルなどの飲料品のように形状やサイズにとらわれず、幅広いラインナップの文具が販売できること。
バラエティ豊かなので目にも楽しい自販機となっています。
そしてコミュニケーションとして、デジタルサイネージと大型のタッチパネル液晶を搭載しているので、リアルな端末でありながらECサイトのように、見た目だけでは伝わりにくい文具の魅力を画像や動画で分かりやすく伝えてくれます。
第1弾として7種類の商品がラインアップ。
国内外で人気のある文具を詰め込んだ「スペシャルボックス」や、用途に応じて多様な進化を遂げてきたテープのりなどの新旧製品を楽しむことができる「マニアセット」。
そして、何が出てくるかわからない「シークレットセット」など、文具好きにはたまらない組み合わせを販売しています。
商品はオリジナルの紙袋に入っていて、出てくるまでの待ち時間にも動画演出が用意されているそうです。
IoT自販機なので、無人であっても低オペレーションで購入者との接点を創出。
ただ買ってもらうだけではない、新たなファンづくりを行う自販機という点が非常に面白いと感じました。
自販機の「食の多様性」が凄い
最後はこの記事を書くきっかけとなった「食の自販機」についてです。
先ほど「ホルモン自販機」に驚いたという話をしましたが、もっとレアな自販機をご紹介したいと思います。
それは「昆虫食の自販機」です…(驚)
〈朝日新聞デジタル / 2023年2月10日〉
自動車販売店の千葉スズキ販売が、コオロギやサソリ、バッタ、蚕の幼虫などの昆虫食の販売を実施。
これは、次世代の食材として注目される昆虫食を通して環境に配慮する姿勢をアピールすることが目的のようで、店舗外に24時間買える自販機を設置したのです。
…一部の社員には不人気とのことですが……、、、
少しずつ売れているそうですよ…!
商品の顔ぶれはというと、コオロギ(7g、税込800円)やミニサソリ(0.5g、税込1300円)、バッタミックス(15g、税込1400円)などなど。
バレンタインの時は、蚕の幼虫をチョコレートでコーティングした「チョコシルクワーム」(限定100個、税込1200円)を販売…
(…名前は凄く美味しそう……汗)
世の中的に義理チョコ文化は縮小していますが、もしかしたら虫チョコが新しいコミュニケーションのきっかけになったかもしれませんね…
ただ、昆虫食ファンの存在はよく聞きますし、今後人口爆発による食糧難時代の到来を予想する専門家もいらっしゃいますので、この分野はますます注目が集まるでしょう。
ということで、多様化する自販機の実態を少しは感じていただけたでしょうか?
皆さんは飲料以外で、どんな販売機が家のすぐ近くにあったらテンションが上がりますか?
私は朝からちょくちょく考えてみたのですが、正直今のところ「アイスクリーム」の自販機しか思い浮かびません…(普通…)
…何か画期的な自販機が思い付いたら…、また自販機ネタを記事で書きたいと思います…
その時をぜひお楽しみに(?)お待ちくださいませ!
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