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「聞く」より大事な雑談力

column vol.295

『超一流の雑談力』の著者で有名な安田正さんの記事を読んでいたら、ドキッとさせられた一言に出会いました。

自分を気に入ってくれるのは会社ではなく“人”

〈PRESIDENT Online / 2021年5月5日〉

確かにおっしゃる通りです。コロナとの戦いで新規開拓が求められている方も多いとは思いますので、安田さんの知恵に私なりの経験談を絡めながら、「雑談力」についてお話ししたいと思います。

「聞く」の向こう側

よく会話は「話すことより、聞くことの方が大事」と言われます。

とはいえ、そのことが一般的になり過ぎて、「あっ、この人、ただ話聞いているだけだな…」と思われてしまうと元も子もありません…。

時に私も営業をかけられることがありますが、話を振るだけ振って、心ここにあらずな相槌を見てしまうと、自分の話を適度に切り上げてしまいます…(汗)。

ここで重要なのは「話を聞く」という行為よりも、相手に「興味を持つ」といったマインドだと思います。

自分の土俵に引き寄せる

もちろん、興味を持てない話もあります。

安田さんはリアクションの真髄は落語にあると、名人の話芸から学ぶことをオススメされていますが、確かに聞き方1つでも心が込もっているように見られれば、相手は嬉しいかもしれません。

とはいえ、なかなかリアクションの技術だけ磨くのも大変です…。そこで、加えてオススメしたいのが「自分の土俵に引き寄せる」ことです。

例えば、美容にとても興味関心をもっている女性クライアントがいらっしゃるとします。

美容テーマで雑談を展開しようと思い、「私も40半ばになってきて、最近肌がバサバサなんですよね〜」と話したとします。

ただ、その話にのっていただき「男性のケアコスメでオススメなのが〜」とアドバイスをいただいたとしても、コスメの知識がそんなに無い質問も浮かばず話が続きません。

そこで、もしも自分が食への知識と興味があるなら、美→コスメ→食事という風に話を展開していきます。

美に興味関心のある方なら食事にも気を使われていることが多いので

「一般的には○○○が○○○に良いと聞いたんですけど、そうなんですか?」「ひょっとして、それって○○○にも良い影響が与えられるんじゃないですか?」と、質問の質が上がり、かつ多彩になるので、会話が途切れません。

いかに相手と自分の接点に会話をもっていくかが雑談の醍醐味だと感じます。

雑談の「最大公約数」を知る

そして、安田さんはなるべく交友の輪を広げることをオススメしています。

いつも同じメンバーで話していると確かにある意味会話が楽になってしまいます。知らない(慣れていない)メンバーで集まった時に、どう共通の話題を見つけられるか。ここがポイントになります。

こういった場面で率先して雑談の「最大公約数(みんなが楽しめる話題)」を見つける努力をすることも、雑談力を磨く良いトレーニングですね。

もちろん、いつものメンバーでも雑談力を鍛えることができます。

私が課しているのが「悪口を言わない」です。

趣味で集まるメンバーならいくらでも話は尽きませんが、そうでなければ比較的内部(人間関係)の話になりやすくなります。

しかし、あえてそういった話に陥らないようにするには、いつものメンバーたちの最新情報にアンテナを張るようになります。この話題探しが好循環を生みます。

悪口を言わなくてよい上に、本人が知っていて欲しい情報(話したい話題)を話せば、仲間との関係もより良くなりますし、良い事づくめです。

雑談力が60歳からの自分を救う?

安田さんは外に向かって輪を広げることが人間関係におけるを生み出し、を引き寄せると話されています。

そして、どうやら60歳を超える頃から「人生はがらっと変わる」そうです。

「いま、わたしは67歳です。若い人が走らなければならないレールから外れ、ある程度、自由な身になっています。すると、「こういうビジネスの話があるんだけど」「うちの会社の役員になってくれないか」といった話が次々にやってくるのです。その出どころはどこかといえば、やっぱり雑談を通して知り合った友人たちですよね」

なるほど、ありがたい先達の教えです。

私も雑談力を磨きながら、外へ外へと輪を広げていきたいと思えた安田さんのお言葉でした。

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