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未来に導く「捨てない」選択

column vol.454

10月16日は「世界食料デー」。そして、30日は「食品ロス削減の日」と10月後半は食のエシカルムーブメントが盛んな時期。

日本でも16日から30日まで、食のあり方を考えるイベント「東京ハーヴェスト2021」が開催されています。

〈HUFFPOST / 2021年10月15日〉

今年のテーマは「#捨てないを始める」

持続可能な食料システムへの転換が課題となっている中、フードロス削減に取り組む機会を提供しています。

確かに「捨てない」選択は世界各地に広がっている。

まずは一例としてイギリスの話題をご紹介いたします。

フードロスを生まない小売店


ロンドン中心部から東に車で30分ほど走った場所にある町、グリニッジ

そこで小売店を営むヴィトゥテ・ヴィスカッチカイタさんは、全て“量り売り”であることにこだわっています。

〈NHK /2021年9月16日〉

必要なものがあればその分だけ買う。

これはプラスチックのゴミを出さないとともにフードロスの軽減にも繋がっています。

こうした店は、現地で「ゼロ・ウェイストショップ=ごみゼロ」の店と呼ばれ、各地に拡大。

インターネット上にはゼロ・ウェイストショップ各店のオーナーが登録して作る地図があり、その数はイギリス全土で371店舗にのぼるそうです。

この熱は、大手スーパーにも広がり始めており、イギリス国内で300以上の店舗を展開する「ウェイトローズ」は、大学の街オックスフォードの店でドライフルーツや紅茶などの量り売り方式を試験的に導入

11週間でプラスチック容器を83%削減できたといい、会社は量り売りをする店を4店舗に拡大しているとのこと。

量り売りの転換は、プラスチックゴミ&フードロス問題の解決に繋がるだけではなく、商品を安く購入できるメリットもあります。

今後この流れはスタンダードになっていく可能性を感じますね。

“ゼロ・ウェイスト”を掲げる日本のスーパー

日本でもこのような取り組みは最近よく見られます。

特に最近注目されているが、京都のスーパー「斗々屋(ととや)」ではないでしょうか?

〈TokyoFM+ / 2021年9月16日〉

ゴミを出さない「ゼロ・ウェイスト」を宣言しています。

扱っているのは、野菜や果物、小麦粉にパスタ、調味料、日用品など700種類以上。

容器を持ち込み、量り売りで買えるため、余計な包装材なども使われることがありません。

そして、レストランを併設しているのがミソです。

鮮度が落ちた野菜を、夕方になるとその場で加工して食事を提供するだけでなく、調理の際にどうしても出てしまう野菜の皮やヘタは、出汁として活用

さらに、最後は堆肥として土に戻すという徹底した取り組みを行なっています。

同店広報担当のノイハウス萌菜さんはこのように話しています。

「やっぱり食や買い物って、日々するものですよね。そのときにどういう選択をするかって、今後、どのような商品やお店を未来へ残したいかという“投票”のようなものだと思うんです」

今後の消費を牽引するミレニアム世代Z世代SDGsへの意識が高いことから、徹底的に「捨てない」哲学はますます支持を集めるでしょう。

規格外の野菜が新たな食材に

最後は加工食品の話題です。

株式会社アイルは、捨てられるはずの規格外野菜を使用した万能野菜シート「ベジート」を販売。

ちなみに、ベジートは海苔の技術を応用し、野菜の旨味栄養素を凝縮してシートにした食品のことです。

〈AXIS / 2021年10月14日〉

野菜寒天だけで作られており、食物繊維が豊富で、化学調味料不使用にも関わらず2~5年も常温保存できるそうです。

アレルゲン28品目不使用ビーガン対応離乳食介護食にも使えるそうで、同じg数を摂取した場合、ニンジン味は通常のニンジンを食べるよりも食物繊維を16倍も摂取可能とのこと。

何だか、近未来映画に出てきそうなスーパー食材ですね。

現状、まだ食べられるもののうち、廃棄されている年間量は、日本では1人当たりお茶碗1杯分が毎日捨てられている換算になります。

さまざまな取り組みが合わさって、ゼロ・ウェイストの取り組みはどれだけ発展できるか。

非常にアツいトピックスが次々と生まれているので、今後もちょこちょこ紹介したいと思います。

それではまた。次回もぜひご覧くださいませ。

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