「最高の成功とは?」と考えてみた
column vol.856
最近、「FIRE卒業」がSNSでトレンド入りしたことが話題になりましたね。
〈テレビ朝日 / 2022年11月9日〉
「FIRE」とは「Financial Independence, Retire Early」。
つまり、経済的自立をして、早期リタイアすることです。
働かなくても投資が生む利益で自由に暮らそうと、2014年にアメリカで火がつき、日本では2020年にポピュラーになった言葉ですが、一体どういうことなのでしょう?
「FIRE卒業」の原因とは何か?
「FIRE卒業」の原因は2つ。
1つは、「インフレ」と「金融相場下落」です。
テレビ朝日の取材でもこんな声が紹介されていました。
この女性は600万円以上あった資産が半分以下になってしまったとのこと。
そして、インフレもそうですね。
リタイア時に1ヵ月30万円で生活できたとしても、その後の物価高で40万円かかるようになれば、前提条件が大幅に狂います。
とうことで、今の時期は「FIRE生活」はしづらいのかもしれません。
一方で、もう1つの原因になっているのが「暇と退屈」です。
非営利型一般社団法人 お金のソムリエ協会会長の坂下仁さんは、ダイヤモンドオンラインの記事の中で、このようにお話しされています。
〈DIAMOND online / 2022年12月3日〉
なるほど…経験者のお言葉は胸に響きます…。
宝くじ「理想の当選金額」とは?
私も、昔は「FIRE」に憧れていました。
(全くその算段はついていませんでしたが…)
よく「宝くじで3億当たったら」などなど、突然お金持ちになることを夢見ていたことを思い出します(笑)
しかし、10年以上前、妻に言われた一言がきっかけで徐々に想いが変わり始めます。
妻に「宝くじ、3億当たったらどうする?」と聞くと、数秒考えた後「いや、1000万円がちょうど良いかな」と答えたのです。
500万円は家の頭金。後は貯金。
3億円を一気に手にしてしまうと「人生に緊張感が無くなる」ということが理由でした。
その時は「変わっている人だな…」と思っていましたが、今は何となく理解ができるようになりました。
ちなみに、坂下さんによると、FIREのデメリットは他にもあるようで
老化も進んでしまう可能性もあるようです…
やはり、「生きがい」が必要だということですね。
「生きがい」の最高峰とは?
ですから、もしかしたら、仮に大金を手にしたところとて、何か打ち込むことが必要なのではないかと感じています。
では、生きがいとは何なのか?
1つは達成感でしょう。
しかし、達成感とは達成すればするほど、上の目標が必要になるので、達成すればするほど苦しくなります。
例えば、売上を目標にした場合、今年は1億、来年は5億、再来年は逆に2,000万円…というわけにはいかないでしょう。
つまり、達成感を目標にすると「苦しくなる」。
これは趣味でも同じです。
マラソンも最初は「完走」が目標、次は「サブ4(4時間切り)」と目標を高めていけばいくほど辛くなります。
私も大会に出場していた時は、土日で合わせて50kmぐらい走る時もあったので、その時は、靴を履くにもタメ息が出て、走っていても「オレ、何やっているんだろう…」と時々、思い悩むことがありました。
では、他の生きがいを考えてみます。
「評価と感謝」です。
最近は、第一の報酬(金銭)、第二の報酬(地位)に次ぐ、第三の報酬として「感情報酬」に注目が集まっています。
マズローが6段階目(最上位)の欲求に「自己超越欲求」を挙げているように、人は誰かに貢献をして「評価」「感謝」を与えられるほど嬉しいものはない。
私も誰かに必要とされるほど幸せを感じることはないと思っています。
仕事における「最高の成功」とは
もちろん、ボランティアでも得られるでしょう。
しかし、最近仕事をしていて「私にお金を払ってでも仕事を頼んでいただき、喜んでくださる」ことって、こんなに幸せなことはないのではないかと思うようになりました。
そもそも、数多ある会社、数多いるマーケターの中で私を選んでいただいたことすら奇跡だと感じるのです。
一方、お金を払って尚「ありがとう」と感謝を示していただくことって、生半可では得られません。
結果、手を抜けませんし、苦しいわけです。
つまり、大金を手にして好きな仕事をやるとなっても、結局は「達成」や「評価(感謝)」を得ようとすれば苦しさに直面します。
趣味のマラソンですら、そうだったのですから…(汗)
結局、大金を手にして楽に生きようとしても「暇と退屈」という苦しみが待っているわけで…、であれば、今のところは「人の役に立てる幸せ」を噛み締めながら前向きに仕事に取り組めるマインドこそが仕事における「究極の成功」なのではと感じています。
生きがいとは、苦しさを伴いながらも、感謝の気持ちを忘れないこと。
そういう結論です。
〜と、まぁまぁ、これから先、大金を手にできそうにない男の単なる負け惜しみなのかもしれませんけど(笑)
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