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つなぐ〔本科第4回課題〕

10月からシナリオチャレンジは通信講座の本科に進級しています。
そしてひそかに目標としていた、10月中に4本書きあげるというのを達成しました!
昨日(10/31)投函したのでギリギリですが、週に1本のペースで20枚シナリオを4回続けられたことが純粋に嬉しいです。

課題のシナリオは添削前のものを現在全て公開しています。
基礎科12課題(今年の1〜7月に書いたもの)
→ 本科1:あの頃みたいに
→ 本科2:Cマイナーの恋の歌
→ 本科3:天才ハカセの発明

通信教育なので、他の方が書いたシナリオも読める月刊誌が送られてくるのですが、今回の課題を作っているときに、受講生の方が書かれた文章を読んでびっくり。

「20枚シナリオは、最後まで書かなくていいので楽しくかけます」

みたいなことが書いてあったのです…!えええーー!
私はてっきり、課題が20枚なのは、限られた枚数で要約したストーリーを書く練習をするのかなと思っていたので、「完結させなくてもいいの?!」と衝撃が。
おそらくそこまで厳密に方針があるわけではなく、書く力を伸ばそうってことで、20枚くらいがちょうどいいってことなんだと思うのですが。

というわけで、完結させなくても良いのだと知ってちょっと肩の力が抜けたというか、今回はターニングポイントとかたくさん詰め込むことを考えずにお話を作ってみました。
前3本はたくさん詰め込みたくてしょうがなくて、ト書きがぎちぎちになっていた感もあったので、少しゆるくつなげてみようと思って。

題材や雰囲気的にはゆるくはないと思いますが、色々な書き方に挑戦してみようと思います。


※今回のお話にはストーカーを示唆する描写が出てきます。
ご気分を害される方もいらっしゃるかもしれませんので、ご了承いただいた上で読み進めていただければと存じます。


添削前のシナリオを全文掲載をしていますが、掲載している全ての作品において著作権は放棄していません
引用される場合は引用元を明記(こちらのページ、もしくはツイッターなど)してください。
「映像化したい」と思われた方(ありがとうございます)はご連絡ください。


ねえ、ふりむいてよ

人物
高石岳(18)高校三年生
羽田将真(18)クラス委員
佐々ゆり(18)クラス委員
小野歩(18)3年C組の担任
久我正義(52)教頭先生


○高校・3年C組の教室
窓際一番前の席に佐々ゆり(18)。
高石岳(18)はその右斜め3列後ろの席からカメラのファインダー越しにゆりを見ている。
羽田将真(18)を含めた生徒は皆席についている。
教壇に小野歩(35)が立っている。
黒板には細かい写真が集まってできたオバマ大統領の顔が貼ってある。
小野「というわけで、文化祭の出し物はモザイクアートで、後はクラス委員の羽田と佐々にやってもらおうかな。写真部も助けてやれよ」
羽田・ゆり(同時に)「はーい」
教壇に向かう羽田とゆり。
ゆりを見ている高石。
小野「写真部。高石」
高石、立ち上がる。
高石「あっ、ハイ」
高石を見てくすくすと笑っているゆり。
ゆりを見て照れる高石。

○高校・コンピューター室(夕方)
パソコンを囲んでいる高石、羽田、ゆり。パソコンの画面に写真のアップロード状況が表示されている。
羽田「高石の写真だけでいま600枚だから、あと1400枚?!」
ゆり「足りなかったら何枚か同じのかぶってもしょうがないよね」
羽田「モザイクアートって結構たくさん写真いるんだな」
ゆり「でも、高石くんいてくれて助かったね」
高石、照れる。
高石「いやあ、役に立ててよかったよ」
ドアが開き、小野が顔をのぞかせる。
小野「そろそろ帰れよ」
羽田・高石(同時に)「はーい」

○高校・廊下(夕方)
歩いている高石、羽田、ゆり。ゆりは模造紙を丸めて持っている。
ゆり「やっぱこれ教室に貼ってきちゃおうかな。明日朝一からみんなに写真貼ってもらいたいし」
羽田「手伝うよ。高石先帰ってて」
高石「おう」
引き返す羽田とゆり。

○高校・3年C組(朝)
教室後方の黒板の前に人だかり。
部屋に入ってくる高石と羽田。
ゆりが高石にぶつかり、出て行く。
高石「…おはよう?」
羽田と高石は人だかりをかき分けて黒板の前に行く。
黒板に磁石で貼られた模造紙に1枚の写真が貼ってある。ゆりと金髪の男性がキスをしている写真。
小野が人だかりをかき分け、黒板の前に立つ。
小野「誰だこんないたずらした奴は。こういう写真はだめだぞー」
写真を外す小野。
小野「みんな席につけ。朝のホームルーム始めるぞ」

○高校・職員室
自席に座っている小野。
デスクの引き出しを開けるとゆりの写真がたくさん入っている。
小野、ゆりのキス写真をそこに投げ入れる。
羽田がノートの束を持ってやって来る。
羽田「先生」
小野、慌てて引き出しを閉める。
小野「おお、ありがとな」
羽田から笑顔でノートを受け取る小野。
閉められた引き出しを見る羽田。

○高校・屋上
菓子パンをほおばっている高石。
羽田が出てくる。
羽田「おい、今朝の犯人わかったぞ」
高石「なんだよいきなり」
羽田「小野先生だよ。さっき職員室で見たんだって。引き出しに佐々の写真がいっぱい入ってんの」
高石「…昨日佐々と一緒に模造紙貼った時は写真なんてなかったって言ってたよな」
羽田「あの時間、先生、学校にいたろ」
高石「先生が佐々のこと」
羽田「ストーカー。犯罪だよ」
考え込む高石。

○高校・3年C組の教室
小野が黒板に文字を書いている。ゆり以外のクラス全員が席についている。
空いたゆりの席を見る高石。
ゆりが入ってくる。
小野「…どうした?大丈夫か」
ゆり「保健室で休んでたら、ちょっと良くなりました」
小野「そうか…無理すんなよ」
席につくゆり。
羽田と顔を見合わす高石。

○高校・コンピューター室(夕方)
パソコンを囲んでいる高石、羽田、ゆり。
高石「本当に大丈夫?体調」
ゆり「うん、もう平気」
羽田「俺たちだけじゃ頼りないもんなあ」
ゆり「そうかも」
笑う三人。
羽田「じゃ、今日の分さっさと終わらそう」
小野が入って来る。
小野「佐々、ちょっと」
ゆり、視線を泳がせながら立ち上がり、小野について部屋を出て行く。
閉まるドア。
顔を見合わせる高石と羽田。
羽田「大丈夫かな、あれ」
高石「追いかけよう」
羽田「え」
高石「俺たちが助けなきゃ」
部屋を出て行く高石。追いかける羽田。

○高校・廊下(夕方)
高石と羽田が走っている。
中庭を挟んだ反対側の教室に小野とゆりが見える。ゆりは泣いている。
高石と羽田、方向を変える。

○高校・3年C組の教室(夕方)
立っている小野とゆり。
ゆり「だって…」
入って来る高石。遅れて羽田が久我正義(52)の腕を引いてくる。
高石「先生、ストーカーだなんて犯罪ですよ。しかも未成年に。警察呼びますよ」
久我「小野先生、君なんてことを」
羽田「佐々、こっちおいで」
ゆり、小野と羽田、高石を順番に見る。
小野「え、いや、誤解です。僕は佐々に」
久我「校長室で話を聞こう。君たちは帰りなさい」
高石、ゆりの腕をつかむ。
ゆり、小野の顔を見る。

○路地(夕方)
歩いている高石、羽田、ゆり。
羽田「まさか教師が犯罪者とはなー」
高石「でも、とりあえず何もなくて良かったよ」
黙り込むゆり。
高石「何もされてないよね?」
ゆり、ゆっくりうなずく。
羽田「明日から大変かもな。テレビの取材とかあるかもしれないし」
羽田、胸のあたりに指で四角を描き、
羽田「この辺写って、声変えて、インタビューだろ?夕方のニュースかな」
笑う羽田と高石。立ち止まるゆり。
高石「あ、ごめん」
ゆり「…先生、捕まっちゃうのかな」
羽野「そりゃ生徒に手だしたら捕まるだろ」
ゆり「もう、会えなくなっちゃうってこと?
ゆり、来た道を走り出す。
高石「佐々!」
ゆりを追いかける高石と羽田。

○高校・校長室(夕方)
対面で座っている小野、久我、スーツ姿の初老の男性。
走って入って来るゆり。
ゆり「ごめんなさい!先生は悪くないんです」
走ってきた高石と羽田が入口で立ち止まる。
ゆりが泣きながら頭を下げる。
ゆり「全部あたしなんです。先生が、全然振り向いてくれないから」

○屋上
座って菓子パンをほおばっている高石と羽田。
羽田「先生の引き出しの写真、佐々が毎朝先生の下駄箱に入れてたんだってさ」
高石「…あのキス写真は?」
羽田「元カレ。気を引きたかったんだって」
寝転がる羽田。
羽田「恋するオンナはこわいなー」
高石、胸ポケットの生徒手帳を出し、挟んであった写真を手に取る。
写真には、教室の自席に座るゆりが幸せそうな顔で黒板の方を見ている。
高石が写真で紙飛行機を折る。
高石「振り向いてほしいって気持ちは、わからなくもないなあ」
高石、紙飛行機をとばす。


おしまい

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