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2020年最新研究版!!筋肥大サプリメント大全②-HMB編-

こんばんは!
先日後輩と食事に行った際に、「〇〇さんって自分(後輩自身)が過去に会ったことがないくらい変わった人ですよ」と言われたんですけど、おそらく褒め言葉ではないのにも関わらず「希少性高いやったー!」と思ってしまうたっちゃんです。(もはやここまで思うと頭がおかしい人だなと思う常日頃ですw)






今日は筋肥大サプリメント大全②なんですが、今回は一時広告にもたくさん上がっていた「HMB」についてです。
前回は、ISSN(国際スポーツ栄養学会)が出している2018年のエビデンスを紹介した後にBCAAの最新研究(エビデンス)を紹介させていただきました。もし読んでいない方はこちらもチェックしてみて下さい!
(2020年最新研究版!!筋肥大サプリメント大全→
まずは、HMBについて少し紹介していきまーす!






●HMBってまずどんなやつ?

HMBの正式名称は「βヒドロキシβメチル酪酸」と言って、主にタンパク質の中の必須アミノ酸に含まれている「ロイシン」の代謝物です!
HMBの効果としては、筋肉のタンパク質合成を促したり、肝機能を高める効果があると言われています。HMBは筋肉のタンパク質を合成を促すmTOR(筋タンパク質を合成し、筋繊維の肥大を促す装置)を活性化し、筋タンパク質の分解も抑制する(つまり筋肉が落ちづらい)ことから、人気急上昇したんですよねー!



文字では分かりづらいと思うのでこんな感じ↓


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※中部大学 応用生物学部 食品栄養学科 下村吉治教授のスライドより引用






次は一時話題を集めた、HMBって今はどうやって言われているの?について最新研究より解説していきますね!






●HMBの最新研究とは?

前回のブログにISSN(国際スポーツ栄養学会)が定めている最新のエビデンス(科学的根拠)レベルを載せましたが、HMBは「エビデンスレベルB」でまだ不明確であると2018年では言われているんですよねー!
最新の研究では若年者、アスリート、高齢者ともに年齢別でも行われているんで分けて話していきますね!




アスリート編

まずはアスリート編ですが、1番最新研究で一番有力なのはこれかなーと思います。




2018年イタリアのカトリック大学が行なったメタ分析では、6つのRCTから193人のアスリートを対象にHMBサプリが筋肥大や除脂肪体重量などを調べたところ、結果としてHMBサプリを補給しても筋肉量の増加や、除脂肪量などに影響がなく効果がなかったことを示唆しています。




アスリートだとどうしても、被験者数が少なくなっちゃうので193人のRCT(ランダム比較試験)からのメタ分析の結果なので、現時点では有力でアスリートには効果がなかったと言われているのが現状ですね!






高齢者編

高齢者もアスリートと同様に被験者がどうしても少なくなってしまうんですけど、2つほどメタ分析があったので見てみると・・・




2015年中国で行われたメタ分析では7つのRCTから65歳以上の男女287名(147人介入群、140人プラセボ群)を対象にしたところ、プラセボ群に比べて介入群より筋量の増加(標準平均差0.352kg:95%信頼区間:0.11、0.594)したが脂肪量の変化はなかったことを示唆している。




最新では・・・




2019年The Journal of Nutrition, health & agingが掲載したメタ分析によると、3つの研究のうち203人のサルコペニア、機能虚弱である高齢者を対象として行われた。結果として、除脂肪体重が増加し、筋肉の強度と機能はHMB補充後も維持されたことを示唆している。研究者のコメントとして、HMBは痩せた筋肉量を改善し、筋肉減少と筋力低下を伴う高齢者の機能を維持すると述べています。





みたいな感じで言われていますね!
アスリートとは反対に健康な高齢者のメタ分析でもサルコペニア(機能低下している高齢者のこと)でのメタ分析でも、筋量増加にもなり、サルコペニアの対象の研究では、機能維持にもなるという結果になってるんで高齢者には今のところ有効そうな気がしますねー!




若年者編 

若年者編では、圧倒的に男性の結果が多いので、女性の人はまだ明確にできないのが現状なんですよねw
ちなみに男性のメタ分析では・・・・




2009年ニュージーランドのマッセー大学が行ったメタ分析では9つの研究から21〜25歳男性394名(トレーニング経験者259名、未経験者135名)を対象にHMBを補給してもらい上半身、下半身、全身のレジスタンストレーニング (以下RT)を3〜7週間行ってもらったところ、結果としてRT未経験者の下半身筋力の向上がわずかであり、RT経験者の効果はほとんどなかったことを示唆した。研究者は、HMBは体組成に対するHMBの影響は重要ではないと述べています。




HMBの効果はトレーニング経験者はあまり効果がなく、トレーニング未経験者にはわずかな効果があると言われていますねー!
また他のメタ分析でも・・・




2019年American Journal of Clinical Nutrition(アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカルニュートリション)が掲載したメタ分析では15件のRCTから2137人を対象に行われた。結果として、HMBによる筋力の増加の効果は小さかった。(SMD:0.31、95%CI:-0.00、0.50)結論として、HMB、およびHMBサプリメントは効果が少なかったものの様々な臨床条件で筋肉量と筋力を増加させたことを示唆している。




この研究ではHMBはわずかだが、筋力と筋肉量の効果があると言われている感じですね!最新研究では・・・




2020年カナダのマクマスター大学が14のRCTから系統的レビューとメタ分析を行ったところ、レジスタンストレーニング(以下RT)中のHMBが総体質量(TBM)のわずかな増加をもたらす可能性があるものの、無脂肪質量(FFM)の増加、脂肪質量(FM)の増加をもたらさないことを示唆した。また研究者は2009年のKraemer WJ、2014年のウィルソンJM再現性がなく、バイアスのリスクがあったと述べています。




最新の研究でも有意性としてはかなり少ないという結論を出していますねー!こう考えると、HMBサプリメントは、アスリートや普段レジスタンストレーニングを行っている人を対象にしている研究ではあまり、有意な筋力増加などはわずかかあまり有意な差が出ていない研究が多いです。また、トレーニング初心者が行うのに対しても大きな有意差はなく、わずかな効果は出ているのが現状かなと思います。






●結論




今日のまとめとして・・・




・HMBはアスリートにはあまり効果がなさそう




・高齢者は脂肪量の変化はないものの、機能維持や筋力向上には飲まないよりかは効果は少しありそう




・若年者は、わずかな筋力の増加こそあるけど絶対使ったほうがいいという根拠はないしお金もかかるので、あまりお勧めはしないですが試してみたいという方は使用してみて下さい




って感じですかねー!
今後も、サプリメント大全はISSNに載っているのはやっていきますが、毎週ではないと思いますので、長い目で見て下さい!
ではでは!