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コロナ禍

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新型コロナウイルスの感染拡大の中、できるだけ誤った情報は流すまいと心がけていますが、これに対する人の心と、教会の対処など、人間の側の話を提言できればと願っています。共にこの時代を…
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命の水の川

命の水の川

ヨハネの黙示録を辿る連続講解説教も、ついに最後の章に辿り着いた。まだもう少し大切なことは待っているが、幻の世界は、とりあえず動きを止めている。大団円はすでに始まっており、血生臭い戦いはすでに終わりを告げている。
 
夏休みは辛いことがある。今年はまだよいほうだったが、日曜日の出勤が強いられることがあるのだ。18日は、その一日であったため、この感動的な説教を、ライブで聴くことはできなかった。ただ、あ

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芸術や文化が与える力

芸術や文化が与える力

『戦争語彙集』という本が出版された。ウクライナで、戦禍の市民の声を詩人が聞きとった言葉が集められたものである。各方面から支持され、話題に上っている。日本語版では、ロバート・キャンベル氏が訳し、2023年12月に岩波書店から刊行された。だが、本の紹介は、いち早くNHKがすでに8月に大きく取り扱っている。
 
いまその本の紹介をしようとするのではない。その中の、ごくわずかな箇所だけに注目してみようと思

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見えざる教会

見えざる教会

聖書を直接読めるということは、古代においては特別な能力の持ち主であっただろう。殆どの人にとって、聖書は「聞く」ものだったと思われる。いまでも、礼拝説教を私たちは「聞く」。
 
音声は、時間と共に一方向に届けられる。絵画と違って、音楽はその芸術性において、どうしても時間性が関わってくる。音声も同様だ。聖書を目で読むとなると、1行前に戻ることもできるが、聞くとなると、そうはいかない。つまりは、ぼーっと

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『不要不急』(新潮新書)

『不要不急』(新潮新書)

著者の名が10人並んでいるので、この場でご紹介する。横田南嶺・細川晋輔・藤田一照・阿純章・ネルケ無方・露の団姫・松島靖朗・白川密成・松本紹圭・南直哉
 
なんだこの表紙は。著者である10人の僧侶の顔写真にも魅力があって購入したが、そのカバーの下に、茶系のグラデーションのデザインの、ふつうの新潮新書のカバーも隠れているではないか。カバーが二つ着けられているのである。
 
サブタイトルが「苦境と向き合

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コロナ禍はまだ顧みる段階ではないが

コロナ禍はまだ顧みる段階ではないが

命に関わる情報なので、迂闊に素人の発言に全幅の信頼を寄せることはご遠慮ください。しかし、本当かどうかご確認戴くことは歓迎したい。
 
2023年5月中旬から、新型コロナウィルス感染症の新規感染者数や死亡者数を発表しなくなった。それは、医療機関に、逐一所定の形式で毎日報告する義務を課さなくなったということである。医療機関は、少し助かっている。但し、それが感染に関して安全になった、ということを意味する

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地域猫のはなし

地域猫のはなし

1年前の恐らく昨日、一匹の猫が命を全うした。小柄だったが、だいぶおばあちゃんだったのだと聞いた。
 
一週間以上、間を空けることがない。私たち夫婦は、猫たちのところに通っている。その直前の休日にも行って、その猫を膝に抱いて撫でていた。まさか、もう会えなくなるなどとは、夢にも思わずに。
 
ささやかだが、猫缶などの餌や、治療費の足しになるかと、寄付を続けている。地域猫のために、ボランティアとして働い

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教会と子どもたち(2)

教会と子どもたち(2)

牧師夫人と呼ばれる立場の人がいる。男性牧師の妻である。昔はステレオタイプにそういう人がいて、牧師夫人という呼び方が当たり前のように使われていた。いまでも当たり前ではないか、と思う人がいるかもしれない。特に、女性を牧師としてはならないとするグループからすれば、半ば常識であろう。
 
牧師には給与が出る。謝礼と呼ぼうと、給与である。教会への献金の中から一定の額が与えられる。最近は信徒が減り、また高齢化

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『目的への抵抗』(國分功一郎・新潮新書)

『目的への抵抗』(國分功一郎・新潮新書)

中動態の話からこの著者の本に触れ、その見るアングルが楽しく、また説き聞かせる口調が読みやすいせいもあり、何冊か拝読してきた。その中動態が責任とつながるという切り口は、とてもフレッシュであり、かつ考えさせられた。この著者により、新たにまた新書という手軽に入手できる本が発行されたので、すぐに読みたいと思った。
 
よく見ると「シリーズ哲学講話」とあるので、また続きが出てくることを期待しているが、さしあ

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TOKYO MER

TOKYO MER

劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』を観てきた。医療従事者の妻がどうしても見たかったということで、連れられて行ったのだ。テレビドラマの劇場版だというが、私は見ていないので、予備知識ゼロで鑑賞した。
 
最初から私は泣き通しだった。いきなり、緊迫感の中で救急救命のチームが事故現場に飛び込むのだが、意識のない負傷者に対して、冷静に語りかける、そのシーンからだ。分かっている。医療従事者はそうす

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神の存在について

神の存在について

ある論文集的雑誌で、教育関係の発言があった。現場の理不尽さを訴えるような部分があった。その中で、ふと心に留まった言葉があった。そのおよその内容を伝える。
 
マスクをつける子どもたちについて:マスクは、見えないウイルスの存在の証しである。
 
マスクをつけろとと行政や教育の親方は言っていた。今度は、外せとは言わない。外すかどうかは自己責任だ、というのである。現場の教師はどう指導しろというのだろう。

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ひとの移動

ひとの移動

新型コロナウィルス感染症が、日本では依然厳しい情況である。よくぞ医療機関が動けていると驚くが、関係者の苦労と緊張は休み無く続き、いつ破綻してもおかしくないようにも思われる。ワクチンの効果は、やはりありがたいものだったと言えるだろう。
 
歴史の中で、こうした感染症は度々起こっている。SARS(重症急性呼吸器症候群)が世界的に恐れられたのがもう20年も前であり、以後大きな病院にはその警告がずっと掲示

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新型コロナウイルスとインフルエンザ

新型コロナウイルスとインフルエンザ

この冬は、インフルエンザが流行している。これまでコロナ禍の中、何のせいだか不明だがインフルエンザは殆ど表に出てこなかった。だが今回、新型コロナウイルス感染症と共に、インフルエンザも多数出ている。
 
これらが、症状からすると、見分けがつかないのである。
 
医療機関では、発熱外来をもとよりやらないところもあるが、それを受け容れたところは、両方セットになった検査キットを準備しなければならない。
 

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新規感染者数は実はもっと多い

新規感染者数は実はもっと多い

新型コロナウィルスの新規感染者数が、またもや増えてきている。否、もう少し正確に表現しよう。「新規感染者としてカウントされた人の数」が、増えてきている。
 
医療機関や保健所が、規定に従ってカウントした人数が、日々発表されているということに、一般の人々はあまり注意して目を向けていないだろうと思われる。
 
専門的なシステムを解説できるほど、私は通じていない。ぼんやりとした掴み方で申し訳ないが、医療機

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闇に光をもたらす説教

闇に光をもたらす説教

遠方に住む高齢の親に会う計画をしていた人がいる。住まう施設は、このコロナ禍において管理が厳しく、外出が殆どできないのに加えて、外部からの通常の面会もままならない。例外的に外出できる機会があると知ったので、その時に会う計画を、その人は立てたのであった。
 
親は、健康に少し懸念があった。いますぐどうだということはないが、不安な兆候が出ていたために、その人は、なんとかしてこの機会に会いたいと願っていた

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