犬島キャンプ

2017年犬島サマーキャンプ実施レポート

こんにちは、タテイト広報スタッフのコサカです。今回はタテイトのホームページで掲載している2017年に実施した犬島サマーキャンプの報告レポートを転載させていただきます。

※下記記載部分からタテイトHPで2017年8月18日に掲載していた内容の転載になります。

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久々の活動報告です!
というのも、ここ半年はこのプログラムの準備に注力していたからでした。

タテイトの活動開始当初から目標としていた
「複数の学校の生徒を集めた合宿型のワークショップを実施する」という企画を8月11日〜13日の二泊三日で実施してきました!!

今日はその三日間をギュッとダイジェストでレポートします。
とはいえ少し長めの記事なので、どうか最後までお付き合いくださいm(_ _)m

今回の合宿の場所は、岡山県の離島「犬島」。

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犬島は、本土の政令指定都市から船で10分という立地にありながら、人口50人未満、島民の平均年齢75歳という、過疎化・高齢化と向き合っている地域です。

今回は以前よりこの島の振興に取り組んでいる福武財団様に協力いただき、
中高生に対して「難しい課題に取り組むために必要なことは何か」を考える合宿型のワークショップを実施させていただきました。

日頃よりご助言をいただいている先生方に協力いただき、
関西・岡山の学校から計8校、31人の生徒さんを迎えて実施したこの合宿。

島に到着した彼らがまず最初に取り組んだのは、
島のスポットを実際に見て回る「explore INUJIMA」です。

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最近は現代アートの島として知られている犬島ですが、それに限らず、昔ながらの史跡や人々の暮らしに根付いた場所も探しながら体験。

夜には、そこで感じた魅力や惜しいところをグループでまとめました。
この魅力をまとめるワークの最後には、なぜ犬島が今の姿になったのか、歴史を紐解きながらdeep diveする重要なセッションがありました。
・江戸時代に発展した石切事業により島の形が変わってしまったこと
・近代化の流れで銅の精錬所が作られたものの、10年程度で廃業になったこと
・戦後、化学工場の建設により、福島県からの移住が増えたこと
・それら産業の移り変わりにより人口が流出し、1990年代には学校が廃校になったこと

これらの文脈に触れた上で、
ではこれから「犬島に定住者を増やすには何ができるか」を考えるワークを
2日目に行いました。

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実際に島で活動されている島民の方に話を伺ったり、定住者の目線で再びスポットを巡ったり、生徒たちは徹底的に「島民として」の視点にこだわって何ができるかを考えていきました。

それでも、簡単には答えが出せるはずもない問いです。考えた企画を全体にプレゼンをしますが、まだまだモヤモヤが残ってしまいます。

このモヤモヤ、大人になると常日頃から向き合っている感覚です。
答えのない課題に取り組んだときに感じるモヤモヤ感。
タテイトスタッフは普段、別の本業を持っている社会人ばかりです。
ここで、社会人から体験談とメッセージを生徒たちに伝えます。
生徒の中に揺れ動く感情と向き合う、2日目の夜です。
※余談ですが、夜の犬島を巡ることができました。
観光に来ても日帰りをする方がほとんどのこの島の、夜の姿を見ることは本当に貴重な機会です。静まり返った島の中、最小限の光の中で見るアート作品や町の様子は、言葉に尽くしがたいものがありました。

さて、3日目、いよいよ最後のプログラムです。
「課題解決に必要なものは何か」
これを生徒たちには考えてもらいます。
実際に課題に向き合う島民の方からは、ポジティブでとにかく前に進もうとする心構えを学びました。
また、タテイトスタッフの社会人からは、犬島に限らず実際の仕事や人生で向き合う課題と、その乗り越え方を聞きました。

生徒たちは彼らなりの言葉で、課題解決に必要なものを見出していきます。

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あるチームは、課題解決に必要なものは「聴く」力という結論を出しました。
ここから各生徒は、それぞれの日々の行動に結びつけたアクションプランを考えます。

4.写真類 20170813_エンディング

3日間、本当に生徒たちにとって実りの多いプログラムになりました!
ある生徒さんの感想を引用させていただきます。

教科書に載っていることや先生から聞いたことではなく、島を歩いて、島民の皆さんの声を聞いて得た情報こそが本物の情報だということに気付かされました。 課題を解決するためには、まず課題がどんなものなのかじっくり見つめる必要があって、そのためには本物の生きた情報が必要なんだと学びました。

犬島でしか得られない学びを、犬島だけでなく日常生活にも紐付けていく,
そういった貴重な3日間だったのではないかと思います。

今回の合宿は本当に多くの皆さんにご尽力いただきました。
快く生徒の質問に答えてくださった犬島の皆様には感謝をしきれません。
また来年以降もずっと続くプログラムにしていけるよう、タテイトも頑張ります。

同行いただいた先生方も、貴重なお盆の休みを割いてきていただきました。
先生方の応援がなければ、ここまで多くの学びを多くの生徒さんに届けることができませんでした。重ねて御礼申し上げます。

そして最後に、高校生活の大事な夏の3日間を費やして参加してくれた生徒の皆さん。毎晩遅くまで頭をフル回転させて、大変な合宿だったと思います(笑)
それでも付いてきてくれて、たくさんの学びを持って帰ってくれてありがとうございました。また次回も、犬島サマーキャンプに参加してくださいね!

タテイトはこれからも、若手社会人だからこそ作れる中高生の学びにこだわって活動を続けて参ります。

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